今回は執権政治についてです。
執権とは 鎌倉将軍の補佐を行う役職です。
しかし、3代目将軍源実朝が暗殺されて源氏の将軍が途絶えたあとは、執権が政治の実権を握っていきます。
朝廷や摂関家から鎌倉殿を迎え、それをお飾りにして執権が政治を行っていくような形です。
この執権政治は鎌倉幕府滅亡まで続きます。
初代執権である 北条時政。
御成敗式目を作った 北条泰時。
元寇への対応を行った 北条時宗。
最後の執権 北条高時。
有名どころではこのくらいでしょうか。中学校で覚えるのは時政、泰時、時宗の3人です。
この執権政治、北条氏による独裁と思われがちですが、末期を除いてその意思決定には合議制が採用されていました。
合議制というのは、複数の人の会議によって意思決定がされる形式です。鎌倉幕府では、有力御家人による合議制だったといわれています。
結局元寇の後から得宗専制と呼ばれる執権の独断政治が始まります。
そのため、執権政治=独裁という考えも、まったく間違っているわけではないですが、初期の鎌倉幕府においては御家人の意見を聞いて政治を行うこともあったことは覚えておきたいですね。
また、少し話はずれますが、独裁政治と専制政治の違いは、教科書では取り扱われていない内容です。
違いのキーワードは身分です。 専制政治は身分が高い人が独断政治を行うこと、 独裁政治は身分が高くない人が独裁政治を行うことを指します。
つまり、エリザベス1世などの王様がやるのが専制政治、ヒトラーなどの一般人がやるのが独裁政治、という感じです。
教科書では特に説明もなく「専制政治」と「独裁政治」が入り乱れて使われていますが、しっかり違いを覚えることで教科書の内容をよく理解することができます。
これは社会科に限った話ではありませんが、わからない言葉が出てきたらきちんと調べるようにしましょう。それが、理解を深め、その教科の成績を上げる1つの方法だと私は思います。
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