前回はデフサイドシールやドライブシャフトブーツの交換のためのパーツをネット通販で取り寄せました が、購入したパーツなどが届いたため、今回は作業を行います。
前回も書いたのですが、新車から12年が経過したサンバーのドライブシャフトブーツは破れていなくても次の車検前に交換しようと考えていました。
その交換にはドライブシャフトを抜かなくても交換が行える「分割式」のドライブシャフトブーツでお手軽に行おうと考えていました。
非分割タイプの製品よりも少し高いのですが、労力を考えると分割式でやろうと考えていました。
サンバーの分割式ドライブシャフトブーツ
ところが、久しぶりにリアの下回りを覗き込んだところデフサイドシールからのオイルのにじみを発見してしまったため、シール交換でドライブシャフトを抜くなら当然非分割タイプで交換することにしたというわけです。
※今回の作業はプロの作業ではありませんので、あくまでも参考としてご理解願います。
作業の初めに行ったのはハブロックナットを緩めることです。
ホイールを取り付ける4本のボルトの真ん中にある大きなこのナットは32ミリのソケットで緩めるのですが、強烈なトルクで締め付けてあるので最初の難関です。
しかし、最初に1箇所ゆるみ止めのためにカシメてある部分を戻してから、600mmのロングスピンナハンドルに取り付けて回してみたら簡単に緩んでくれました。よかった・・
ハブロックナットが緩んだらリアをジャッキアップしてリジットラック(ウマ)に載せます。
また、作業中に地震ががあったらリジットラックだけでは心配なため、以前から外したホイールなどをリアよりのサイドに置いておくようにしています。
※ガレージジャッキや車載ジャッキだけで車の下に入るのは絶対にやめましょう
今回の1番の難関と考えていたのがドライブシャフトとデフ側の連結部分を外す作業でした。
みんカラなどの情報を調べてみると、外すのが大変であると書いてあります。
また、ドライブシャフトを外すための専用工具「ドライブシャフトリムーバー」というものも販売されているようなのですが、3万円以上するようです・・・
中にはバールだけで外したという方もいるようですので、やるだけやってみようとサンバーの下に潜り込みました。
しかし、バールと先日購入しておいたプライバーを使ってみても全く外れる気配がありません。
外れない理由の一つとしては、リジットラックで持ちあげた程度の高さでは地面とデフ周りまでの距離が近く、長いバールやプライバーが自由に使えないことです。
そこで考えたのが道具箱にあったタガネ(くさび形の金属棒)と木の板を使う方法です。
まず、デフとドライブシャフトの緑色の筒の間に数センチの隙間があるのですが、その隙間より少し小さい木の板を用意します(たまたま物置に転がっていたもの)
そして、デフとドライブシャフトの緑色の筒の隙間に板を差し込み、わずかにある隙間にタガネの先を入れてからハンマーで打ち込みました。
最初は全く外れなさそうなのですが、ドライブシャフトを90度くらい回しながら叩いていると少しずつ外れました。
外すのが難しいという噂の左側からやったのですが、右側は同じ方法でカンタンに外れました。よかった・・
デフ側が外れたため、後は楽に終わると思っていましたが、1番の難関はハブ側(タイヤ側)を外すことでした。
デフ側を外して、すぐに外そうとハンマーで叩いたりしたのですが、全く外れる気配がありません。
そのため、その日はハブのスプライン(シャフトとハブがかみ合っている溝部分)にCRC556を吹いて翌日外すことにして終了しました。
しかし、翌日になっても状況は全く変わりません・・
そこで仕方なく近所のストレートへ行ってハブプーラーを買ってきました。余計な出費です。
しかし買って正解、あっさり簡単に外れました。
外れたシャフトのスプラインを見てみると昨日のCRC556がちゃんとまわっているのですが、それでも外れないもんなのですね。ラスペネならどうなんでしょうかね。
まあ、これで目出度くドライブシャフトが車体から外れましたのでデフサイドシールとドライブシャフトブーツの交換が出来るようになりました。
さて、やっとオイル漏れのあったデフサイドシールを交換します。
オイル漏れが見つかったのは左側ですが、当然両側いっぺんに交換します。
このシールは左右で部品番号が違いますので、間違わないように書いておきました。
デフサイドシールは、デフ側から出ているシャフトの1番外にサークリップがあり、次にダストシールがあり、その奥にデフサイドシールがありますので先に外側の2つを取り外す必要があります。
このサークリップとダストシールはの2つは簡単に取り外し出来ました。
そして、デフサイドシールですが、今回はシールプーラーを購入してありましたので簡単に外すことが出来ました。今までバイクのオイルシールの交換などで苦労してきましたが嘘みたいに簡単です。早く買えばよかった・・
動画は他社の製品ですが、ほぼ一緒です↓
注意しなければならないのは、最初に付いているデフサイドシールがどこまで入っているかです確認しておくことですね。
新しいシールを入れていけば奥に当たって止まりますが、念のために外す前に確認しておきました。
新しいシールを取り付ける前に、シールの内側(シャフトとの接触面)にオイルを少し塗り、シャフトのスプラインでシールを傷つけないようにシャフトにビニールテープを巻いて養生してからシャフトにデフサイドシールを差し込みました。
新しいシールの上に古いシールを重ねて、打ち込みにはハブロックナットを外すときに使った32mmのソケットがピッタリだったので使用してゴムハンマーで水平に入れることを注意しながら打ち込みました。
ドライブシャフトユニットは左右で長さが違い、右が長めですので間違わないようにマジックで左右のしるしを書いておきました。(たぶん間違ったら足らないか入らないとは思いますが)
先に取り外したドライブシャフトブーツをチェックします。
グリーンの筒のようなケースが付いているのがデフ側で汚れているのがハブ(タイヤ)側です。
両方とも破れは見つかりませんでしたが、細かいヒビがありました。
平成20年式ですの12年交換していないのに破れていないのは凄いですね。
昔イタリアの小型車に乗っていたことがあったのですが、確か5年くらいでブーツが破れてグリスまみれになり、交換してもらった記憶があります。
それに比べるとやっぱり国産車はこのようなゴムや樹脂、プラ製品の耐久性が高いですね。
そのイタリア車は本当によく壊れました。壊れたと言っても走行に影響があるようなことはほとんどありませんでしたが、車内のいろいろなパーツがポロリとよく外れたりしました。
また、テールランプやメーター内のランプが点灯しないような時には手で叩いてみてくださいとディーラーのサービスの方から真顔で言われて驚きましたが、実際に何度かそれで回復しました。(笑)
話が逸れましたが作業を進めます。
しかし、ここから先はブーツの交換が終わるまで写真がありません。
一度交換を経験した方であればお分かりでしょうが、グリスまみれになりますので写真を撮る余裕がありませんでした。
作業は最初にドライブシャフトブーツを固定している金属ベルトを切断してインナー側のグリーンの筒の内側に付いている大きなCリングを取り外すとジョイントを抜くことが出来ます。
ジョイントを抜くときに金属のボールが飛び出てきそうになりますのでゆっくりと抜いたほうが良いです。
その時に各パーツがどのように付いているのかを確認しておきました。※向きがあるパーツがあります。
出てきたジョイントの先端に小さなCクリップがありますので外せばインナー側の分解が出来ますので、各パーツをグリスでぬるぬるになりながら古いグリスを奇麗に拭き取りました。
サンバーの非分割式ドライブシャフトブーツ
ここで一旦インナーのパーツはそのままにして、アウター側の古いブーツを外してインナー側から引き抜いてしまいました。
アウター側のジョイントは外すのが難しいため分解せずに、なるべく古いグリスを取り除いてから新しいグリスを充填してから新しいブーツを先に取り付けてします。
その後、インナー側の分解したパーツを元に組み戻してグリスを充填し新しいブーツを取り付ければブーツの取り付け作業は完了です。
ドライブシャフトブーツの取り付け作業ではブーツバンドを締め上げて固定するのですが、専用工具を使用せずにマイナスドライバーとラジオペンチで行いました。
作業方法はYouTubeなどで公開している動画などがありますので参考になりました。
今回デフサイドシールの交換のためミッションオイルを抜きましたので、新しいミッションオイルを注入します。
オイルの注入はリアのメンテナンスハッチを開けて1メートルほどのホースの先をオイルの注入口に差し込み、反対側に100均で購入したじょうごを取り付けて行いました。
サンバーのミッションオイル容量は2.0Lですがリアをジャッキアップした状態では1.8Lで注入口からあふれてきたので、ジャッキから下ろして車体がフラットな状態で再度注入するとピッタリ2.0L入りました。
ドライブシャフトブーツが組みあがれば、後は元に戻すだけです。
今回はデフサイドシールの外側のダストシールは再利用して、サークリップなどは新品を取り付けてからドライブシャフトを組み付けました。
取り外しは少し戸惑いましたが、組付けはとても簡単ですぐに終わりました。
最初にハブ側を差し込んでからデフ側をゆすりながら差し込んでいくと工具は使用せずにサークリップでロックされるまで押し込むことが出来ました。
その後、新品のハブロックナットを仮締めして、タイヤを取り付けてからジャッキから下ろして本締めします。締め付けトルクは186±20N・mです。
ハブロックナットを締め付けたらナットをカシメる前に念のために異音などがしないかテスト走行を行ってから問題が無さそうでしたのでカシメてから作業は終了しました。
それから、車検が近いためフロントの下回りもチェックと清掃を行い、リアシートもバン純正のものに戻して今回の作業は終了です。
ちなみにディアスワゴン用のリアシートは前側の足部分の2個のナットを取り外して床板ごとひっくり返すように持ち上げればそのまま荷室に積んでおくことが可能です。(車検では下ろして行きますが)
広いサンバーならではの技ですね。