水を飲んでも太るわけ



 人類の歴史の大半を占めていた飢餓の時代を生き抜くにあたって、私たちの祖先は、少ない食べ物の中から、できるだけ多くの栄養を吸収しようとする遺伝子を獲得してきました。それが「生命力遺伝子」を構成する遺伝子の一つ、「気が遺伝子」と呼ばれるものです。
 ようやく食べ物にありついても、次はいつありつけるかわかりません。そこで少しでも食べ物を摂取すれば、それをすかさず脂肪として体に蓄積する体質を獲得しました。
 そう、私たちはちょっと食べるだけで太るようにできているのです。そうでなければ、私たちの祖先は飢餓との闘いの歴史を生き残ってこられなかったのでしょう。ですから、少しの量の食事でも太ってしまう体質は人類の進化の結果なのです。 食事を効果的に脂肪に換えて温存する『飢餓遺伝子』と呼ぶこともあります。 テレビで見る大食いタレントの中には、いくら食べても太らない痩せタイプの人がいますが、これは「飢餓遺伝子」が欠如した珍しいケース。 一般的には、食べた分だけ内臓脂肪がつくのが自然の摂理にかなっています。  それによって、人類はこの17万年を生き抜いてきたのです。

 【飢餓遺伝子】は、わずかの食事から最大のエネルギーを蓄えることができる、いってみれば【省エネ遺伝子】です。この遺伝子とともにもう一つ、人類の生命を維持するために働いてきた重要な遺伝子があります。それが、最近注目を集めている「延命(長寿)遺伝子」、正式名は「サーチュイン遺伝子」です。テレビなどでも話題になっているので、名前を聞いたことがある方も多いと思いますが、その発見のきっかけは、もともと【私たちの体は、空腹であればあるほど生命力が活性化し、若返るのではないか」という仮説でした。これ馬でも仏教の「断食」やイスラム教の「ラマダン」にみられるように、飽食状態よりも小食である方が長生きすることが経験的にわかっていました。そこで実際にあらゆる動物でえさの量を変えて生存期間を観察してみたのです。するとアカゲザル、ラット、モルモットなど、あらゆる動物実験において、えさの量を40%カットした時が一番延命光波が高く、なんと寿命が1・4~1・6倍に延びたのです。それだけではありません。飽食の猿は毛が抜けて顔の皮膚がたるみ、老化が進んだのも関わらず、食餌制限をした猿は毛並みがつやつやして皮膚にも針が出てきたのです。

 こうした実験結果から、生物が飢餓状態に置かれた場合、何とか生命を維持しようと活性化する遺伝子がどこかにあるのではないか。そんな予測の下に研究を続けて結果、見つかったのが「サーチュイン遺伝子」です。 さらに調べていった結果、この遺伝子は、空腹状態に置かれたとき、人間の体内に存在する50兆の細胞の中にある遺伝子をスキャンして、壊れたり傷ついたしている遺伝子を修復してくれる、ということが明らかになりました。


 この「サーチュイン遺伝子」の発現によって、私たちは命を長らえることが可能になるわけで、これこそが人類を延命させてきた「生命力遺伝子」の筆頭に挙げられるものです。
 「サーチュイン遺伝子」はもとより「飢餓遺伝子」、更に「繁殖遺伝子」「免疫遺伝子」「修復遺伝子」といっつた「生命力遺伝子」について調べるうちに、わたしはあるひとつの確信を持つに至りました。
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