いつものように原稿をやっつけて来たので、いつものように疲れていた。
近所の定食屋に潜り込み、ビビンバを頬張って、眠りに着いた。
ソウルでホステルやゲストハウスと呼ばれる安宿はなぜか朝食付きの宿が多い。
大概はトーストやご飯が置いてあって、
キムチと一緒にご自由にどうぞ、という体裁だが、
一人旅にはこれがけっこうありがたい。
「ホステル・コリア」では、8〜10時の間にトーストとジャムが供される。
モチロン、淹れたてのコーヒーもございますぜ。
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到着日の翌日は慌しく出てきた疲れを引きずっていて、
たいてい昼近くまで寝過ごしてしまう。
この日も例外でなく、起きてきたらランチタイムに近い時間だった。
朝食のトーストはしまわれて、食いっぱぐれた時間だ。
コーヒーをもらおうとキッチンに向かうといい香りが漂ってきた。
滞在中の客がなにか料理しているのだろう、と思いながら、
キッチンに進むとスタッフのみんなが食事をしていた。
「アニョ〜ン」
寝ぼけた声で声をかけると、笑い声とともに返事が返ってきた。
「アニョンハセヨ〜、もうランチタイムですよ」
「ツカレテイルンデス。到着日は疲れているんです」
ハングルと英語を交えて、会話を交わす。
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「朝食?ランチ? 食べますか?」
「え?いいの? みんなのご飯でしょう?」
「ダイジョウブ、一緒に食べましょう」
ゲストハウスなのだが、常客ともなると家族やスタッフと同じ扱いなのがうれしい。
「メニューはなに?」
コーヒーを勝手に淹れながら、尋ねる。
24時間いつでも勝手に飲めるところもこの宿を気に入っている理由だ。
ところが欧米の客がいなければ、コーヒーを飲む客はホトンドいない。
以前にも書いたが、アジア系の宿泊客はストレートのコーヒーを好んで飲まない。
この宿のコーヒーを消費しているのは自分だけかもしれない。
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「プルコギ デスヨ〜」
「イイデスネ〜」
白いご飯をもらって、スタッフと一緒に頬張った。
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