2017年08月02日
【追憶ゲーマー】『モンスターハンター』(2004年)—ワイルド系紳士との出会い
本当に夢中になったゲームの体験は、若かりし頃でも、たとえ幼少時代のことであっても、記憶に深く刻まれています。祖母とゲーム屋に並んだ発売日、一緒にプレイしたクラスメートの笑顔、家族に隠れてこっそり遊び続けた日々……。そうした当時の出来事も、まるで昨日のことのように鮮明に思い出せるものです。
本企画「追憶ゲーマー」では、そんなゲーマーの記憶に秘められた過去の“思い出話”を、Game*Sparkとインサイドのライターが連載形式でお届けしていきます。
今回は、2004年3月11日に発売されたシリーズ第一作目『モンスターハンター』です。
タイトル:『モンスターハンター(MONSTER HUNTER)』
機種:PlayStation 2
発売日:2004年3月11日
販売元/開発元:カプコン
ジャンル:ハンティングアクション
公式サイト: http://www.capcom.co.jp/monsterhunter/1/
—「おっ、女の子可愛くないけど面白そう!」
ファンタジー世界の頂点捕食者と思われる巨大なドラゴンを相手に、ゴツゴツした重厚な鎧を身に付けた男が、100キロ以上ありそうな大剣を持って戦っている……ゲーム雑誌に載っていた『モンスターハンター』のダイナミックなビジュアルは、当時10代だった筆者を魅了しました。
さらに、本作にはオンラインマルチプレイモードが搭載されているという事もあり、ちょうど『FFXI』を引退していた筆者は、「これだ!」と思えるオンラインゲームに出会ったと感じたのです。正直なところ「女キャラをもうちょっと可愛くしてもらえないかなー」という不満を少しだけ抱えていましたが……。それでも購入に迷いはありませんでした。
—彼は、隻眼のリオレウスを見つけられたのだろうか
『モンスターハンター』を購入した筆者は、本作にシングルプレイモードがある事を忘れ、オンラインマルチプレイモードに没頭していました。そこでマッチングしたプレイヤーの中には、「ロールプレイ」を行う人がいたのです。
ロールプレイとは、プレイヤーが自分で作り上げたキャラクターを演じながら他人とコミュニケーションを取っていく行為ですが、ロールプレイを成立させるには、他者がその行為を受け入れなければなりません。その条件として、最低限のネチケットのほか、一貫したキャラクター設定が必要です。そして相手のロールプレイに対する理解も欠かせません。ただ、おおよそのロールプレイヤーは、ロールプレイを行う事に相手に了解を得る事はせず、相手もまた暗黙のうちに受け入れているものです。
しかし、例外も存在します。その方のハンドルネーム(仮名)を、ヴァンガード・マクスウェルさん(以下:ヴァンガードさん)としましょう。彼は、私がオンラインルームに入室した際、以下の言葉をチャット画面に打ち込んだのです。
ヴァンガードさん「よぉ!よく来たな!お前を待っていたぜ!(乱暴な挨拶からすみません^^;今、私は、自信過剰が玉にキズだけど仲間想いで熱血漢の中堅ハンターというキャラ設定でプレイしています。もしかしたら、このキャラ設定でプレイしていくうちに、気を悪くされるかもしれません。その際は、私の方から謝らせていただきます!)」
筆者は、これまで様々なロールプレイヤーと出会ってきましたが、ここまでロールプレイを行う相手に気遣いをするプレイヤーは初めてです。ヴァンガードさんが演じたいはずのキャラクターの台詞より、()内の言葉の方が筆者に強烈な印象を残しているため、条件反射的に「あっ、ロールプレイの件、了解しました」と答えそうになりましたが、ここはストイックな彼に敬意を表し、()内の言葉を読んでいないかのように簡単な挨拶のみを交わしました。同時に入室した他のプレイヤーも同様でした。
筆者「よろしくお願いします!」
Aさん「よろしくー」
Bさん「よろ^^」
ヴァンガードさん「俺はヴァンガード・マクスウェル!今リオレウスを追っているところだ。あんたらは信用できそうだ。一緒に行かないか?(ご協力ありがとうございます!とりあえず、私が最初にクエストしてもいいですか?^^;次は、筆者さん、Aさん、Bさんでローテーションする形で!)」
挨拶を済ませた我々は、お互いリオレウスを狩るのが目的だったので、ひたすら同じクエストを受けていた記憶があります。クエスト中の事は、もうあまり覚えていないのですが、リオレウス討伐時にヴァンガードさんが「クソッ!……コイツも違う……隻眼のリオレウス……お前は一体どこに……(おつかれさまでした!今回もありがとうございます!)」と毎回決め台詞を言うのは印象的でした。おそらく、隻眼のリオレウスとの間に何か因縁があるのでしょう。仲間の中には、他人の過去に土足で踏み込むような真似をする無粋な人はいなかったので、結局彼に何があったのかは聞けずじまいでした。
ヴァンガード・マクスウェルさんと旅を共にしたのは、およそ2~3時間程度。本当に一期一会の出会いでしたが、今でもたまに思い出しては、乱暴なキャラクターの台詞と()内で綴られる紳士的な対応とのギャップに「フフッ」と笑ってしまうのです。
本企画「追憶ゲーマー」では、そんなゲーマーの記憶に秘められた過去の“思い出話”を、Game*Sparkとインサイドのライターが連載形式でお届けしていきます。
今回は、2004年3月11日に発売されたシリーズ第一作目『モンスターハンター』です。
タイトル:『モンスターハンター(MONSTER HUNTER)』
機種:PlayStation 2
発売日:2004年3月11日
販売元/開発元:カプコン
ジャンル:ハンティングアクション
公式サイト: http://www.capcom.co.jp/monsterhunter/1/
—「おっ、女の子可愛くないけど面白そう!」
ファンタジー世界の頂点捕食者と思われる巨大なドラゴンを相手に、ゴツゴツした重厚な鎧を身に付けた男が、100キロ以上ありそうな大剣を持って戦っている……ゲーム雑誌に載っていた『モンスターハンター』のダイナミックなビジュアルは、当時10代だった筆者を魅了しました。
さらに、本作にはオンラインマルチプレイモードが搭載されているという事もあり、ちょうど『FFXI』を引退していた筆者は、「これだ!」と思えるオンラインゲームに出会ったと感じたのです。正直なところ「女キャラをもうちょっと可愛くしてもらえないかなー」という不満を少しだけ抱えていましたが……。それでも購入に迷いはありませんでした。
—彼は、隻眼のリオレウスを見つけられたのだろうか
『モンスターハンター』を購入した筆者は、本作にシングルプレイモードがある事を忘れ、オンラインマルチプレイモードに没頭していました。そこでマッチングしたプレイヤーの中には、「ロールプレイ」を行う人がいたのです。
ロールプレイとは、プレイヤーが自分で作り上げたキャラクターを演じながら他人とコミュニケーションを取っていく行為ですが、ロールプレイを成立させるには、他者がその行為を受け入れなければなりません。その条件として、最低限のネチケットのほか、一貫したキャラクター設定が必要です。そして相手のロールプレイに対する理解も欠かせません。ただ、おおよそのロールプレイヤーは、ロールプレイを行う事に相手に了解を得る事はせず、相手もまた暗黙のうちに受け入れているものです。
しかし、例外も存在します。その方のハンドルネーム(仮名)を、ヴァンガード・マクスウェルさん(以下:ヴァンガードさん)としましょう。彼は、私がオンラインルームに入室した際、以下の言葉をチャット画面に打ち込んだのです。
ヴァンガードさん「よぉ!よく来たな!お前を待っていたぜ!(乱暴な挨拶からすみません^^;今、私は、自信過剰が玉にキズだけど仲間想いで熱血漢の中堅ハンターというキャラ設定でプレイしています。もしかしたら、このキャラ設定でプレイしていくうちに、気を悪くされるかもしれません。その際は、私の方から謝らせていただきます!)」
筆者は、これまで様々なロールプレイヤーと出会ってきましたが、ここまでロールプレイを行う相手に気遣いをするプレイヤーは初めてです。ヴァンガードさんが演じたいはずのキャラクターの台詞より、()内の言葉の方が筆者に強烈な印象を残しているため、条件反射的に「あっ、ロールプレイの件、了解しました」と答えそうになりましたが、ここはストイックな彼に敬意を表し、()内の言葉を読んでいないかのように簡単な挨拶のみを交わしました。同時に入室した他のプレイヤーも同様でした。
筆者「よろしくお願いします!」
Aさん「よろしくー」
Bさん「よろ^^」
ヴァンガードさん「俺はヴァンガード・マクスウェル!今リオレウスを追っているところだ。あんたらは信用できそうだ。一緒に行かないか?(ご協力ありがとうございます!とりあえず、私が最初にクエストしてもいいですか?^^;次は、筆者さん、Aさん、Bさんでローテーションする形で!)」
挨拶を済ませた我々は、お互いリオレウスを狩るのが目的だったので、ひたすら同じクエストを受けていた記憶があります。クエスト中の事は、もうあまり覚えていないのですが、リオレウス討伐時にヴァンガードさんが「クソッ!……コイツも違う……隻眼のリオレウス……お前は一体どこに……(おつかれさまでした!今回もありがとうございます!)」と毎回決め台詞を言うのは印象的でした。おそらく、隻眼のリオレウスとの間に何か因縁があるのでしょう。仲間の中には、他人の過去に土足で踏み込むような真似をする無粋な人はいなかったので、結局彼に何があったのかは聞けずじまいでした。
ヴァンガード・マクスウェルさんと旅を共にしたのは、およそ2~3時間程度。本当に一期一会の出会いでしたが、今でもたまに思い出しては、乱暴なキャラクターの台詞と()内で綴られる紳士的な対応とのギャップに「フフッ」と笑ってしまうのです。