Yesの絶頂期であった1971年の" Fragile(邦題: こわれもの)"と1972年の" Close to the Edge(邦題: 危機)"の2大名作が産み出された時期に、Yesのメンバーと Eddie Offord( エディー・オフォード)によってプロデュースされた楽曲で、1970年の Steve Howe( スティーヴ・ハウ。gtr)加入後による最初のツアーでも披露されましたこともありますが、実はこの曲はカヴァー・ソングです。オリジナルは Simon & Garfunkel( サイモンとガーファンクル)で、1968年発表の" Bookends(邦題: ブックエンド)"に収録され、メンバーの1人、 Paul Simon( ポール・サイモン)の作です。
Yesの"America"は1972年11月3日に、レコード・レーベル、 Atlanticのサンプラー・アルバムとして発表された" The New Age of Atlantic"に収録され、シングルとしてリリースされました。"The New Age of Atlantic"にはYesの他に Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)、 Dr. John(ドクター・ジョン)、 Buffalo Springfield(バッファロー・スプリングフィールド)、 Delaney, Bonnie & Friends(デラニー、ボニー&フレンズ)、 The J. Geils Band(J.ガイルズバンド)等の人気アーティストの楽曲が収められましたが、Yesの"America"以外はすべて既発表曲でした(Led ZeppelinはシングルB面で発表)。つまりこのアルバムで"America"のYesヴァージョンがレコードとして初登場となったわけです。シングルとして発表されたヴァージョンは4分少々に編集されましたが、アルバムに収録されたヴァージョンは10分を超え、イエスらしい、プログレ流大作となりました。オリジナル・ヴァージョンにはありました、アウトロ部分のリピート&フェードが、Yesヴァージョンではそっくり削られているのも特徴です。
"America"は、Yesのアルバムにとっては1975年発表のベスト盤" Yesterdays(邦題: イエスタディズ)"の1曲目に収められ、その後に発表したベスト盤やライブ盤、リイシュー盤でも幾度か収録されました。HOT100での"America"は、ちょうど"Fragile"からの" Roundabout(邦題: ラウンドアバウト。1972年4月15日に13位を記録)"と、"Close to the Edge"からの" And You and I(邦題:同志。1972年12月16日に42位記録)"の間にチャート・インしています。そのチャート・アクションを見てみますと、陽の当たった1972年8月12日の86位にエントリー後、翌週より70位→59位→48位と順調に上がり、9月9日付から2週46位を記録し、次週の50位で、計7週で圏外に消えていきました。
"America"を収録した" Yesterdays"は、Billboard200アルバムチャートでは1975年4月12日付で17位を記録しています。
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