なんとも昭和の香りが漂う記事タイトルですがそこはご勘弁を。
今回ご紹介するのは黒田くろた先生のです。
若い二人のケンカップルが大好物という方にはもちろん、関西弁萌え、方言萌えの方にもオススメしたい一冊。
属性としては「オレ様攻め」「おとぼけ受け」「ケンカップル」「同い年」「芸人」といったところでしょうか。
エロはほぼありません。
あらすじ
おばあちゃんとの約束と自身の夢を胸にお笑い養成所に通い始める朝陽。
入学初日、即席コンビを組んでネタを披露することになるが、その相手はイケメンツッコミの水瀬だった。
ピンで活動するつもりだった朝陽だが、水瀬との息はぴったりで、即席コンビの即席ネタの勢いでキスまでしてしまった。
二人はお互いに手応えを感じコンビを組むことになるが、イケメンの水瀬がファンの女の子に囲まれるようになりモヤモヤし始める朝陽。
朝陽はネタ合わせの最中も何故かドキドキしてしまい、自分の気持ちに戸惑う。
一方何を考えているかわからない水瀬は、ネタ合わせの最中に二度目のキスをしてきて−−−
コンビは友達以上恋人未満、なのか?
芸人コンビは夫婦のよう、ともよく言われますが、それは私たちがテレビで見かけるほど出来上がっているコンビであればこそ。
出来立てコンビの関係なんて、まるで付き合いたてのカップルのようなものです。
お互いをまだよく知らなくて、でも仲間だからこそ聞けないこと、男同士だからこそ素直になれない部分があって然り。
そういうウブで初々しい二人の関係に胸がわしづかまれるのがこの作品。
黒田先生が描くケンカップルは、そのテンポの良さにも引き込まれます。(先生は他作品でもヤンキーケンカップルを描いてらっしゃいます。)
残念ながら、二人がネタをやるシーンで見せてくれるネタは全然面白くないので「こいつら売れるんかな?」と思ってしまいますが、そこは本職の芸人さんがネタを書いているわけではないのでご愛敬。
mocchy的見どころ
読者を二人に一番近しい第三者にしてくれている。
人の恋路を覗き見るのって楽しいですよね。
私の友達はアイツのことが好きみたいだけど、アイツも実は友達のこと好きなんだよねって知ってて見守る立ち位置、超おいしくないですか?
BLマンガにはよく登場する「 男同士の恋愛に理解のある受けの親友(女)」に、読者の私たちがなれるのです。
その視点から見る朝陽の困惑する姿はもちろんですが、ストレートに表現できない水瀬のミステリアスっぷりもなかなかに美味しい。
ちなみにmocchyは1回目は朝陽の気持ちを追いかけて、2回目は水瀬の方の心の動きにフォーカスして読みました。
胸キュンをじっくり楽しみたい時にオススメです。