2011年03月11日
避難命令は出なかった。〜東日本大地震・都内23区 その2〜
「ああ、こちらは大丈夫ですよ。」
2度目か3度目か、記憶は既に定かではないが、 こと。 が机の下に潜っている最中、社長が本社からの電話を立ったまま受けていた。
のんきだが、結構な揺れの最中。
ああ、もう嫌だ。
ぐったりと机の下でゴミ箱に寄りかかっている こと。 を見て、社長に「大丈夫?」と尋ねられる。
自分でも少し涙目になっているのが分かったけれど、大きく頷いて見せた。
揺れがおさまり、椅子に座って呆然としていると会議室から地震のニュースが聞こえてくる。
来客・打ち合わせ中だった会議室には大型のテレビがあるのだ。
わらわらと人が会議室に向かって大声で何かを見て声を上げている。
しばらく呆然と椅子に座っていた こと。 だが、思い切って会議室の後ろの入り口からテレビを覗き込む。
どこかの港に波が押し寄せる映像が映し出されていた。
ざぶんと倉庫だか何だかの建物の屋根近くまで波が飲み込んでいくのが見える。
「あの建物の中に人はいないんでしょうか。」
「いるんじゃないかな。」
そんな会話をしていると、再び大きくビルが揺れだす。
人がわらわらと会議室から出て行くが、 こと。 はその場の長机の下に潜り込みじっとしていた。
2度目か3度目か、記憶は既に定かではないが、 こと。 が机の下に潜っている最中、社長が本社からの電話を立ったまま受けていた。
のんきだが、結構な揺れの最中。
ああ、もう嫌だ。
ぐったりと机の下でゴミ箱に寄りかかっている こと。 を見て、社長に「大丈夫?」と尋ねられる。
自分でも少し涙目になっているのが分かったけれど、大きく頷いて見せた。
揺れがおさまり、椅子に座って呆然としていると会議室から地震のニュースが聞こえてくる。
来客・打ち合わせ中だった会議室には大型のテレビがあるのだ。
わらわらと人が会議室に向かって大声で何かを見て声を上げている。
しばらく呆然と椅子に座っていた こと。 だが、思い切って会議室の後ろの入り口からテレビを覗き込む。
どこかの港に波が押し寄せる映像が映し出されていた。
ざぶんと倉庫だか何だかの建物の屋根近くまで波が飲み込んでいくのが見える。
「あの建物の中に人はいないんでしょうか。」
「いるんじゃないかな。」
そんな会話をしていると、再び大きくビルが揺れだす。
人がわらわらと会議室から出て行くが、 こと。 はその場の長机の下に潜り込みじっとしていた。
余震がおさまってから自分の机に戻り、PCを見ると宮城県が震源地としてニュースが配信されていた。
オフィスビルのある東京都23区は、震度5弱〜5強。
震源地近くは震度7。
震度7ってどんなレベルだ?
今回の地震(震度5弱〜強)で人生最大の揺れを体感した こと。 はあ然とするしかない。
耐震構造上、高層ビルはあえて揺れをおさめずに力を逃すようになっていると聞いたことがある。
だから、地上にいる時よりも恐らく体感する揺れは強い筈。
だけど、
「こんなにひどい揺れは今まで感じたことがない。・・・いや小学生の頃大きな地震を経験したかな。」
そんな会話をしていると後輩の女の子が言った。
「阪神淡路大震災の時より強く感じました。」
そういえば、彼女は関西方面出身だった。
手の振るえが止まらない程怯える理由に納得した。
こと。 は、ひたすらネットの書き込みを探し始める。
一部女性社員は固まってひそひそとおしゃべりをしている。
「家に子どもが一人でいるんだ。」
電話がつながらないと携帯を持って外に出る人もいる。
速報が流れたのだろう。
関西出身の後輩の女の子の携帯電話に、家族や知人から次々に電話がかかってきている。
こういうひどい地震の時、てっきり地上に避難するものだと思っていた。
だけど、いつまで経っても避難が指示されることがない。
途中、ビルの管理会社の人が安全確認をしに各フロアの会社を回っていた。
エレベーターが止まったらしい。
「タバコ吸いたいけど、エレベーターが使えん。」
社内禁煙の為、喫煙者グループがぼやき始める。
約束の時間を1時間以上遅れて機器のメンテの人がやってきた。
他の来客もやってきた。
みんな、10階以上を非常階段を上ってやってきた為、ハァハァ言っている。
大きな興奮も去って、通常業務に戻る人もいる。
一番うろたえていた後輩の女の子がばりばりと仕事をしているのを見て指摘すると、
「今日中に仕上げないとまずいんです。」
困ったような笑顔が戻ってきた。
しかし、帰りたい。
とにかくビルから外に出たい。
けど、エレベーターが止まっている今、下手に降りて帰宅指示が出た場合、
荷物を取りに再び延々と上がって来なくてはいけない。
うーん・・・。
仕事をする気にもなれず、ぼうっとネットで地震関連のニュースを眺めていると17時を回ってやっと社長が帰宅に関する指示を出した。
次回、“ もちろん歩いて帰ります!徒歩帰宅を宣言する〜東日本大地震・都内23区 その3〜 ”に続きます。
【関連記事】
高層ビルでの地震は怖い〜東日本大地震・都内23区 その1〜
オフィスビルのある東京都23区は、震度5弱〜5強。
震源地近くは震度7。
震度7ってどんなレベルだ?
今回の地震(震度5弱〜強)で人生最大の揺れを体感した こと。 はあ然とするしかない。
耐震構造上、高層ビルはあえて揺れをおさめずに力を逃すようになっていると聞いたことがある。
だから、地上にいる時よりも恐らく体感する揺れは強い筈。
だけど、
「こんなにひどい揺れは今まで感じたことがない。・・・いや小学生の頃大きな地震を経験したかな。」
そんな会話をしていると後輩の女の子が言った。
「阪神淡路大震災の時より強く感じました。」
そういえば、彼女は関西方面出身だった。
手の振るえが止まらない程怯える理由に納得した。
こと。 は、ひたすらネットの書き込みを探し始める。
一部女性社員は固まってひそひそとおしゃべりをしている。
「家に子どもが一人でいるんだ。」
電話がつながらないと携帯を持って外に出る人もいる。
速報が流れたのだろう。
関西出身の後輩の女の子の携帯電話に、家族や知人から次々に電話がかかってきている。
こういうひどい地震の時、てっきり地上に避難するものだと思っていた。
だけど、いつまで経っても避難が指示されることがない。
途中、ビルの管理会社の人が安全確認をしに各フロアの会社を回っていた。
エレベーターが止まったらしい。
「タバコ吸いたいけど、エレベーターが使えん。」
社内禁煙の為、喫煙者グループがぼやき始める。
約束の時間を1時間以上遅れて機器のメンテの人がやってきた。
他の来客もやってきた。
みんな、10階以上を非常階段を上ってやってきた為、ハァハァ言っている。
大きな興奮も去って、通常業務に戻る人もいる。
一番うろたえていた後輩の女の子がばりばりと仕事をしているのを見て指摘すると、
「今日中に仕上げないとまずいんです。」
困ったような笑顔が戻ってきた。
しかし、帰りたい。
とにかくビルから外に出たい。
けど、エレベーターが止まっている今、下手に降りて帰宅指示が出た場合、
荷物を取りに再び延々と上がって来なくてはいけない。
うーん・・・。
仕事をする気にもなれず、ぼうっとネットで地震関連のニュースを眺めていると17時を回ってやっと社長が帰宅に関する指示を出した。
次回、“ もちろん歩いて帰ります!徒歩帰宅を宣言する〜東日本大地震・都内23区 その3〜 ”に続きます。
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