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posted by fanblog
2024年10月10日
【君の膵臓を食べたい (2019)】
あらすじ
物語は、ある日、図書館で「僕」が一冊の日記を拾うところから始まります。その日記は、クラスメイトの山内桜良(やまうちさくら)のもの。彼女は、膵臓の病気で余命いくばくもないということが書かれていたのです。桜良は明るくて誰からも愛されるような性格ですが、そんな彼女が、死を間近に感じながらも日常を楽しんでいることに「僕」は驚きます。
普段、周りからほとんど目立たない「僕」だけど、この秘密を共有することになり、次第に桜良と特別な関係になっていきます。彼女は「僕」を自分の最後の時間を共に過ごす相手に選び、二人での「冒険」が始まります。
物語の中で、桜良は「僕」に命の尊さや、人と人とのつながりの大切さを教えようとします。彼女は笑顔で、「膵臓をたべたい」と冗談を言うけれど、これは彼女が人生にどれだけ貪欲で、もっと生きたいと強く願っている証だったんですよね。
物語のクライマックスは、予想外の展開に。桜良の死は避けられないと誰もが思っていたけれど、実際に彼女の命を奪ったのは病気ではなく、突然の事件によるものでした。結局、「僕」は桜良が残した手紙を通じて、彼女の本当の気持ちや、最後に伝えたかったことを知ることになります。これがまた涙を誘うんです。
感想
まず、タイトルにびっくりしますよね。「膵臓をたべたい」って、なんだか異様だしインパクトが強すぎる。でも、この言葉には深い意味が込められていて、「誰かの一部になりたい」という桜良の純粋な気持ちが表現されているんです。映画を見終わると、このタイトルが実はすごくしっくりくることに気づかされました。
この映画、ただの「泣ける感動作」っていうだけじゃなくて、青春や友情、人生観に対するメッセージがたくさん詰まっているんです。「僕」と桜良の交流は、どこか不器用で、でも真っ直ぐで、見ている側もいつの間にか感情移入してしまう。桜良の無邪気で天真爛漫なキャラクターが、「僕」の閉じこもった心を少しずつ開いていく様子が丁寧に描かれていて、それがまたリアルで切ないんですよね。
キャラクターについて言えば、桜良役の浜辺美波の演技が光っていました。彼女は病気と向き合う少女の強さと、時に見せる弱さを見事に表現していて、観ている側も彼女の感情に寄り添わざるを得ません。そして、「僕」役の北村匠海もまた、感情を表に出さない無口な少年の複雑な心情を巧みに演じていて、二人の関係性がとてもナチュラルに感じられました。
物語の後半で、桜良が突然命を落とすシーンは本当に衝撃的で、しばらく頭が真っ白になってしまいました。それまで笑顔で元気に過ごしていた彼女が、あんな形でいなくなってしまうなんて…。でも、それがかえって彼女の生き方の美しさを際立たせているように思いました。彼女は自分の死を受け入れつつも、最後の瞬間まで全力で生きた。そして、それが「僕」に大きな影響を与えたんですよね。
この映画を通して感じたのは、「生きることの意味」について考えさせられるということ。桜良は、自分の残された時間が限られていることを知りながら、決して暗くならずに笑顔で日常を楽しんでいました。そんな彼女の姿は、日々の小さな幸せに気づかせてくれますし、限られた時間をどう生きるかという問いを観る者に投げかけています。
そして、「僕」の成長もこの映画の大きなテーマです。最初は自分の世界に閉じこもっていた「僕」ですが、桜良との出会いを通じて、彼も少しずつ変わっていく。彼女の死後、彼は桜良が伝えたかったことをしっかりと受け止めて、自分自身も他者とつながる勇気を持つようになるんです。人との出会いや別れがいかに人生を豊かにするかを改めて感じさせられるエピソードでした。
視覚的にも、映画の中で描かれる風景やシーンがとても美しい。特に二人が一緒に過ごす場面では、桜良の無邪気な笑顔や、日常の些細な瞬間が印象的に描かれています。これが、彼女の生き生きとしたキャラクターと重なって、より一層感動を引き立てているように感じました。
最後に
『君の膵臓をたべたい』は、タイトルから想像する内容とは裏腹に、命の尊さや人との絆を描いた非常に深い物語です。桜良の明るくポジティブな姿勢や、彼女と「僕」の交流を通じて、人とつながることの大切さや、日々の一瞬一瞬を大切に生きることの重要性が伝わってきます。
観終わった後はしばらく余韻に浸ってしまう作品で、感動だけでなく自分自身の生き方についても考えさせられる内容でした。まだ観ていない人にはぜひおすすめしたいし、観た人ともその感動を分かち合いたい作品です。涙が止まらないので、ハンカチは必須ですよ!