健康・医療に関するジャンルのアルゴリズムにおいて、アップデートをしました。
アップデート自体はしょっちゅう行われているのですが、専門家によると、今回のアップデートは稀に見る大規模なものとなっているようです。
個人サイトですと、かなり影響を受けている人もいるのではないでしょうか
今回は健康や医療に関連する分野だけですが、今後どの分野にまで広がるか分かりません。
検索順位は気にしているけどアルゴリズムなんて考えたこともないという方には、今後の展望のヒントになることもあるかもしれないので、一度読んでいただけたらと思います。
アルゴリズムとは
アルゴリズムというのは、google側が「このサイトを上位にしよう」とランキング付けする判断基準、評価基準やルールみたいなものです。(厳密にいうとgoogleだけじゃないですけど)
検索エンジンを運営している限りは「有益なサイト」や「質の良いサイト」を検索上位にしておきたいというのは当然でしょうし、だからブログを運営する側もgoogleのアルゴリズムに気に入られるようなサイトを作ろうとします。
訪問者が見やすいように工夫したり、内容を充実させようとするのも、そのためですよね。
今年の二月にも変更がありました
2017/2月にもアルゴリズムの変更があり、キュレーションサイトなどが大幅に順位を下げました。
キュレーションサイトとは、ネット上に既にある情報をまとめた、「NEVERまとめ」のようなサイトのことです。
変更した理由は正式には発表されていないとのことですが、「DeNAのWELQ騒動が原因に違いない」と言われています。
DeNAのWELQ騒動とは
DeNAのWELQとは、DeNAが運営している「WELQ/ココロとカラダの教科書」という健康関連のキュレーションサイトのことなのですが、大手が運営しているサイトだと思えばどうしても信用してしまいがちじゃないですか。
でもWELQの記事のほとんどは「素人に執筆させたもの」や「他サイトのパクり」で、しかも信憑性のないものが多かったのです。
個人サイトと違ってお金と人員を使えますから、たくさんのキーワードでことごとく検索1位に鎮座し、「質の悪い内容でもお金をかけたもん勝ち」という状況でした。
でもそのうち「大手の会社が生死に関わる健康・医療の話題について、不確かな情報のまま垂れ流す(しかもパクってまで)」というなりふり構わないやり方が問題視され、最終的にはサイトの閉鎖に追い込まれました。
これが、「DeNAのWELQ騒動」です。
中には肩こりの原因について「霊のせいかもしれない」なんていう、冗談のような記事もあったようです
googleの対策
そして(多分)対策の第一弾として前述の2017/2月、googleのアルゴリズムでキュレーションサイトの順位が上がりにくいシステムになりましたが、今回は第二弾なのでしょうか・・・
健康と医療のジャンルでは個人サイトが下位に沈み、上位にはメーカー、販売会社、病院、公共機関、専門家、大手メディアなどのサイトが表示されるようになりました。
医療や健康に関連する検索結果の改善について
2017年12月6日水曜日
Google では、今週、日本語検索におけるページの評価方法をアップデートしました。
この変更は、医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、例えば医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなります。本アップデートは医療・健康に関連する検索のおよそ 60% に影響します。Google では、医療や健康だけに限らず、今後も継続的に検索の改善に取り組んで行きます。
出典: googleウェブマスター向け公式ブログ
私の健康関連の記事はどうなったか
私の記事も例に漏れず、順位が下がりました。
ダイエットや育毛関連への影響は今のところあまり無いようですが、私自身のアクセス数や順位などを調べてみると、美容関連も多少巻き込まれている様子です。(栄養素や成分などが健康系と被るからでしょうか?)
上位には、メーカー、販売店、病院などのサイトが多くなっています。
ただ、商品名については、そんなに変わっていないかと。
ニキビについての記事を書いたとして、ニキビ用の商品(仮称:「ニキビクリームA」)があったとして、「ニキビ 改善」などのキーワードでは順位が下がっても、「ニキビクリームA レビュー」などのキーワードではあまり変化が見られないという意味です。
アフィリエイトサイトが軒並み順位を落としているという情報がありましたが、ピンポイントの商品名で検索して訪問される分には、以前とそんなに変わらないのかもしれないです(確定情報ではないですが)。
今まで「ニキビ 改善」「ニキビ 治す方法」などのキーワードで訪れてたアクセス数は、かなり減りそうですね。
このアップデートで思うこと
有益じゃないサイトより有益なサイトが上位にいる方がいいですよね。
信憑性についても、エビデンスのある正しいことが書かれている方が良いに決まってます。
ただ、メーカー、販売店、病院が上位にいれば調べ物がしやすいかといったら、そうでもなく・・・
こんなこと言うのもアレですが・・・、まず病院や厚生労働省のサイトは内容に信憑性があるものの、専門用語が多くて分かり辛いです。
そしてメーカーなどは商品の宣伝サイトがほとんどですので、薬機法を気にしすぎて言い回しがぼんやりしているため、真実が上手く伝わってきません。
本当はできることでも、「できる」という言い方はしないですからね。
もうちょっとレベルの低い、一般人の生の声も聞きたいと思ってしまいます。
個人的には、「専門家のサイト」=「有益なサイト」とも言い切れないのです。
官公庁の分かり辛いPDFから必要なことを抜粋して分かりやすく書いてくれているサイト、薬機法のせいでごまかしながら書くことしかできなかった大手企業サイトの矛盾点に切りこむサイト、そんなサイトが私にとっては有益なサイトでした。
「闘病日記」的な記事も、順位が下がるようです。
確かに闘病日記にかこつけて「これをすれば癌が治る!」などの記事が溢れ、眉唾モノの情報も多いのですが、そういう情報も一切探しにくくなると思うと、それはそれで「うーん・・・」という感じで。
医者(専門家)に全てを任せず、自己流で試した何かの情報が、誰かの役に立つこともあるだろうし。
医学に基づいた情報ではなくても、自分と同じ病気の人が頑張っている姿を見て、何か心に訴えかけられるものがあるかもしれないし。
でも、嘘情報にすがって無駄金を使ってしまったり間違えた方向に向かってしまう可能性もあるだろうし・・・
難しい問題です。
googleも対応策、大変でしょうね。
一番良いのは、人の人生や命に関わるような話題を適当に扱うようなサイトがなくなってくれること、読者側もネットの情報だけを鵜呑みにしないこと。
そしてなんといっても、検索上位に優先的に迎え入れられることになった医学の専門家たちが、今後は一般人の立場に立ち、一般人に理解しやすく正直で有益なサイトを意識して作ってくれることですね。
googleが「あーもう面倒くさいから、SEOだとか検索上位だとかどうでもよくなるように、アドセンスやめちまえ!」みたいなことにならないよう、祈っています(笑)