The 4th Bond, Timothy Dalton's 007
【Movies runs around the world?C】
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4代目ボンド、ティモシー・ダルトンのメチャクチャ真面目な顔(多分目が鋭いからだろう)に合うシリアスな内容は、 今度のボンドは危険なくらい野性的 ハードボイルド系007となっている。
女性には確かにモテそうだが、あまり女好きな感じはしない。言葉の発し方もシャープだから同性には厳しそうに見えるが、映画の中では友情に厚く、敵は容赦しない典型的なヒーロータイプのようだ。ロジャーは人の命も女も軽視している感があったが、こちらはどちらも尊重している感じがして、私の中での好感度は比較的高い。
●「ホンモノの男」登場
「退屈で死にそう。どこかに本物の男はいないかしら」と呟く女性の乗るクルーザーに、落下傘で颯爽と舞い降りるボンドの登場シーン。空から降ってきた男に驚いて「あなた誰?」と問う女性に「私の名前はボンド。ジェームズ・ボンド」と初めて名乗る。ティモシーの007お披露目だ。
彼が細身なだけに黒の戦闘服姿も似合っていて、とてもスタイリッシュである。
●007シリーズを見ると、時代がわかる
ショーン・コネリーからティモシー・ダルトンの時代までは、まだ アメリカVSロシアの構図が鮮明で、イスラム系テロ組織は出てこない。国際的テロ組織スペクター、もしくは少し頭がおかしい大金持ちという個人的な悪役が多いが、この先ISやタリバンのようなイスラム系テロ組織が主な敵として登場したり、肉体よりもSNSなどネットを使った情報戦のストーリーが増えていくだろう。
【1作目】 ジブラルタル、ウィーン、ブラチスラバ、タンジールと見どころが多い、
女性に優しい新生ボンド
女性に優しい新生ボンド
●稀に見るラッキー・ボンドガール
今回のボンドガール、カーラ役は出ずっぱりの マリアム・ダボ、ただ一人。
出会いはウィーン、オペラ座でのコンサート。この人、キャリスタ・フロックハート(『アリー・マイ・ラブ』のヒロイン)に似たチャーミングさがある。
最後は「ああ、プロの男の邪魔をするな〜!」と頭を抱えたくなるような女特有のじっとしていられない衝動的な行動に出てボンドを困らせるが、こういうタイプはいつも結果オーライなんだろうなあ…憎めないキャラだ。
ティモシー版ボンドは 女性に対して非常に紳士的で優しい。
楽団のチェリストであるカーラの大切なチェロを、「あれを置いたまま逃げられない!」と駄々をこねる彼女の懇願を受け入れて、困難な逃走シーンでもちゃんと持ってきてくれてるし。まあ、穴(銃痕)開いたけど。ストラディバリウスだと知っていたら、弾除けにはしなかっただろうねー。チェロケースに乗っての国境通過シーン(⇓)は、エキサイティングで笑わせてもらった。
舞台は、 ジブラルタル、ウィーン、ブラチスラバ、 タンジール、アフガニスタンと興味深いところばかり。
冒頭シーンはスペインにありながらイギリス領で、急峻な崖が聳えるジブラルタルの名所 ザ・ロック。
ロシア軍とムジャヒディン(タリバンが大きくなる前のアフガン全体の抵抗組織)が戦っているという構図のため、終盤はアフガニスタンが舞台。もちろん当時アフガンはソ連が侵攻中でロケはできず、(今現在も不可能だろうな…)、主にモロッコでロケが行われた。
【2作目】第二の主役はサメ? マイアミを舞台に男の友情が描かれる
●残虐非道な悪役
歯向かう者や裏切り者は容赦しない、 悪役サンチェスの殺し方が恐ろしすぎる。サメに襲わせたり加圧器に閉じ込めて破裂させたり。また、サンチェスの甥ダリオの役で、若き日の ベニシオ・デルトロが出ている。目つきや体全体から凶暴さがにじみ出て、「ただ者じゃない」感ハンパない。裏話として、手すりに紐でぶら下がったまま砕石機に巻き込まれそうになっているボンドを落とそうと、手首の紐を切るシーンで役に入りすぎていたデルトロ(⇓)は、ナイフの勢い余ってティモシーの手に傷を負わせてしまったらしい。怖〜。
●愛すべき人たらし
タイトル 『消されたライセンス』は、新妻を殺され、自身もサメによって片足を失ったCIAの親友フェリックスの仇を打つために、ボンドが 007という殺しのライセンスを失うことから来ている。最凶の敵にMI6の応援もなく挑んでいくボンド。ティモシー版ジェームズ、なんて義理堅い男なんだ!
しかし上司である Mも、勝ち目のない勝負に一人で立ち向かおうとするボンドに「首だあ〜!」と火を吹きつつ「神の助けを、007!God Bless you, 007!」と、本心を呟いている。毎回突飛なスパイ用具を提供してはボンドに壊されている Qに至っては、自分の休暇を利用してアメリカまで秘密兵器を携え助けに来てしまうという…、なんと人たらしなボンドよ。
●今度のボンドは意外と奥手?
たった2作品で終わってしまったティモシー版のジェームズ・ボンド。
ファンとしては残念ながらも、引き際を心得た役者は、逆に印象に残るのではないだろうか?
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『ミッション・インポッシブル・シリーズ【世界を駆け巡る映画?@】』は こちら へ。
『007シリーズ【基礎知識編】:歴代ボンド』はこちらへ。
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『2代目ボンド、ジョージ・レーゼンビーの007とボンドガール・トリビア』は こちら へ。
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