NHKのガチ!「発達障害プロジェクト」の反響|リアルな体験談
【この記事を3行で要約】
NHKの本気!
1年間かけての
「発達障害プロジェクト」
目 次
1. NHKの発達障害プロジェクトがスタート
2. 大反響の5月21日の生放送【レビュー】
3. 当事者の声を大切にしていて好印象
4. みんなで作る発達障害のトリセツ
NHKの発達障害プロジェクトがスタート
かけて取り組む、NHKの「発達障害プロジェクト」。
番組を縦断して発達障害をテーマに取り上げるなど
NHKの本気が伝わります。
5月21日からの1週間では、5つの特集番組が組まれていました。
“発達障害の人特有の「感覚過敏」などの感じ方がある”
“イチゴ
発達障害の人の中には、気持ち悪さや怖さを感じる人が多くいました。
イチゴの表面にあるいくつものつぶつぶが目に飛び込んで来る…”
“コロッケ
サクサクした食感の衣ですが、発達障害の人の中には、口の中を針で刺されているように感じられ…”
子どもの“偏食” 実態明らかに ー2017年4月5日(水)放送
プロジェクトスタート以前からNHKは
発達障害の人がもつ
感覚に着目していました。
“視覚や聴覚について、中には独特の感覚がある”
“小中学生15人に1人!?”解明進む発達障害 ー2017年5月20日(土)放送
発達障害の専門家や研究チームが
彼らの感覚に着目し
それを再現しようとしていることが
紹介される。
今まで
「コミュニケーション」や「行動」に
着目されることが
多かった発達障害の人たち。
彼らがもつ
独特の「感覚」を解明しようという
アプローチは興味深い。
大反響の5月21日の生放送【レビュー】
平成29年5月21日(日)21:00〜21:59
に放送した
「発達障害 〜解明される未知の世界〜」。
この生放送中には
発達障害をもつ当事者から
5000件を超えるFAXが番組に送られ、
twitterでも
放送を見てリアルタイムでの
つぶやき(実況)をする当事者もいて、
反響は大きかった。
関連記事
“行動の謎が最先端の科学により解き明かされつつある”
“発達障害の脳は情報処理の方法が多くの人と違っている…”
“「見え方」「聞こえ方」が多くの人と違っていて…”
“感覚過敏”
「発達障害 〜解明される未知の世界〜」 ー2017年5月21日(日)放送
※感覚の過敏性、または鈍感性には個人差があります。
視覚の過敏性について
紹介された当事者の声で印象に残ったこと。
明るいところだと
「全体が白っぽく見える」
「目が痛い」
「光が目に刺さるようだ」
動くものを見ると
「光が失われる」
「光の粒が見える」。
大阪大学などの研究グループの取り組みが
紹介された。
視覚に過敏性がある人は
どのような世界を見ているかを
映像として再現しよういうのだ。
「百聞は一見にしかず」
困り感を
言葉や文字だけではなく
映像にすることで、
具体的に
どのような大変さが
あるのか、
理解しやすかった。
特別な感覚世界を
視聴者が
疑似体験できるからだ。
関連記事
聴覚の過敏性について
紹介された当事者の声で印象に残ったこと。
「さまざまな音が混ざって聞こえる」
「ちょっとした注意が、大きな声で
ものすごく叱られているよう」
「常に音の洪水にさらされているようだ」
「耳をドリルでやられているような」
国立精神・神経医療研究センターでの
聴覚性瞬目反射実験
(音の大きさによる筋肉の反応をみる実験)の結果。
・自閉スペクトラム症でない人
→音が大きくなるにつれて反応が大きかった。
・自閉スペクトラム症の人
→小さな音でも大きく反応していた。
聴覚過敏の人は
そうでない人が気にならないような
日常の生活音にも、反応することを
示すデータだ。
しかも、
自閉スペクトラム症でない人は、
脳の働きにより
無意識に、必要な音とそうでない音を聞き分けやすくする
フィルターのような機能が働いていることも
紹介されていた。
(ロンドン大学 認知神経科学 フランチェスカ・ハッヘ教授)
もしも
そういった機能が働かず
ダイレクトに
全ての雑音を
脳が受け取っているとしたら…。
日常生活の雑音に対して
「気にするな」
「我慢しろ」と
言えるような
レベルではない状況であろう。
二次障害について
障害のある生活を
過ごすなかで
二次的に別の障害が
引き起こされる場合がある。
例を挙げると
うつ、不安障害、強迫性障害、統合失調症、そううつ病(双極性障害)、PDSD、不登校、ひきこもり等である。
出演者の栗原類さんが言った言葉が
印象に残った。
日本で活動するモデル、タレント。1994年12月6日生まれ。東京都出身。O型。注意欠陥障害(ADD)。
「学生時代は、自分が普通じゃないというのは分かっていたのですが…」
「少数派の意見は取り入れない」
「普通じゃないのは排除される」
「少数派の小さな意見だと、周りに理解されないし、
何年も悩んでいました」
類さんの言葉から
周囲の求める「普通」によって
精神的に苦しめられたり、
「普通」のフリをしようと
ヘトヘトに疲れたりする
そんな当事者たちの生活が垣間見える。
当事者の声を大切にしていて好印象
5月21日(日)の
生放送ではFAXで送られてきた
視聴者(当事者)の声が
リアルタイムで紹介されていた。
発達障害をもつ出演者たちは、
自身の体験をコメントとして発信する。
彼らの
生活ぶりや正直な気持ちまでわかり、
それを見ていた視聴者は
理解が深まったことだろう。
このときの放送に象徴されるように
「発達障害プロジェクト」は
リアルな当事者たちの声を大切にしているのが
特徴ではないかと感じる。
みんなで作る発達障害のトリセツ
公式サイトにある
「みんなで作る発達障害の“トリセツ”」という
コーナーをご紹介します。
このコーナーでは
当事者たちが感じやすい
困りごと、その対処法などの
体験談を投稿できます。
体験談は
生活場面ごとの
カテゴリーに分けて
集約される。
2018年春に完成する予定とのこと。
公式サイトでは、
随時、
集まっている体験談が
読めます。