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しごとのはなし 太田光[爆笑問題]

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最近呑み屋でお笑いの話をした。

その時、1人が「爆笑問題」で爆笑した事なんて一度もないしおもんない、と言って切り捨てられた時、内心『そんな嫌いじゃないんだよな』とか思いながら、聞き流した。

特に太田光は、確かに、空気を壊したり、悪性の滑り方をしたりと言わんとする事も理解はできるし、2chで叩かれてるのを見かけたりする。

ただ、NHKで教授と対談したり、政治討論番組なんかでは、【芸】として面白い事ではなく、【人間】として鋭い事を言ったりする。

そこにいるパネラーも、進行も、視聴者さえも思いつかないような隙間の隙間をつくような盲点を。

そういう意味で【人間】として面白いと個人的に思う。



そういう経緯があり、何気にこの本を手に取った。

読んでみると、その、空気を壊してしまったりする経緯も書いてあった。

「芸人の過剰なプロ意識が俺には似合わないし、好きじゃないのだと思う。特に、テレビのバラエティー番組での《プロだったら、このボケに対してこうツッこむべき》といったプロ意識が、俺には予定調和に感じられて壊したくなる」


確かに、テレビはどれだけ大衆に受けるかであるわけだから、紋切り型の内容の方が、視聴者は安心するのだろうが、そこの隙間に価値を見いだす少数派の方は、太田をおもしろいと感じてるのではないかと思う。

また、お金の価値観について、
「三ツ星レストランで何万円も払って食べるフルコースより、貧乏時代に、ちょっとだけ奮発して食べる800円のカツ丼のほうが絶対うまい。」
ここまでは、よく聞く話だが、
「俺は、思春期に、ピカソの『泣く女』を観て感動した。仮に今、『泣く女』を買い取れる収入があったとする。でも、その絵を家に飾ったとしても、思春期ほどの感動が得られるかといえば絶対に無理だと思う。」

なぜか、この一文に妙に納得してしまった。
美術や絵画に全くの門外漢であるのにも関わらず。


エンタメとアートの項は、すごく心に残った。

アートというのは、こうでなくてはいけない、といった格式みたいなものを太田は嫌っている。

「どこかの偉い先生が、造った何百万円もするような茶碗は普通には使えない。

それよりも、誰でも使える紙コップにアートを感じたりする。」

「ダ・ヴィンチやチャップリンだって、当時は大衆的だったわけで、だからこそ、時代や国境を越えて受け入れられた。」




太田は言う。
「論語いわく。40歳は不惑の年。けれど、俺は迷ってばかりいた。」
と、そしてそれは今も変わらないはずだ。

そして、迷いながらも、

「隙間を狙って笑わせるしか、今の俺にはできることなんてありはしないのだ」

と、綴っている。

記録よりも記憶に残ること。

記録は塗り替えられてしまうかもしれないが、記憶は覚えている限り消えない。


刃の裏にある繊細なタッチで綴られた、この本は少なくとも僕の記憶に残ると思う。


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空腹が人を健康にする 南雲吉則

空腹が人を健康にする 南雲吉則.jpg











キャッチコピーが「一日一食で20歳若返る」という、斬新なもの。そしてほんとにそんな事は可能なのか?という疑念を持ちながら読み始めた。

一番、説得力を出していたのは、著者紹介の写真だ。

執筆時、56歳との事だったが、ほんとに20歳くらい若く見えなくもない。それでいて、自分も56歳になった時、これくらい若々しくいられたらと思えるくらい男前に写っている。

見た目は関係ないというが、そこを真っ向否定し、体の健康、不調は全て外面にサインとして表れてくる、と主張している。そこは、男も女も見た目を素通りして恋愛できない事の裏付けともいえる。下腹が出ているよりも、くびれているに越したことはない。

スポーツジムに通う人が、不健康に見えたり、ハゲ治療の先生がハゲていては、なんの説得力もない。

また、一般的に「食べてすぐねてはいけない」「身体は温めた方がいい」「朝御飯はしっかり食べた方がいい」という通説を医師として、医学的見地から否定し解説、実践している。

人類と生命力を上げるのは『飢え』と『寒さ』であり、17万年の人類史上、飽食の時代といわれているのはここ50年であり、一部の先進国である。

そして、その飽食社会を維持するために、生態系や食物連鎖に影響を与えている。


確かに、一日三食、食べてきた現代人にとって、一日一食というのはハードルが高い。
けれど、著者は、少しずつ減らすことで、一日の絶対量は減るわけだから、無理のないようにと提案している。

何事も長続きが苦手な自分みたいなタイプには肩の力がぬけていい。


この著書は単なるダイエット本というよりは、人がどう健やかに充実した人生を生きていくかという知恵袋みたいな様相を呈している。



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ちゃあ
サラリーマンやりながら、ほそぼそとブログやってます。
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