プリンス・エドワード島といえば、名作『 赤毛のアン』の舞台となった島。
ハリファックスでツアーガイドのハロルドが「 プリンス・エドワード島は世界で一番寛げる場所」と言っていたとおり、長旅の疲れを癒すかのようにリラックスできた5日間の滞在。
映画のセットのようなシャーロットタウン
この島を知らない日本人は少ないと思われるが、海外ではそれほど有名ではないのか、夏なのに思ったほどの観光客は訪れていなかった。おかげでツーリストが増えるという7月でさえメインストリートや公園、海沿いでもリゾート地のような混雑はなく、本当にのんびりと滞在することができた。
島の中心的な町シャーロットタウンには可愛らしい家々が広々とした敷地にゆったりと並び、人々は皆親切で車も歩行者に対してきちんと止まってくれるので、安心して街歩きを楽しめる。この『シャーロットタウン』という街の名前もまた優しく可愛らしい響きで、私は好きだ。
バカンスを楽しむなら、人でごった返すリゾートよりも断然この島がいい。
赤毛のアン、そして作者のモンゴメリが青春時代を過ごしたこの美しい島に魅せられた日本人が、現在100人近く住んでいるというのも頷ける。(100人って結構な数じゃない?)
新鮮なミルクを使ったアイスクリームも、酪農が盛んなプリンス・エドワード島ならでは。モールに入っている人気店 cowsのアイス、濃厚なお味で美味しゅうございました(^^)
小さな島でアリの巣のような都会に住んでいる日本人が、これだけゆったりした時間の流れるこの島に住んでみたくなるのはごく自然なことだと思った。
当初友人と共に訪れるはずだったが急な事情で彼女はキャンセル、寂しいながらも一人でB&Bに泊まることになった。この宿がまたすこぶる快適で、10年前イギリスのハワースで泊まったB&Bに並ぶお気に入りとなった。
歩いて数分で ヴィクトリア公園と海沿いの遊歩道に行けるし、レストランやお店の建ち並ぶメインストリートも近い。真っ白なリネンの大きなベッドのある陽当たりの良い部屋に5泊して、赤毛のアンの舞台となった場所を巡るツアーに出かける以外は、毎日散歩を満喫した。
アンの島で乗馬に挑戦
プリンス・エドワード島の見どころは『赤毛のアン』だけではない。
様々な アウトドア・スポーツが楽しめるのもこの自然豊かな島の魅力。
せっかくなので、人気の 乗馬に挑戦してみた。馬に乗るのは2月のヨルダン以来。といってもあの時は屈強なヨルダン男が手綱を握っていたわけだが…
乗馬といっても海岸を馬に乗って疾走する…というようなエキサイティングなものではなく、約1時間のガイド付き乗馬。乗馬は全くの初心者なので、まず馬の乗り方から手綱の握り方、馬の発進のさせ方と止め方、など基本的なことを練習。
緑の草原を思うまま、馬の背に乗って駆け回れたらさぞ自由を感じられることだろう…。はたまた映画のワンシーンのように馬に乗って海岸を疾走できたら…憧れるなぁ
お気に入りは、花の溢れるヴィクトリア公園
プリンス・エドワード・アイランド時間
夕方、 ヴィクトリア公園前の海沿いのボードウォークは仕事の後に家族で夕涼み散歩を楽しむ人々や、ジョギングにいそしむ人々で毎日賑わっていた。時間の流れがスローなこの島では残業する人などいないに違いない。そこには、この島特有の時間がゆっくりと流れている。
都会で忙しく働く現代人が忘れてしまった、 本当の幸せとは何かについて考えさせてくれるような気がした。
海の青とクリアな青空が溶け合う水平線が彼方に広がり、シルバーからゴールド、ピンク、紫へと刻々と色を変える雲がたなびく夕方の空は例えようもなく美しく、人々はしばし歩を止めて空と海を見つめ、家族と共に過ごす満ち足りた時間を楽しむのだった。
そして私も一人佇みながら、この奇跡のような瞬間を分かち合う相手のいないことに一抹の寂しさを感じながらも、こんなに遠くまでやって来たんだなぁ、と旅する幸せをかみしめていた。
★ 『「赤毛のアン」を育んだプリンス・エドワード島の魅力』 へつづく…
『赤毛のアン』ツアーの様子をお届けします
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