NTT-Xにて、ONKYO(オンキヨー)WAVIO PCIデジタルオーディオボード SE-90PCI R2 がナイトセール会員割引されて、7,980円で販売されています。SN比110dBを実現し、24bit/192kHzデジタル出力対応した、再生品質に徹底的にこだわった、再生専用2チャンネルのPCIデジタルオーディオボードです。OSはWindows8まで対応した本製品は息の長いモデルで、初代モデルは 2005年3月発売、R2になって生産地を日本からマレーシアに変更したモデルは2013年7月から販売されています。R2になって海外生産効果か、時折9,000円を切る価格を見かけますが、8,000円を切る価格はあまりないと思います。
個人的に ONKYO の PC 関係のデバイスはほとんど購入していて、その中でも最高のコストパフォーマンスを誇るのが本機だと思います。生産完了したかつての上位モデル SE-200PCI と比べても音質的に劣っている感じがしないのは、徹底的に余計な回路を省きシンプル構成にして、チップにも無駄な電力消費をしないものを採用していることも一因だと思います。本機は、光デジタル入力端子か、RCAで直接入力するスピーカーもしくはアンプを使用した方が、音質面でも本機の良さを味わえます。メインチップに「VIA Envy24MT」を採用していて、これも息の長いチップなのですが、2チャンネル再生専用の音楽鑑賞に特化したチップで(特に高音は綺麗に出ます)、SE-200PCI (VIA Envy24HT採用で8チャネル出力) と比べて出力チャンネル数(2チャネル出力)が少なく、省電力に貢献しています。この場合の省電力というのは、エコなどといいたいのではなくて、電力供給が余裕を持って安定することによって、音の歪みなどが抑えられるという趣旨です。2チャンネル再生専用なので、本機でDolby DTSに代表される多チャンネル映画を再生したりする用途には、あまり向きません。しかし、そのような映画であっても2チャンネルトラックの再生主体であれば、逆に本機の方が有利です。デジタル音源をアナログに変換するDAコンバーターには、Wolfson社製 WM8716搭載していて、マルチビットと1ビットのハイブリッド方式を採用したチップです。これは、上位ビットを Wolfson 社独自のプロセスでリニアリティを高めたマルチビット方式とする一方で、下位ビットを高精度な1ビット方式として、マルチビットDACに近いレベルまで、可聴帯域外のノイズを低く抑えるという高度な処理をします。この二つのチップのコンビネーションを駆動して、ローノイズなサウンドを出力するわけですが、同じチップを使えばどこが作っても同じ音が出せるというような単純なものでは無く、他社製品では、左右チャンネルの出力成分に乱れがあるのに対し、ONKYO はほぼ揃っているという、このあたりのハードウェア作りが上手いなと感じます。
ONKYO社のウェブサイトからドライバーを検索すると、本機のドライバー最終更新日は2010年10月8日となっているので、Windows8 までしか対応していないということになります。一応、Windows10の持っている汎用ドライバで動作はする(音は出る)のですが、本機の性能をフルに使えるわけではありません。たとえば、3D エフェクトが常時有効になり、サンプルレートが48,000Hz以上に設定できなくなります(本機は192kHzまで対応しているはずなのに)。この制限が気になる方や、ミュージック再生サーバー用途がメインの方は、OSにWindows10は敬遠という感じでしょうか。
ドライバが今後更新される可能性は高くなく、2チャンネル再生専用ボードではありますが、その分安定感と音質の点においては抜群ですので、音楽再生に特化したPCを作りたい方にはオススメですよ。
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