新年を迎える準備はできましたでしょうか?
お正月といえば「餅」は欠かせません。
お雑煮、磯部焼き、あべかわ餅、ぜんざいなどなど・・・
今から「全種類楽しみ!」と、わくわくしています。
でも、毎年必ず聞くニュースが、「餅を喉に詰まらせて死亡した」という事故です。
自分はまだ喉に詰まらせる年齢ではなくても、ご両親や祖父母は心配だという方もいらっしゃいますよね。
今日はその危険性や対処方法などについてのお話をしようと思います。
何歳くらいから気を付けた方がいい?
東京消防庁の調べでは、餅を喉に詰まらせて救急搬送される人は毎年100人程度いますが、そのうちの約85%が65歳以上、1月に限って言えば約90%が65歳以上とのことです。
その結果から見ても全国的に、65歳以上の危険性が高いことが分かります。
1月に特に多いということは、餅で窒息する人が65歳以上に多いということでしょう。
もちろん他の年代でも搬送される人はいますし、乳幼児にも注意が必要です。
45歳以上はそれまでの年代より多少増え、60歳からは件数が3倍ほどになり、65歳から激増します。
90歳までは男性の方が多い傾向にあります。
90歳以上は女性の方が多くなりますが、上記はパーセンテージではなくて絶対数の話なので、これは平均寿命の男女差も関係しているかと思われます。
65歳以上といえば、自分にしても親にしても、家族や血縁者の誰かしら当てはまっていることが多いと思います。
決して他人事ではありません。
誤嚥(ごえん)による年間死亡者数
誤嚥(ごえん)とは、食べ物や唾液や異物を気管内に飲み込んでしまうことです。(本来は食道に入ります)
飲食中にむせることも誤嚥で、健康的な若い人にでも誰でも起こり得ることですが、乳幼児と高齢者はそのまま窒息にも繋がるので注意が必要です。
食物の誤嚥による事故死亡者は1995年からの20年間で徐々に増加傾向にありますが、ここ最近は毎年 4千人〜5千人前後です。
これは餅だけではなく、蒟蒻ゼリーなど他の食品も含まれます。
ただ、厚生労働省調べの「不慮の事故による窒息死」では1月の死亡者数が圧倒的に多いため、やはり餅の影響が大きいと思われます。
交通事故死亡者数(事故発生から30日以内に亡くなった人)は年間5千人〜6千人ほどですから、それと比較すると、誤嚥による死亡者数がいかに多いか分かっていただけると思います。
しかも、若いうちはなかなか起こらない事故なのに、この人数ですからね。
高齢者だけのデータでいえば、誤嚥での死亡者はかなり多いということになります。
高齢者の食物の誤嚥も、じゅうぶんな注意が必要です。
餅の誤嚥(ごえん)を防ぐ方法
高齢者を想定して書きます。
・喉が渇いている状態では食べない
・朝起きていきなり食べない
・急いで飲み込まない
・必ず家族と一緒にいる時に食べる
・よく噛む(唾液を出すため)←
・小さく切る
・ながら食べ(テレビを見たり喋ったり)をしない
・40度以下だと硬くなりやすいので(くっつきやすくなる)、なるべく熱いうちに食べる
・もち米ではなく、うるち米やもち小麦を使った餅にする(喉にくっつきにくい)
餅を喉に詰まらせた時の対処方法
詰まらせた本人も、周りの人も、知っておくと最悪の事態を避けられるかもしれません。
両方の立場から書きます。
・詰まらせた本人は、周りに分かるようにジェスチャーする
・意識があるのなら、咳をするように言う
・すぐに119番通報
・口の中に指を入れて取り出す(奥に入れてしまわないように注意)
・掃除機で吸い出す(口内や喉を傷めるかもしれないのでよほど緊急じゃない限りはやらない方が無難)
・背部叩打法を試す(詳しくは検索で)
・ハイムクリック法を試す(詳しくは検索で調べていただきたいのですが、意識が無い場合はやらない方がいいようです)
まとめ
せっかく清々しい気持ちで新年を迎えたのですから、また一年、家族全員で健康に過ごしたいものですよねの。
お正月からこのようなことにならないよう、ちょっとでも覚えておいていただけたらと思います。
もし上手く餅を取り出せたとしても、高齢者の場合は一度心臓に負担がかかると、その後も危険が伴います。
そこで安心せずに、必ず病院で検査してください。
喉に詰まらせないような防御策は必要ですが、それでも万が一詰まらせてしまった場合は、まずは周りが落ち着いてください。
119番に電話しても住所を言い忘れたり、そもそも電話することすら忘れたり、指で取ろうとして慌てて奥に突っ込んでしまうこともあるようなので、とにかく冷静に対処することが必要です。