トラックの前輪ホイールなぜ凸で!
後輪は凹んでいる!
トラックの大型から小型なものまでさまざまですが、足元のホイールに注目してみると、
前輪は外側に出っ張っている「凸」
対して後輪は、内側に奥まっている「凹」
例外はあるものの、日本を走っているトラック(バス)のほとんどが、こういった形状になっています
●フロント側のホイールは外側に出っ張っていて
●リヤ側のホイールは内側に凹んでいる
なぜ?
乗用車のように人の移動が目的のクルマとでは車両の重量がまったく異なります
乗用車のようにタイヤ4本だけだった場合、たくさんの荷物を積んで走ったらすぐにパンクしてしまう恐れがあるのです
その対応策として、荷物の荷重がかかる後輪のアクスル1本につきタイヤは4本履いています
だが、片側に2本セットで履かせるためにはどうしたらいいのか?
そこで考案されたのが、ダブルタイヤです
おもにトラックやバスで用いられるタイヤの装着形態のひとつになっています
凹凸を付けたホイール2本を、凸部を合わせて1セットにして固定、装着
だから、後輪ホイールは凹んで見えるのです
●後軸に装着されたタイヤをのぞいてみると、たしかに2本。凸部を合わせて固定されています
では、なぜ前輪ホイールが凸に?
その理由は簡単、後輪用を引っくり返して装着しているから
タイヤの偏摩耗などを防ぐため、後輪に履かせていたものを前輪に、といった具合にタイヤのローテーションを行います
そのとき前後輪のホイールが異なる形状だとタイヤの取り付け位置が制限されてしまい、前輪ホイールも後輪ホイール同様に凹凸のホイールが取り付けられるように
前輪に装着する際は、凸部が外側
凹部がアクスル(内)側に向くように設計
アクスルが前後で2本のトラックだったら、前に2本、後ろに4本、合計で6本同じホイールが付いている
同じホイールですが、凹凸があるためフロントとリヤで見え方が違う
安全性、そして経済性が最優先となるトラックにおいては、タイヤのマネージメントが非常に大事です
シングルタイヤの場合はどれかひとつパンクしてしまったらすぐに走れなくなってしまう
ダブルタイヤであれば片方がパンクしてもある程度の距離を走行し、安全な場所に停車できる可能性が高いのです
そういった意味でも、ダブルタイヤは必要不可欠
とはいえ、後輪用の幅広なシングルタイヤも開発されています
これまで荷重を支えるのにタイヤが2本必要だったのに対して、幅広のタイヤ1本で重さに耐えられるタイヤです
一軸当たり4セット必要だったタイヤ&ホイールが、2セットになり、シングルタイヤを導入すると、一軸当たり約100kgもの軽量化につながり、燃費の向上や積載量の増加により運送効率が上がるようです
前輪に装着するには幅広すぎて、フロントとリヤのローテーションは基本的に行えません
ダブルタイヤは比較的安価
幅広のシングルタイヤは割高ですが、ランニングコストを抑えられるメリットがあります
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