強い演説のような歌声を披露する個性的ボーカリスト、 Cy Curnin(サイ・カーニン)がドラマー Adam Woods(アダム・ウッズ) と1979年に結成したThe Portraitsがきっかけで音楽シーンに登場します。メンバーはキーボーディストの Rupert Greenall(ルパート・グリーンオール)やベーシストの Charlie Barrett(チャーリー・バレット。この時点でベーシストは2代目。初代はRussell Mckenzie)、ギタリストのTony McGrailで、デビュー・シングルはKinks(キンクス)にも通じる軽快なロックンロールの"Little Women"、続くセカンドシングルはいかにもロンドンで流行したニューウェーブ・ナンバー、"Hazards in the Home"が世に出ましたが、ヒットまでには至りませんでした。
結局Tony McGrailは脱退し、70年代半ばにBugglesやAsia,Yesのキーボーディストで後に知られるGeoff Downes(ジェフ・ダウンズ)とともに"She's French"というバンドで活動していた ギタリスト、 Jamie West-Oram(ジェイミー・ウェスト・オーラム)を迎え、グループ名を"The Fix"と改称して再出発、インディ・レーベルよりシングル"Lost Planes"をリリースします。
"Lost Planes"はヒットには至りませんでしたが、大手レコードレーベルの MCAの契約の声がかかり、メジャー・デビューを果たすことになります。しかし、"The Fix"というバンド名は当時の風潮から、麻薬の使用を意味するスラングとして誤解を招く恐れが生じたため、” The Fixx”と再改称しました。
メジャー・デビュー・アルバム"Shuttered Room"は、敏腕プロデューサー Rupert Hine(ルパート・ハイン)の下で制作されました。Fixxにとって、ルパート・ハインとはその後も長きにわたって交流が続くことになります。
このアルバムはイギリス盤とアメリカ盤があり、10月に発売されたアメリカ盤は曲順は異なりました。Fix時代の"Lost Planes"も収録され、"Some People","Stand or Fall","Red Skies"がシングルカットされました。"Stand or Fall"は、イギリスのUKシングルチャートで54位、アメリカのBillboard HOT100でも76位と健闘、フォーマット別でもメインストリームロックチャート(Top Rock Tracks)で7位まであがるヒットとなり、カナダやオーストラリアの英語圏でもチャートインしました。
メインストリームロックチャートで13位を記録した"Red Skies"はライブでも頻繁にプレイされ、1987年にセルフリメイクされるほど人気を博し、Fixxの代表曲の1つに挙げられています。
アルバム"Shuttered Room"は、アメリカのBillboard 200チャートでは106位止まりでしたがカナダでは52位まで昇り、地元イギリスでは54位まで上がりました。
アルバムリリース直後、ベーシストCharlie Barrettが脱退する事態に巻き込まれ、その後も全盛期にメンバーとして定着したDan K. Brownを除くと、流動的にベーシストの入れ替えがありました。しかしベーシストを除くと、Fixxはデビューから現在まで不動のメンバーを築いております。個人的にもリアルタイムで応援し続けているバンドで、彼らは現在においても精力的に活動しております。
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