横倉メンゴ
かわいくて優等生の安楽岡花火(やすらおかはなび)と女子にモテる粟屋麦は学校でも公認のカップル。誰が見てもお似合いの2人は当然仲良しです。でも花火が本当に好きな人は、小さなころから近くに住んでいたお兄ちゃん。今は数学教師の鐘井先生です。高校生になった花火にも変わらず優しく接してくれるお兄ちゃんにうれしくなりますが、しばらく会わない間にお兄ちゃんには好きな人ができていました。同僚の音楽教師の皆川茜先生です。その茜さんのことを好きなのが、花火と付き合っている麦。2人は叶わない想いに苦しみ、お互いの傷をなめ合うために寄り添っています。
花火は麦に抱きしめられているときも、キスされているときも、触れられているときも麦をお兄ちゃんだと思っています。でもそれは麦も同じ。花火に触れたときの柔らかさを思い出して、茜さんに触れたらどうだろうと思いを馳せます。やり場のない想いのはけ口にできる都合のいい相手がそばにいたら、心が折れるという花火たちに共感できる人も多いのではないでしょうか。クズというには純粋すぎるように思えます。いくら慰めあっても満たしきれない思いで花火は泣きます……片思いなんて美しいものじゃない、恋なんて結ばれなければ意味ないのに、と。
作者:横槍メンゴ
出版社:スクウェア・エニックス
掲載誌:月刊ビッグガンガン
連載開始:2012年9月
巻数:8巻
タグ: クズの本懐
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