小池知事側近が広げ…“築地民営化”の大風呂敷に業者困惑
日刊ゲンダイDIGITAL 2017年8月2日
小池百合子都知事(65)が2日で就任1年を迎える。都議選の圧勝など飛ぶ鳥を落とす勢いのようにもみえるが、内情は違うようだ。小池都政はアチコチで「綻び」が出始めている。
〈「知事方針への全面協力」という戦略的思考〉——。ちょっと驚きの持論を展開したようだ。市場移転問題で、小池都知事の側近、小島敏郎特別顧問が先月29日、移転慎重派の仲卸業者主催の勉強会に出席。いったん豊洲に移転した後、5年後に築地に戻りたい業者だけ戻るという「両市場併用」案について説明したが、〈徹底して知事方針に賛成し〉との見解に仲卸業者からは困惑の声が広がっている。
参加者によると、小島氏の説明は、30人ほどの仲卸業者を前に約2時間半に及んだ。とりわけ業者を混乱させたのが、パワーポイントで「個人の見解」と前置きした上でブチ上げた、再開発する築地市場の「民営化」プランだ。
■築地を民間資金のみで運営?
小島氏は、築地を民営化すれば「柔軟な運営や取引が可能」と指摘。都税を投入せずに築地を民間資金のみで運営する方針を示した。国の補助金に頼らずに駅前再開発を成功させた、岩手県紫波町の「オガールプロジェクト」も参考にするという。
しかし、誰が築地市場の事業主体になるのかなど、詳細な説明は一切なし。市場の土地を民間に売るのか、運営部局の「中央卸売市場」を民営化させるのか、具体的なプランは語らずじまい。
一方で、〈新築地は中央卸売市場ではないので市場会計から外れる〉〈新築地の収益は市場会計に入らない〉と、現在は独立採算の「公営企業会計」から切り離すことが大前提だから、ますます行政の素人には理解不能だ。勉強会の終了後に参加者らは「計画が曖昧で分からない」「民営化したら家賃が上がるのでは」とクビをひねっていた。
築地市場の民営化にリアリティーはあるのか。地方自治に詳しい中央大学教授の佐々木信夫氏(行政学)はこう言う。
「築地市場を民営化すること自体、特異な発想だと思います。どういった仕組みで2つの市場を存続させるのか、いまひとつ理解できません。ここまで複雑な市場のつくり方をしているのは、他の自治体にはありませんよ」
勉強会で業者から「本当に5年で戻れるのか」との質問が飛ぶと、小島氏は「知事は『5年後に戻ってきます』と約束した。これ以上、何を言えばいい」と開き直ったという。実現の根拠は「小池を信じれば救われる」のみ。こんなボンヤリしたプランへの全面協力は、「戦略的思考」とは言えない。
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