たった1作で終わった 2代目、モデル出身のオーストラリア人 ジョージ・レーゼンビーの007。
今回は幻の名作とも言われる『女王陛下の007』と、007シリーズのもう一人の主役とも言える ボンド・ガールについてです。
メインの舞台は スイス・アルプスの研究所。確かに内容はグレードが高い。身体能力を買われて起用されたジョージだけあって、アクションも良かったし、雪崩やボブスレーのシーンなどは手に汗握って見てしまった。
007シリーズを通して ボンドが本気で愛した女性と結婚するのはこの作品だけ、といういろんな意味で特別な作品でもある。
不評だったワケ
が、一代で終わったのにはやはり理由があるのだなー、と実感する。ボンドが魅力的ではないのである(私個人の意見です)。まずハンサムとは言えず、一度見ただけでは記憶に残らないフツーのおっさんに見えてしまう。 「コイツに近づいたら火傷する」という危険な匂いがしないとダメなのだ、ボンドは。
ダニエル・クレイグ最後のボンド 『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、実はこの『女王陛下の007』のリメイクとされている。もちろんシチュエーションも舞台も大幅に変えているが、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』のエンディングではリスペクトとして、ルイ・アームストロングが歌う『女王陛下の007』の主題歌「愛はすべてを超えて」が流されていることからもそれがわかる。こちらのボンドは見るからに火傷しそう・・・
とはいえ007マニアの間では 幻の名作と言われ、クリストファー・ノーランなど近年の有名監督らもリスペクトするこの作品、007ファンであればぜひ見ておきたい作品だ。
【ボンドガールあるある】
注意:ネタバレあり
007シリーズの見どころのひとつがボンドガール。彼女たちは、大まかに4つのパターンに分けられる。
(あくまでも筆者個人による選別です)
1:ラッキー・ボンドガール・タイプ
行く先々でボンドと一緒になり、結局最後はラブラブで終わる。
ボンドの魅力にハマり、ラッキーにも愛されて最後まで生き残るタイプ。
また ピアース版ボンドでは 『トゥモロー・ネバー・ダイ』のミシェル・ヨー、 『ワールド・イズ・ノット・イナフ』のデニス・リチャーズ、 『ダイ・アナザー・デイ』のハル・ベリーなど、サバイバル能力を身につけた強いラッキー・ボンドガールが多い。
2:アンラッキー・ボンドガール・タイプ
早ければ30分以内に、遅くとも3分の2までに犠牲になって命を落とす悲運なタイプ。
『女王陛下の007』でボンド(ジョージ・レーゼンビー)と結婚式をあげた妻のトレイシー(ダイアナ・リグ)
『女王陛下の007』でボンドの妻となるトレイシーと 『カジノ・ロワイヤル』のヴェスパー(エヴァ・グリーン)は、とことん本気で愛されながらも最後に死んでしまう稀有なボンドガール。
3:寝返りヴィラン・タイプ
悪役(ヴィラン)のボンドガールも2種類に分かれる。
ひとつは、当初は敵側でありながらボンドの魅力に参って心を入れ替え、彼に味方するタイプ。
4:とことんヴィラン・タイプ
もうひとつは、ボンドに堕ちそうに見えながらも骨の髄まで悪に染まっていて、結局はボンドに殺されることになる悪女タイプ。
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ショーン・コネリー版では、次々と敵側の女性まで味方に取り込んでしまうのに、 ピアース・ブロスナン版では、最後までボンドガールたちの本性を見抜けないのは、彼に女性を落とすだけの魅力がないわけではなく、女性自体が強くなった時代を反映しているように思うのですが、どうでしょう?
歴代のボンドガールを見比べてみるのも、面白い007シリーズの鑑賞方法かも?
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