週刊SPA! 8月13日(土)16時20分配信
ポケモン世代の辛口ゲーマーが徹底討論!ポケモンGO座談会
ピカチュウなど、おなじみのポケモンが登場。ボールをぶつけてポケモンを捕獲できる
配信からわずか19日間で累計7500万ダウンロードを達成した人気アプリ『ポケモンGO』。その魅力と今後の動向をポケモン世代の辛口ゲーマーが徹底討論。
⇒【写真】ポケモンGO座談会の様子
◆話題性はあったものの、持続させる課題もアリ!
’16年7月6日にアメリカやオーストラリアなどで先行配信され、7月22日に日本に上陸したスマートフォン向けアプリ『ポケモンGO』は、拡張現実(AR)の技術を利用し、現実世界でポケットモンスター、通称ポケモンと呼ばれる生き物の捕獲や育成、バトルが楽しめるのはご存じの通り。現実世界に出現したポケモンを捕まえられるというシンプルなゲーム性などが支持され、配信直後から人気が爆発。日本でも多くの人間がスマホを手に街にくり出すなど、社会現象を巻き起こした。だがその一方で、日本での配信から1週間足らずで「もう飽きた」という声も……。その理由やヒットの要因を分析すべく、編集部に3人のゲーマーが集まった。
●SPA!本誌でゲーム関連の記事を担当する編集者・まいまい。アプリから家庭用ゲームまで幅広く遊ぶ
●ゲーム関連の雑誌やWebをメインに活動するフリーライター・黒田知道。グルメ関連の記事も担当
●スマホのアプリを1万本以上所有しているIT&ゲームライター・長谷部義之。海外のゲーム事情にも明るい
◆ポケモン世代のゲーマー でもなぜ飽きるのか?
まいまい(以下、まい):『ポケモンGO』の配信から1週間くらいたちましたが(注:座談会当時)、みなさんはどれくらいプレイしていますか?
長谷部義之(以下、長谷部):僕は本格的には遊んでないです。トレーナーレベルを5にして、ジムに挑むくらいまでやりましたが。
黒田知道(以下、黒田):長谷部さんはハマらなかったんだ?
長谷部:そうですね。なんか自分には合わないかなって……。
まい:黒田さんはどうですか?
黒田:僕はレベル17です。もともとポケモン好きってこともあるんですが、近所のポケストップ(さまざまなアイテムを補給できる拠点。名所や旧跡、モニュメントなどが設定されていることが多い)を巡るのも、新しい発見があって意外と楽しくて。まだ捕まえていないポケモンに出会えると、テンションが上がりますし。
まい:わかります! 私も最初はうれしくて遊んでいましたが、プレイできるのが家から駅、駅から会社だけになってしまい、捕まえられるポケモンが限られちゃって。取材で移動も多いし、ほかの人たちよりも集めやすいかなって思っていたんですが、電車内だとうまく捕まえられないし、取材先ではそもそもプレイしなくて。レベル10で止まっています(苦笑)。
長谷部:ゲーマー仲間の間でも賛否両論ですね。ポケモンを捕まえるのが楽しいって人もいれば、期待していたものじゃないって人もいる。配信前にすごい、すごいと騒がれたぶん、期待が大きくなりすぎてしまったんじゃないかな。
黒田:でも、普段ゲームを遊ばない層にここまで訴求できたのは、海外で先に配信したからこそだと思う。日本人は「世界中で大ヒット」って言葉に弱いし、流行に流されやすいので。もちろんポケモンの認知度の高さや、敷居の低いシンプルなゲーム性なども、より多くの人に受けた要因ですが。
長谷部:プレイヤー層の厚さは海外も同じみたいです。アメリカの友人によると、西海岸のとある街では老人が電動車椅子でポケモンを追い回しているそうですよ(笑)。
◆『ポケモン』だからこそアップデートに期待!
まい:そんな『ポケモンGO』ですが、3日でパズドラの記録を塗り替えた快挙もありますが、一方では、すぐに「飽きた」との声も。
黒田:現在、遊びの大部分を占めるのは、ポケモンの捕獲ですからね。ある程度の種類を捕まえると、満足しちゃう人は多いのかも。
長谷部:ゲームとしての楽しみの本質は育成やバトルがメインになると思うのですが、やり込んでいる強い人たちが猛威を振るっていて、ライトな層がそこの楽しさを味わえていないのがネックですよね。ポケモンの捕獲も、珍しいポケモンを捕まえようとすると、いろいろと遠出しないといけないし。海外でも、とりあえずポケモンの捕獲だけ楽しんでやめてしまう人も出始めているようです。
黒田:本家『ポケモン』のゲームのように、より能力の高いポケモンを厳選して育てたり、図鑑のコンプリートを目指したりって楽しみはあるんだけど、とりあえず始めてみた人たちでそこまで熱心に遊ぶ人は少ないだろうからなあ。
長谷部:アプリの場合、配信時のスタートダッシュだけでなく、配信後の展開も非常に重要。『ポケモンGO』は、スタートダッシュこそ大成功しましたが、この人気がどこまで続くかは、今後のアップデート次第になりますね。
まい:登場していないポケモンは多いですし、ポケモンの交換機能など、実装予定の要素も多いので、期待はできそうですが……。
黒田:新要素と言えば、色違いのポケモンが登場するのを楽しみにしているファンも多いと思います。
長谷部:重要なのは、ファンが待望しているそういった要素を、どのタイミングで実装することができるか。いずれにせよ、この盛り上がりは、8月いっぱいで一度落ち着くのではないか……。
まい:今後の動向に注目です。あ、この会議室、カビゴンがいる!
黒田:本当だ、捕まえないと!
長谷部:珍しいポケモンが出ただけではしゃぎすぎですって! でも、レアポケモンを求めて人が集まるのもわかる気がしますね(笑)。
まい:先ほど飽き気味と言いましたが、珍しいポケモンが出てくるとやっぱりうれしいです(苦笑)。
◆コラムニスト卯月鮎氏が語る「ポケモン旋風はここまで広がっていた!」
「’16年初頭に雑誌のトレンド予想で、“今年ゲーム界でブームになるのは、本命・PlayS tationVR、対抗・『ファイナルファンタジーXV』、大穴・『ポケモンGO』”と言っていましたが、まさか社会現象化するとは思いませんでした」とは、ゲームコラムや書評を中心に活動しているフリーライターの卯月鮎氏。
「AR自体は特に目新しい技術ではありません。ですから新技術としての驚きは薄く、一般ユーザーへの訴求力もそれほどないのでは……と予想していましたが、レアなポケモンやかわいいポケモンが現実世界に現れたとたん、『写真を撮って友人に自慢したい!』という衝動に駆られたんです(笑)」と、卯月氏もゲームを楽しんでいる様子。だが、「スタート時にこれほど一気に過熱してしまうと、この勢いがそのまま続くというのはさすがに難しい」と今後の展開にはやはり冷ややかだ。
「もし、本家『ポケモン』のようなストーリーやRPG要素が加わるならば、ゲームを継続するためのモチベーションももっと湧くとは思うのですが……」
ただ、「『ポケモン』が再び世界のキャラクターの頂点に立ったというのは、任天堂にとっても非常に大きい意味がある」とも。
「初代『ポケモン』の発売から20年が過ぎても、ポケモンが世界で愛されるキャラであることが確認できたのは、今後の任天堂のほかのキャラ展開にもプラスになりそうです」と分析した。
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