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2011年03月11日
無事到着・徒歩帰宅〜東日本大地震・都内23区 その5〜
震度5弱〜5強の地震をオフィスビルの10〜15階フロアで体験した こと。

高層での強い揺れにすっかり怯えて徒歩帰宅を決意。

今回は、到着編です。

前回までの記事は下記リンクからどうぞ。


高層ビルでの地震は怖い〜東日本大地震・都内23区 その1〜

避難命令は出なかった。〜東日本大地震・都内23区 その2〜


不思議な光景・徒歩帰宅〜東日本大地震・都内23区 その4〜


コーヒーショップで無事トイレを済ませほっとする こと。

落ち着いてコーヒーを飲んでいると、再び携帯が鳴る。

“緊急地震警報”

どきどきしながら待つも、思ったより大きな揺れではなかった。

そこで初めて携帯に伝言メッセージが入っていることに気付く。

聞いてみると父親からだった。

『お父さんです。こっちはお母さんと二人大丈夫だから。』

実家近所に住んでいる姉とは、会社にいる時に「高層での地震こわーい(>_<)」とメールをやり取りしていた こと。

これで、姉と両親。家族全員の無事を確認。

メールをしない両親に連絡しようとするも、 携帯電話がつながらず 断念する。

まあ、いいや。

自宅に着いたら固定電話からかけよう。

親も こと。 の部屋の被害を知りたがるだろうし。

自宅まであと残すところ1/3かな。

そんなことを考えつつコーヒーショップを出ると、外は大分暗くなっていた。

時間は20時近く。

ちょっと寒くなったようだ。

相変わらず歩道には歩いて帰宅しようとしている人がたくさんいる。

■□■家族の為に帰る人々■□■

歩くのにあまり適していない通勤靴。

足が痛いと思いつつも人波に流れるように歩いていると、痛みも少し軽減される気がする。

そう思いながら歩いていると、時間が遅くなってきたせいか周囲の人に焦りが見えたり。

えっ、この道を信号無視しちゃうの!?

というような、車線も多くトラックが行きかうような道を信号無視して渡る人もチラホラ。

もしかしたら、初めて徒歩帰宅してまだまだ先を目指す人は時間が読めなくて焦るのかもしれない。

携帯電話での会話も漏れ聞こえてくる。

「うん、うん、まだ連絡つかないんだけど、多分※※を迎えに行っていると思うんだ。」

頑張って徒歩帰宅しようとする人は、家族が待っている人が多いのかなと思ったり。

途中、人の流れに逆らうように歩く同じ会社の人らしき数人とすれ違う。

彼らの手にした買い物袋の中にはぎっしりとカップラーメンが。

何でそんなにカップラーメン?と思ったものの、少し後になって 会社に泊まる人達 なのかなと気付く。

こと。 の使用している路線は全く動いている様子はないけれど、会社に残った人達は帰れたのかな。


■□■非日常の光景にドキドキする■□■

こと。 の帰宅ルートには、大きく長い橋を渡る必要がある。

その橋の街灯が消えていてドキリとする。

停電?

黙々と歩いていると、東京湾岸の倉庫・工場地帯の方向の空がオレンジ色に染まっている。

強い照明か、もしかしたら炎・・・?

いや、でも工場でわざと炎を出しているのかも。

気になって橋の上を歩きながら何度もオレンジ色に光る空の方向を見つめてしまう。

橋を渡りきると、ほっとしたことに街灯がついているのが見えた。

どうやら停電にはなっていないらしい。

が、一部道路に水溜りが見える。

・・・今日雨降ってないよね?

歩き続けると、歩道と車道の境辺りに水と泥が溢れているのを目にして気付く。

これ、もしや・・・ 液状化現象?

歩道の敷石がぼこぼこと波打っていたり、ふと脇の道を見ると水浸しになっていて通行止めにされているのを見てぞっとする。

今回の地震、どんだけ大きかったんだ。

もしかして、会社にとどまらず自宅に戻るのは早まった?

どうしよう、自宅はどうなってるんだろう。

急に不安になってくる。


■□■部屋を開ける瞬間は怖かった■□■

液状化らしき箇所はそれほど広くなく、途中ところどころ車道側に水が流れたような箇所があったものの、自宅近くまで来るとそれもあまり見られなくなった。

途中、小さな子どもを連れた親子連れのグループが一戸建てから現れて解散の挨拶をしているのに遭遇した。

「ありがとう。」

「またね。」

「もうこんなことがないといいわね。」

そうしてすぐ側のマンションに入っていく親子連れ。

どうやら、一戸建てのママ友の家にみんなで避難していたらしい。

やっぱり地震の時に高い場所にいるのは怖いのだろうな。

そんなこんなで、無事自宅に到着。

鍵を開ける瞬間は本当に怖かった。

おそるおそる玄関扉を開けると、玄関すぐに入れておいたクロスバイクが壁側に倒れていた。

そして、何故かレンジ台の上に置いておいたオーブン皿が床に落ちている。

居室に入ると、特に何も変わらない散らかった部屋(オイ)が。

あ、あれ・・・?

普段から、高い家具などがない低いポジションの生活をしているせいか、覚悟していたモノがばらばら落ちているという現象がなかった。

一番恐れていた窓際に置いておいたサボテンの小さなミニ鉢も落ちることなく無事。

よくよく見ると、机置きタイプの破魔矢が倒れていた位。


■□■その時周囲の人間は■□■

ほっとしつつも拍子抜けな気分に陥りながら、夕食を準備。

といっても、作る気はなかったので、途中のコンビニで買ってきたカップラーメン。

お湯を沸かそうとして、ガスの火が点かないことに気付く。

外のメーターを見に行くと、予想通り赤いランプが点滅。

そう、振動で自動的に停止するようになっているんだよね。

サッカーボールが飛んでくるような公園側に住んでいた旧居で復帰作業は手馴れたもの。

スイッチを押し込んで、部屋に戻ると無事点火してほっとする。

とりあえず、電気・ガス・水道は問題なしだ。


時間は21時前。

17時半から歩き続けたので、途中休憩を入れて3時間半歩いたことになる。

テレビをつけると、都内の電車が全て止まっているとニュースが流れていた。

えっ、全部!?

『電車が動いているのを確認してから・・・。』といっていた、女性社員Tさんにメールしてみる。

“今日は会社で泊まることになりました。まさか会社に泊まることになろうとは;”

えー!あの高層で泊まるのか。

高層での地震に怯えきっていた こと。 は、徒歩帰宅して良かった・・・としみじみ。

そうそう、親に忘れずに電話しなきゃ。

固定電話を使うとちゃんと呼び出し音が。

良かった。災害時に固定電話はやっぱり携帯に比べると強いなぁ。

が、普段はすぐに取られる電話が、長々と呼び出し音のみ。

えっ、何で。

両親無事だったのに、不在ってどういうこと・・・?

どきどきし始めたところに、無事受話器が取られてほっとする。


“ああ、もう寝てたのよ。”


!???( ̄□ ̄;


まだ余震何度もあるのに?

最近早く寝ているとは聞いていたけれど・・・ 両親の豪胆ぶり にあ然とする。


小心者な こと。 は、洋服を着てテレビをつけたまま就寝。

その夜はガタガタと大きな余震が何度か。

その都度、半分眠りながらも体を強張らせる こと。 の目にアナウンサーが緊張の面持ちで喋るのが映る。

「緊急地震速報です。揺れに注意して下さい。」

何回地震が来るんだろう・・・。

あまりにやすやすと地面が揺れる事態は、あまりに非日常な世界に思えた。


【関連記事】

高層ビルでの地震は怖い〜東日本大地震・都内23区 その1〜

避難命令は出なかった。〜東日本大地震・都内23区 その2〜


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