Ethereumのマージ
Ethereumが9月15日にThe Mergyを実施してコンセンサスアルゴリズムをPoSに変更した際にハードフォークでPoW側のチェーンが分岐してできたのがEthereum PoWチェーンとそのベース通貨ETHWです。
元々2013年のローンチからEthereumはPoW(Proof of Work)で稼働してきたことからETHマイナーはBTCマイナーに次ぐ規模感があり、そのecosystem内で重要な役割(role)を果たしてきました。PoSへの移行はマイナーにとっては死活問題であり、ETHマイナーの中で「過去にもETHフォークでETCを作った」チャンドラー・グオ氏が呼び掛けてPoS移行後もETHPoWをマイニングし続けてフォークすることになったのも、謂わば必然だったと言えます。
ETHWの価格
問題はその有効性や価格評価なのですが、厳しい状況に見えます。
ハードフォークによるエアドロップでETHWを得たETHホルダーとしては売り抜けてしまうのが普通ですので、猛烈な売り圧で一気に価格は超低空飛行になっています。
グオ氏の構想
フォーク後、一段落したところで前述のグオ氏は「旧ETHマイナーは10%しか生き残らない」という発言をしていますが、残りの10%にグオ氏は含まれるつもりでの発言です。そしてフォーク前から繰り返しコメントしているように「ETHWをマイニングし続け2年間は手放さない」という発言の真意が気になります。
どうも、フォーク後初期の価格形成時に売り圧が高いのは織り込み済みで、価格維持のための防衛手段も講じていなかったようですし、マイナーの武器は継続的にマイニングによる新たな生成コインを獲得できることですから、採掘されたETHWは市場に放出せず、しかも暴落したETHWも買いに回って、膨大なETHWを保有するつもりでいるのかと勘繰ってしまいます。
グオ氏は他にも、「1年後ETCとETHWは価格が逆転する」とか「2年後ETHWはETHと等価になる」などとも発言していて、その裏側にはこのような外部から見るといささか無責任な戦略があるのかなとも思うのです。
ETHWはコードベースはマージ前までのETHであり、コンセンサスアルゴリズムはPoWであるわけですからマイナーが諦めない限り、L2のdAppsが参加しないでecosystemが限定されても永続していきます。Holder(それも総流通量に対してとんでもない比率を持つ)の握力さえ強ければ価格はいずれ持ち直し上がっていく可能性もあるのではないかと。
グオ氏はそれくらい不敵な雰囲気を醸し出しているのが、ともかく気に掛かります。