"Money"を収録したコンセプト・アルバム" The Dark Side of the Moon(邦題: 狂気)"は、一足早く4月28日にアルバムチャート(Billboard 200)で1位を記録し、その後同チャートには 15年間チャートインしたロンゲスト・セラー・アルバムです。その後カタログ・チャートに移動してもチャートインし続け、現在はまたトップ200に返り咲いています。ロンドンのアビィロードスタジオでレコーディングされ、 Alan Parsons( アラン・パーソンズ)の見事なエンジニアリングで、高質なサウンドが産まれました。ベーシストの Roger Waters( ロジャー・ウォーターズ)が中心となって全楽曲の作詞を担当し、"Money"は作曲もロジャーが担当、リード・ボーカルはギタリストの David Gilmour( デヴィッド・ギルモア)が担当しました。
"Money"では、文字通り人間社会を揺るがす「お金」をテーマにギルモアが歌い上げています。特筆すべきは"Money"のイントロで、ここではアラン・パーソンズの効果音導入が巧みに用いられています。小銭とレジの音がテンポを取って始まる技巧で、収録の音になるまで1ヶ月を費やした力作です。収録されている曲の中でも明るめの曲であり、間奏部分に入る印象的なサックスの音色はゲストとして呼ばれたDick Parryのものです。
陽の当たった5月17日に84位でエントリーした"Money"は次週で73位、その後55位→48位→44位→33位と、アメリカのシングルチャートで初めてトップ40入りを果たします。その後、26位→20位→17位→14位と続き、7月28日付けで最高位13位を記録しましたが、当時Bilboard と競合するアメリカのCash Boxシングルチャートでは堂々とトップ10入りを果たしております(10位)。
13位を記録して以後は18位→21位→37位→42位とすすみ、計15週間チャートインしました。ピンク・フロイドはシングルよりもアルバムで評価されるグループであるため、"Money"のヒットは予想外であったかもしれませんが、同曲は1981年に再レコーディングされ、メインストリームロックチャート(Top Tracks)で37位を記録しています。
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