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2019年08月28日

米フォーブスが選ぶ世界の「ブロックチェーン50社」(後編)




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p>  世界の企業によるブロックチェーンへの支出の総額は飛躍的に伸びている。「様子見の時代は終わった」。そうグローバル企業の担当者は語る。

米Forbesが初めてリスト化した、同技術へ果敢に取り組む大企業50社を一挙掲載!

IBM(IBM)

拠点:アーモンク、ニューヨーク州
ブロックチェーン・プラットフォーム:IBM Blockchain、Stellar、Hyperledger Burrow、Sovrin

ブロックチェーンの初期からの推進者であるIBM。同社はHyperledger Fabricを企業向けに強化したIBM Blockchain Platformを提供。そのほか銀行間メッセージ・プラットフォームのSWIFTの座を狙う国際決済プラットフォームのWorld Wire、海運の巨大企業であるMaerskと共同開発した国際貿易プラットフォーム、TradeLensを展開している。

さらに、米食品医薬品局(FDA)などと医薬品のサプライチェーンを構築する話も。IBMはすでに、100件を超えるブロックチェーンに関する特許を申請している。少なくとも85のネットワークにおいて同社独自のブロックチェーンが企業らを結び付けていることを考えると、IBMが勝者なのは明らかである。

INTEL(インテル)

拠点:サンタクララ、カリフォルニア州
ブロックチェーン・プラットフォーム:Corda、Ethereum、Hyperledger Fabric、Hyperledger Sawtooth

米半導体メーカー大手。エンタープライズ向けマーケットへのブロックチェーンの導入を試みている。同社が主導する「Hyperledger Sawtooth」はオープンソースのブロックチェーン・プラットフォーム。企業独自のブロックチェーンを構築可能で、カーギルやTモバイル、テルアビブ証券取引所が利用。

JP MORGAN CHASE(JPモルガン・チェース)

拠点:ニューヨーク
ブロックチェーン・プラットフォーム:Quorum

米国最大手銀行がつくっているのが、「Quorum」というイーサリアムを基盤とした金融機関向けプラットフォーム。バックオフィス業務を分散台帳に移すことを検討している企業のためのサービスだ。最近では、企業間の即時決済が可能になる独自の仮想通貨の初期プロジェクト「 JPMコイン 」を発表した。

MAERSK(マースク)

拠点:コペンハーゲン、デンマーク
ブロックチェーン・プラットフォーム:IBM Blockchain、Corda

世界最大規模の海運会社。昨年、IBMと共同でグローバルな貿易プラットフォーム「TradeLens」を創設する計画を発表した。何世紀ものあいだ大量のペーパーワークに頼っていた貿易業務の効率化を目指す。港湾、貨物取扱業者、海陸運送業者、通関業者など100もの機関が同プラットフォームへの参加を表明。

MASTERCARD(マスターカード)

拠点:パーチェス、ニューヨーク州
ブロックチェーン・プラットフォーム:自社開発のものを使用

米クレジットカード大手。80件にもおよぶブロックチェーン関連の特許申請数は、世界でも上位。ブロックチェーン基盤の資産を従来の銀行口座に連結する技術や、匿名取引により顧客プライバシーを高める技術などの特許を申請。今年、アマゾンやアクセンチュアとより透明性の高いサプライチェーンを構築すると発表。

METLIFE(メットライフ)

拠点:ニューヨーク
ブロックチェーン・プラットフォーム:InsureChain built on Ethereum

1868年に設立の米生命保険会社大手。同社はシンガポールに拠点を構えるイノベーションセンター「LumenLab」で、モバイルアプリの「Vitana」を開発。ブロックチェーン技術を用い、保険の支払いを自動化。患者自らの請求を不要にし、さらに数日かかっていた支払いまでの時間を短縮させた。

MICROSOFT( マイクロソフト

拠点:レドモンド、ワシントン州
ブロックチェーン・プラットフォーム:Ethereum、Parity、Quorum、Corda、Hyperledger Fabric

米IT大手の同社は、クラウドサービス「Azure」上でブロックチェーンサービスを提供。アプリケーション開発を支援する「Azure Blockchain Workbench」やネットワーク構築や管理を容易にする「Azure Blockchain Service」など、エンタープライズ向けに展開。今年5月、JPモルガンと戦略的提携を発表した。

NASDAQ(ナスダック)

拠点:ニューヨーク
ブロックチェーン・プラットフォーム:Symbiont、Corda、Hyperledger Fabric

米証券取引所ナスダックを運営。同社の市場監視技術は、日本を含む7つの仮想通貨取引所で使われている。また、ブロックチェーン技術を用いた電子投票やファンド市場での取引の安全性の向上・効率化などを試みている。今年、シティグループらとともにブロックチェーン・スタートアップのSimbiontへ出資。

ネスレもランクイン──


NESTLE(ネスレ)

拠点:ヴヴェイ、スイス
ブロックチェーン・プラットフォーム:IBM Blockchain

売上高920億ドルを誇る、消費財分野の巨大企業。過去2年にわたって10以上のブロックチェーン・プロジェクトをテストしてきた。最も有望な「IBMフード・トラスト」では、ブロックチェーンを使って少数製品の原材料の出所を追跡している。このサービスは、今年後半には欧州で利用可能になる見込みだ。

NORTHERN TRUST(ノーザン・トラスト)

拠点:シカゴ
ブロックチェーン・プラットフォーム:Hyperledger Fabric、Ethereum

1889年にシカゴで設立された、巨大資産運用会社。オープンソースのブロックチェーン・プラットフォーム「Hyperledger Fabric」を使って、投資信託の初回募集や売却など投資ファンドのイベント管理を行なっている。昨年、イーサリアムのブロックチェーンを使った世界銀行による7900万ドルの債券発行を手伝った。

ORACLE(オラクル)

拠点:レッドウッド・ショアーズ、カリフォルニア州
ブロックチェーン・プラットフォーム:Oracle Blockchain Platform

1977年設立の大手ソフトウェア企業。「ビジネスにすぐ使える」ブロックチェーン・ソフトウェアを提供し、顧客がグーグル、マイクロソフトなどのライバル企業へ移るのを防いでいる。同社の中国の顧客である、オンライン教育会社の正保遠程教育は、生徒の学業記録と認定資格を共有して資格偽装を防いでいる。

OVERSTOCK(オーバーストック)

拠点:ミッドベール、ユタ州
ブロックチェーン・プラットフォーム:Bitcoin、Ethereum、RVN、Florin

1999年に創業した米大手オンライン・ディスカウント・ストア。2014年にビットコインを使える最初の大手小売店になった。創業者兼CEOのパトリック・バーンズは哲学の博士号を持つリバタリアンで、ブロックチェーンの信奉者。2億ドルを子会社のメディチ・ベンチャーズに出資し、19のブロックチェーン企業に投資している。

PNC(PNC)

拠点:ピッツバーグ
ブロックチェーン・プラットフォーム:Hyperledger Fabric、DAML、Corda、Ripple

160年以上の歴史をもつ、ペンシルバニア州ピッツバーグを拠点にした米大手銀行。リップルの仮想通貨「XRP」を使ったブロックチェーンベースのソフトウェアで、国際間の支払い処理をしている。保険会社から医療機関への支払いの迅速化を試みる、IBMのヘルス・ユーティリティ・ネットワークに関わる唯一の銀行でもある。

RIPPLE(リップル)

拠点:サンフランシスコ
ブロックチェーン・プラットフォーム:XRP Ledger

2015年の終わりに対象事業を拡大、大手銀行など金融機関向けにブロックチェーン技術を用いた国際送金ネットワークを提供するように。世界で一日当たり推定6兆ドルもの銀行間送金に使われているSWIFTを、RippleNetに置き換え、安価で、早く、透明な送金手段にすることを目指している。

また同社は、このリストにも名を連ねるサンタンデール銀行やアメリカン・エキスプレスなど、有名企業を含む200社の顧客を持っている。その一方で、独自の仮想通貨であるXRPを四半期に1億ドル程度販売することにより、オペレーション(300人の従業員を含む)の資金をまかなっている。

SAMSUNG(サムスン)

拠点:ソウル、韓国
ブロックチェーン・プラットフォーム:Corda、Hyperledger Fabric、Ethereum

1938年設立の韓国の最大財閥サムスン。同社のブロックチェーンを使ったプラットフォーム「Nexledger」で、電池製造子会社の契約および契約履行の管理方法を刷新している。また、韓国の消費者向けにブロックチェーンを使ったスマートフォンアプリを開発し、国内の15の銀行に対して電話の持ち主の身元確認をしている。

SANTANDER(サンタンデール銀行)

拠点:マドリード、スペイン
ブロックチェーン・プラットフォーム:RippleNet、Hyperledger Fabric

160年以上の歴史をもつスペインの最大手銀行。昨年の年次総会でブロックチェーン経由の投票を認めてニュースの見出しを飾った。1年前に始めたモバイルアプリの「ワン・ペイFX」は、リップル社の仮想通貨を使った「RippleNet」による外国為替サービスで、個人間の海外送金が1日足らずで可能になった。

SAP SE(SAP)

拠点:ヴァルドルフ、ドイツ
ブロックチェーン・プラットフォーム:Hyperledger Fabric、MultiChain、Quorum

1972年に設立された、ドイツに本社を置くビジネスソフトウェアの世界大手。独自のブロックチェーン・ツールキット「Leonardo」を開発し、分散台帳技術に移行する顧客がオラクルやIBMなどのライバル企業へ移るのを防いでいる。バンブル・ビー・フーズと水産資源を追跡するブロックチェーンを設計した。



世界最大手の小売業者も──


SEAGATE TECHNOLOGY(シーゲイト・テクノロジー)

拠点:クパチーノ、カリフォルニア州
ブロックチェーン・プラットフォーム:Hyperledger Fabric

1979年設立の外付けハードドライブの大手メーカー。IBMと開発を進めるのは、物流から使用期間中まで製品の追跡が可能になるブロックチェーン技術の概念実証だ。偽物のハードドライブが同社に返品され、誤って再販売されないようにするのが大きな目的。電子製品の偽造で同社は大きな被害を受けている。

SIEMENS(シーメンス)

拠点:ミュンヘン、ドイツ
ブロックチェーン・プラットフォーム:Ethereum、Hyperledger Fabric、Corda

電子機器から交通、医療、防衛、生産設備まで幅広く展開する、ドイツの巨大コングロマリット。同社は「ブルックリン・マイクログリット・プロジェクト」に取り組む。ブロックチェーン技術を使って、シーメンスの太陽光発電パネルを使うニューヨークのブルックリンの住人たちが、隣人同士で余剰電力を売買可能に。

SIGNATURE BANK(シグネチャー・バンク)

拠点:ニューヨーク
ブロックチェーン・プラットフォーム:A private、Ethereum-based blockchain

ニューヨークの中堅銀行、シグネチャー・バンクは、米連邦預金保険公社(FDIC)の保証を受けている銀行の中で、初めてブロックチェーンを基盤にしたデジタル支払いプラットフォームを開発した。「SignetTM」を使えば、同じ行内の商業顧客同士なら、最速5秒ほどで取引額の制限なく、一日中無料で安全に送金できる。

STATE FARM(ステートファーム)

拠点:ブルーミントン、イリノイ州
ブロックチェーン・プラットフォーム:Hyperledger Fabric、Corda、Quorum

1922年創業の米老舗大手保険会社。ブルーミントンにある同社のラボでは、11人のメンバーがブロックチェーン開発に専念。保険会社が契約者に保険金を支払い、さらにほかの保険会社から一部払い戻しを受けるという一連の保険請求手続きについて、スピードアップできるアプリケーション開発に挑んでいる。

UBS(UBS)

拠点:チューリッヒ、スイス
ブロックチェーン・プラットフォーム:Hyperledger Fabric、Ethereum、Quorum、Corda

資産規模でスイス最大、50カ国近くで展開する世界最大級の金融グループ。その最も野心的なプロジェクトは「ユーティリティ・セトルメント・コイン(USC)」。中央銀行がそれぞれの通貨の代わりにデジタルキャッシュを使い、相互に資金を移動できるようにする大胆な試み。BNYメロンやドイツ銀行なども参画。

VISA(ビザ)

拠点:サンフランシスコ
ブロックチェーン・プラットフォーム:Hyperledger Fabric

世界屈指のクレジットカードネットワークを有する同社は、リアルタイム決済システムから暗号通貨取引関連技術まで、50件のブロックチェーン特許を申請している。今年はブロックチェーンを使い、世界中の銀行で国境を越えた企業間取引の支払いが可能になる「B2B connect」プラットフォームを開設する。

VMWARE(ヴイエムウェア)

拠点:パロアルト、カリフォルニア州
ブロックチェーン・プラットフォーム:Project Concord(複数のフレームワークをサポートする新しいブロックチェーン)

創立20年を迎えた、クラウドベースサービスの開発と販売の企業。近々、デロイトとデルと共同で開発した「VMware Blockchain」というブロックチェーンとソフトウェアのセット製品を販売する予定だ。ブロックチェーンで安全にデータを送れる製品や、取引の有効性を検証するサービスなど。

WALMART(ウォルマート)

拠点:ベントンビル、アーカンソー州
ブロックチェーン・プラットフォーム:Hyperledger Fabric

世界最大の売り上げを誇る小売業者。約50件のブロックチェーン関連の特許(製品出荷の追跡やドローンの運用など)を申請。ブロックチェーンを用いて、将来的に食の安全を損ないかねない問題を早急に発見したいと考えている。2016年にはビッグブルー(IBMの愛称)と組んで、現在50社以上が参加している「IBMフード・トラスト」をつくり出した。

今日、ウォルマートは5社の供給業者(今後さらに増える見込み)からのイチゴ、ヨーグルト、鶏肉を含む25製品を追跡することができる。2018年9月、同社はレタスとほうれん草の供給業者すべてに、ブロックチェーンに出荷状況を入力するよう求め始めると発表した。





引用元:Forbes JAPAN
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190827-00029186-forbes-sci






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