全米187位、そして全米年間チャート圏外を記録したBabymetalですが、
日本ではBabymetal (ベビーメタル) がビルボード・ワールド・アルバム第1位、年間ワールド・アルバムアーティスト第5位と大袈裟な報道が相次いでいます。
BABYMETAL、米ビルボードチャート年間TOP10入り
↑↑↑↑という、信じがたいタイトルがYahooニュースなどに存在するなど、Babymetal狂想曲が止まりません。
何とも詐欺まがいのタイトルの書き方。
「米ビルボードチャート年間TOP10入り」と聞くと、誰がどう考えてもビルボードの総合チャートと思うのがふつう。
が、
もちろん、記事を開くと、ビルボードのワールド・アルバムというビルボード最下層に分類されていて、ふつうはニュースになるようなことはない超マイナーチャートの話。
とにかく今年は、Babymetalのニューヨーク公演が凄い、イギリスでも人気、世界のビルボード1位などといったBabymetal狂想曲とでもいうべき現象が起きている。
フェスの観客動員数が〜、ライヴの客の盛り上がりが〜・・・。
ビルボードの件に至っては、Yahooのトップニュースにもなっていたし・・・。
それぞれいろいろ書きたいことがあるけど、今日は Babymetalが1位を獲得したビルボード・ワールド・アルバムという、史上空前のマイナーチャートにランクインした件について言及 します。
ビルボードのワールド・アルバムチャートでBabymetalが〇〇位という報道がなされ、快挙みたいな感じになっていますが、実際にこのチャートにランクインしている歌手を見ると、もう目も当てられないというのが現実です。
アーティストランキング
2014年の年間総合アーティスト←Billboardでアーティストランキングといえばふつうはこれ
★Top Artist 100
1位 ワン・ダイレクション
2位 ケイティ・ペリー
3位 ビヨンセ
4位 テイラー・スウィフト
5位 ジャスティン・ティンバーレイク
6位 イギー・アゼリア
7位 アリアナ・グランデ
8位 マイリー・サイラス
9位 ファレル・ウィリアムス
10位 エミネム
日本では快挙として報道されている2014年の年間ワールド・アルバム・アーティスト
★WORLD ALBUMS ARTISTS
1位 CELTIC WOMAN (ケルト音楽の女性グループ)
2位 RODRIGO Y GABRIELA (メキシコのアコースティックギターデュオ)
3位 CELTIC THUNDER (ケルト音楽の男性グループ)
4位 STROMAE (ベルギー人のエレクトロニック音楽)
5位 BABYMETAL (日本のアイドル)
6位 LOREENA MCKENNITT (ケルト音楽や民族音楽)
7位 EXO (韓国の人気歌手)
8位 GAELIC STORM (ケルト音楽のバンド)
9位 2NE1 (韓国の人気歌手)
10位 TINARIWEN (サハラ砂漠のブルースなどをやってる人)
総合アーティストに関しては、世界的知名度と世界的人気があるため説明不要だとおもいますが、ワールド・アルバム・アーティストに関しては、無名アーティストばかり。
はっきりいって、「なんじゃ、こりゃ」といいたくなるチャート。
ちなみに、Billboardの"年間アーティストランキング"は、総合アーティストランキングのTop Artists、そしてBabymetalがランクインしたWorld Albums Artists以外にも各ジャンルなどのアーティストランキングがあるわけで、
年間アーティストランキングは合計101種類あります。
頂点にあるのが総合アーティストである"Top Artist"!!
そして、 101種類ある年間アーティストランキングの下から2番目 に位置づけされているのがBabymetalが5位にランクインした"World Albums Artists"です!
さらにいうなら、 ビルボードには年間チャートが全174種類あり、Babymetalがランクインした"World Albums Artists"は171番目に位置づけされている、驚異のマイナーチャート です。
年間総合チャートをYahooのトップニュースに持ってくるのは理解できますが、Billboardの174種類あるチャートの最下層といってもいい171番手に位置している超マイナーチャートをYahooのトップニュースに持ってくるとは・・・、日本の報道の仕方に驚きました。
しかも、"World Albums Artists"にランクインしている他のアーティストを載せると、このチャートのマイナーさが明るみになるため、Babymetalが5位という事実だけニュースにする手法にはもう言葉もない・・・。
インド音楽、北欧のケルト音楽、ハワイアン、アフリカ系民族音楽などの民俗音楽や韓国の歌手やBabymetalがランクインする意味不明なチャートである事実をちっとも報道しない謎。
年間チャートはBillboard公式サイトで盛大に発表されますが、当然ながらBabymetalがランクインした"World Albums Artists"はマイナー過ぎるためBillboatrd公式サイトのどこにあるのか探すのが難しい(笑)
ワールド・アルバムのマイナーさが身に染みてきたところだと思いますが、以下でさらに詳しく。
過去、日本で起きたBillboardに関する報道
- 倖田來未が全米ダンスチャートにランクイン
- 赤西仁が全米ダンスチャートにランクイン
- 宇多田ヒカルのアルバムが全米69位
- 宇多田ヒカルのシングルが全米ダンスチャートにランクイン
- 由紀さおりが全米1位
- Babymetalが全米ワールド・アルバム第1位
近年のBillboardに関する主な日本人の主な報道がこんな感じでされてましたが、
「ダンスチャート?総合チャートじゃないの?全然ダメじゃん」と、世論からは失敗の烙印押され、
由紀さおりさんも全米1位と報道されてましたが、実際は総合チャート圏外なので、失敗の烙印押されてました。
しかし、Babymetalのワールドアルバムチャートに関しては、なぜかそれが凄い出来事であるかのような報道が続いています。
私はBabymetalがランクインしたワールド・アルバムチャートよりも、赤西仁などがランクインしたダンスチャートの方が格上だと思いますけど。
ちなみに、Babymetalがランクインしたビルボード・ワールド・アルバムチャートには、近年韓国人の歌手が多くランクインしています。
でも韓国ではこのチャートのランクインに関し、持ち上げるような報道は少なく、総合チャートでの順位の低さに失望が広がっているそうです。
しかしながら、なぜか日本では、ワールド・アルバムチャートが持ち上げられて凄い出来事として取り上げられています。
繰り返す、なぜか日本ではワールド・アルバムチャートが凄いことのように思わせる報道が続いている。
ビルボード・ワールド・アルバムで1位=「全米1位」??
Billboard の World Albums というチャートでBabymetalが第1位に輝き、日本でも、Babymetalについて多くの報道が行われています。
「BabymetalがBillboard (ビルボード)のワールド・アルバムチャートで第1位を獲得」
「Babymetalが全米1位」
さすがにこれを全米1位というのは、しっくりこない。
当然ながら、毎週Billboardチャートをチェックしているような洋楽好きな人たちは、この「全米1位」という表現に違和感を覚え、「?????」と思っている今日この頃。
しかし、Billboardを知らない人は、この「全米1位」という表現に違和感を感じない人が多いかもしれない。
ふつうワールド・アルバムで1位獲得しても全米1位という言い方はしない。
日本で人気な洋楽歌手を例にすると、
例えば、
例1.
・レディー・ガガのアルバムが全米1位獲得!
・アヴリル・ラヴィーンのアルバムが全米1位獲得!
ここでいうアルバムが全米〇〇位という表現は、Billboard 200 (アルバムの総合チャート)を指します。
例2.
・テイラー・スウィフトの新曲が全米1位獲得!
・リアーナの新曲が全米1位獲得!
ここでいうシングルが全米〇〇位という表現は、Hot 100 (楽曲の総合チャート)を指します。
ふつうは「全米1位」といえば、やはり総合チャートのことで、それはBillboard 200 か Hot 100で第1位に輝いた時に使用してほしい言葉。
ワールド・アルバムチャートで1位になった程度でプロモ来日なんてしないわけだし、総合チャートで上位につける人気歌手がプロモ来日するわけだし。
たかがワールド・アルバムで第1位になっただけなのに、「全米1位」と表現するのは、やはりかなりの違和感あり、ワールド・アルバムがいかにマイナーなチャートであるかを理解すれば、「全米1位」という表現がいかに図々しいことかがわかるはず。
ビルボード・ワールド・アルバムチャートの実態!
まず考えて欲しいのが、Billboard World Albums (ビルボード・ワールド・アルバム)チャートがどれくらいマイナーで、アメリカでどのような扱いをされているチャートなのか!?
厳密にビルボード・ワールド・アルバムがどのように定義されているかわかりません が、
このランキングはワールド・ミュージック・アルバムの売上ランキングです。
ワールド・ミュージックといわれてもピンとこないと思いますが、
ワールド・ミュージック=世界各国各地域の伝統音楽 という感じ。
私が言うならば、ビルボード・ワールド・アルバムは、世界各国各地域の伝統音楽チャート。
人気ジャンルといわれる、Pop、EDM、R&B、Hiphop、Rockは一般に知れ渡る人気音楽ですが、基本的にワールド・ミュージックといわれる世界の伝統音楽をわざわざ聴く人は極めて少数。
そもそもワールド・アルバムチャートにランクインしている歌手の名前とジャンルを見れば、このチャートがいかにマイナーかがわかります。
具体例としてBabymetalが1位を獲得した当時の2014年9月20日付ビルボード・ワールド・アルバムチャートと、
2014年12月20日現在の最新のビルボード・ワールド・アルバムチャートのご覧ください。
ワールド・アルバム・チャートにランクインするのはこんな人達
World Albums September 20, 2014
1位 "BABYMETAL" - BABYMETAL (日本のメタルアイドル)
2位 "Emerald: Musical Gems" - Celtic Woman (ケルト音楽の女性グループ)
3位 "9 Dead Alive" - Rodrigo y Gabriela (メキシコのアコースティックギターデュオ)
4位 "Lod Nan Dezod" - Djakout #1 (アフリカや欧州がルーツのハイチ音楽)
5位 "Evolution: 2nd Album" - Jay Park (韓国の歌手。2PMの元リーダー)
6位 "Brazil: Music Is The Pulse" - Various Artists (ブラジルの音楽)
7位 "Tudo" - Bebel Gilberto (ブラジルのボサノヴァ歌手)
8位 "Racine Carree" - Stromae (ベルギー人のエレクトロニック音楽)
9位 "The Hundred-Foot Journey" - Soundtrack (コメディドラマのサントラ。インド音楽)
10位 "Full Irish: The Best Of Gaelic Storm - 2004-2014" - Gaelic Storm (スコットランドやアイルランドのケルト音楽をロック調にした感じ)
World Albums December 20, 2014
1位 "Holiday Symphony" - Celtic Thunder (ケルト音楽の男性グループ)
2位 "Emerald: Musical Gems" - Celtic Woman (ケルト音楽の女性グループ)
3位 "O Christmas Tree" - Celtic Woman (ケルト音楽の女性グループ)
4位 "Kawaiokalena" - Keali'i Reichel (ハワイアン音楽の男性)
5位 "9 Dead Alive" - Rodrigo y Gabriela (メキシコのアコースティックギターデュオ)
6位 "Putumauyo Presents: French Christmas" - Various Artists (仏音楽のクリスマスアルバム。シャンソン歌手などが参加)
7位 "Racine Carree" - Stromae (ベルギー人のエレクトロニック音楽)
8位 "The Journey So Far: The Best Of Loreena McKennitt" - Loreena McKennitt (ケルト音楽や民族音楽)
9位 "30 Favorite Irish Christmas Carols: 30 Instrumental Celtic Christmas Songs" - Various Artists (ケルト音楽のクリスマスアルバム。ケルト音楽歌手などが参加)
10位 "Reunion" - Amy & Willie K (ハワイアン音楽)
これがBabymetalが1位獲得時と最新のビルボード・ワールド・アルバムチャートのトップ10の顔ぶれです!
インド音楽、北欧のケルト音楽、ハワイアン、アフリカ系民族音楽、韓国の歌手、日本のアイドルなど、意味不明な顔ぶれチャートで、誰も興味ないチャートとして有名です。
洋楽に詳しい人でも、知らない歌手ばかりのチャート。
ワールド・ミュージック関係者に怒られそうですが、総合チャートで勝負できない、不人気ジャンルのための、超マイナーチャートです。
ワールドって日本語でいうと凄いような気がしますが、ビルボードでポップチャートといえば、ポップ・ミュージックのことで、R&Bチャートといえば、R&Bミュージックの事であることと同じで、
ワールド・アルバムチャートといえば、ワールド・ミュージックの事。
ワールド・ミュージック=世界各国各地域の伝統音楽
"民族音楽"チャートと定義しているブロガーもいました(笑)
ワールド・ミュージックというのは、アイルランド周辺ではケルト音楽、ブラジルではボサノヴァやサンバ、日本では尺八、三味線、民謡などがそれに当たります。
このチャートで知名度があるのはケルティック・ウーマンくらい。
それ以外は、一般的には失礼ながら無名アーティストといわれる人ばかり。
ケルティック・ウーマンは、「You Raise Me Up」をケルト音楽調にカバーしたバージョンを、荒川静香さんがオリンピックの金メダル時にエキシビジョンで使用したので日本でも知ってる人がいることでしょう。
ビルボード・ワールド・アルバムは、とにかくケルト音楽が常に上位にいる、そういうチャートです。
そして、ケルティック・ウーマンはかつて、80週や90週くらいビルボード・ワールド・アルバムチャートで1位を独占したこともあります。
言い方が悪いですが、ケルティック・ウーマンが80週1位を独占できるくらい、マイナー・アーティストばかりのチャートです。
競合アーティストが全くいないチャート。
ケルティック・ウーマンは、過去に総合チャートでもなかなかの順位にランクインしたことがありますが、その他の歌手は基本的にワールド・アルバムで1位になっても、総合アルバムにかするか圏外というパターンが多い。
Babymetalもワールドアルバムで第1位になりましたが、アルバムの総合では第187位と1週かすっただけ(Billboard 200は200位までランキングされる)。
Babymetal は民族音楽か?
Babymetalがビルボードのワールド・アルバムチャートにランクイン。
つまり、Babymetalの音楽は、ビルボードからワールド・ミュージックとみなされているということ。
Babymetalはどんな音楽のジャンルの歌手なのかというと、英語版wikiによるとヘビーメタル、メタル系、J-Popなどになっている。
が、繰り返しになるがビルボードはBabymetalをワールド・ミュージックに分類している。
ワールド・ミュージック=世界各国各地域の伝統音楽=民族音楽
全く伝統音楽には聞こえないというのが本音だけど、Babymetalは日本語楽曲ということでワールド・ミュージックに分類されたのかな。
ちなみに、ビルボードにメタルチャートはないの?と思う人がいるかもしれないけど、ビルボードにメタルチャートはありません。
ハードロック・チャートはありますが、メタルは人気がなく、コアな層しか聴かないためありません。
それと、ビルボード・ワールド・アルバムチャートは世界の伝統音楽、民族音楽の他に、
韓国のShineeが第1位、少女時代も第1位、Super Juniorも第1位、EXOも第1位、2NE1が2位を獲得するなど、多くの韓国人が活躍しているチャートです。
ワールドアルバムチャートにランクイン、つまりワールドミュージックとみなされている。
BabymetalやShineeや少女時代などのアジア人の音楽は、アメリカのBillboardから見ればイロモノにしか見えない、という感じでワールド・ミュージックに分類されているのではないでしょうか。
とにかく、JpopやKpopはアメリカのビルボードからワールドミュージック扱いされてしまいます。
ケルト音楽やハワイアンみたいな正統派のワールドミュージックやっててビルボード・ワールド・アルバムチャートにランクインするのは理解できますが、
BabymetalやShineeや少女時代やSuper JuniorやEXOや2NE1のようにワールド・ミュージックやってないのにワールド・ミュージックに分類されるって、はっきり言ってビルボードから馬鹿にされてるってことでしょ。
ちなみに、スターゲイトなどの大物プロデューサーを招いてアルバムや楽曲の制作をした宇多田ヒカルは、Billboardからワールドミュージックではなく、PopやR&Bとみなされていました。
※追加情報
Babymetalや韓国の歌手はイロモノ扱いされてビルボードからワールドミュージック扱いされている思ってましたが、よく調べると、一般的に「アジアのポップス=ワールド・ミュージック」とされているそうです。
ワールド・アルバムはビルボードの中でどういう位置づけのチャートか!?
ビルボードに多くのチャートがあることを知っている人も多いと思います。
でも、毎週ビルボードチャートをチェックしている人でさえ、チェックするのはBillboard 200 や Hot 100 のような、アルバムと曲の総合チャートのみという人が多いのが現実。
それでは、BABYMETAL が1位を獲得したBillboard のWorld Albumsというチャートはビルボードの中でどのような位置づけのチャートなのかを見てみましょう。
まず、頂点にあるのは、
Billboard 200 と Hot 100
この2つのチャートは説明不要、何度もいってるように総合チャート。
全米〇〇位といわれるチャートは、ふつうはこの総合チャートの順位。
これ以外にも全てのジャンルを含んだ総合チャートが、
Artist 100 (総合アーティスト)
Radio Songs (人がラジオで聴いた人気楽曲)
Digital Songs (デジタルシングル売上)
Streaming Songs (ストリーミング)
On-Demand Songs (オンデマンド)
など16種類。
Billboard 200 や Hot 100 といった総合チャートに一度もランクインしたことがなく、たいして売れたことがない若手のための総合ヒートシーカーズチャートが2種類。
ジャンル別チャートとして
Popミュージック関連のチャートが3種類。
カントリー・ミュージック関連のチャートが6種類。
Rockミュージック関連のチャートが11種類。
R&B/Hip-Hopミュージック関連のチャートが13種類。
Dance/Electronicミュージック関連のチャートが6種類。
ラテンミュージック関連のチャートが11種類。
Christian/Gospel関連のチャートが10種類。
ホリデー・ミュージック関連のチャートが5種類。
そして、その他のジャンルとして
ブルース、ジャズ、クラシック、レゲエ、コメディなどの10種類のチャートがあり、その中で最も下に位置づけされているのがワールド・アルバムチャート。
簡単にいえば、 Billboardが毎週発表しているチャートは計95種類あり、全95個のチャートの中で最も下に位置づけされているのが、Babymetalが1位を獲得したビルボード・ワールド・アルバムチャート 。
ワールド・アルバムは伝統音楽のチャートなので人気がないのは当然。
知らない歌手、そして売れない歌手ばかりがランクインするチャートで、Billboardチャートの中で最も注目度の低いチャートといっても過言ではない。
ちなみに、ワールド・アルバムチャートのページは、Billboardの公式サイトから、Chartsをクリックし、そこから95番目まで下にスクロールしなければならないため、辿り着くのが困難で、注目している人がほとんどいないチャート。
(※一応言っておくと、ビルボードはここまで紹介した95のチャート以外にもJapan Hot 100のような、日本やカナダの国内チャートも制作している。そして、95という数字は今の話で、新たなチャートが制作されることがよくあるので、95という数字が変動すること必至)
ビルボード・ミュージック・アワードで見る、ワールド・アルバムの存在意義
Billboard Music Awards (ビルボード・ミュージック・アワード)という音楽賞を知っていますか?
グラミー賞には及ばないが、アメリカン・ミュージック・アワードと並ぶ、アメリカの音楽界における大きなイベント。
ビルボードチャートのチャート成績、場合によっては投票で受賞者を決定します。
その1年、ビルボードチャートを賑わしてきた人気アーティストが盛大にライヴ・パフォーマンスを披露し、受賞者を発表するビルボードの音楽賞。
2014年に開催されたビルボード・ミュージック・アワードは、全41部門。
Dance/Electronic、ラテン、R&B、カントリー、Christian、ラップ、ロックなど、ビルボードに存在する様々なチャートを元に、その部門のNo.1アーティストや曲やアルバムを発表するのがビルボード・ミュージック・アワード。
そのビルボード・ミュージック・アワードで、Babymetal が1位を獲得したワールド・アルバム部門があるのか?というと、
もちろんワールド・アルバムに関連する部門はありません。
単純に、ワールド・アルバムはとにかくマイナー過ぎるから。
なんといっても、ワールドアルバムは世界各国地域の伝統音楽という人気のないジャンルの上に、ビルボードの中で、マイナーといわれる中でも特にマイナーなチャートだから。
ランクインしているメンツを見てわかったはずです。
「なんじゃ、こりゃ」、と。
ワールド・アルバムチャートで1位になっても、誰も知らない。
ビルボードの一番上のチャートから95番目、一番下にあるワールド・アルバムチャートを毎週チェックしてる人っているのでしょうか?
ケルト音楽が常に1位で、たまにBabymetalや韓国人が1位を獲得する、言葉が出ないマイナーチャート。
果たして、このチャートが存在する意味はあるのか?
ワールドアルバムで1位になっても、ビルボード・ミュージック・アワードで表彰されないという現実が、そこにはある。
配信のみのリリースでこの順位は凄いのか?
Babymetalがワールド・アルバム第1位。
総合チャート第187位。
「配信のみでこの順位は凄い」
という、風潮が日本にはあるらしい。
そりゃあ、オリコンのように、CDのパッケージ売上が全てと思っている人から見ると、配信のみでランクインはなんかしらんが凄い、と感じていることでしょう。
しかし、
現実として、アルバム配信のみで、Billboard 200 (アルバムの総合チャート) 第1位を獲得した歌手がいるわけで、
現実として、シングルに関して、CDをわざわざ制作している歌手はアメリカにほとんどいないわけで、Hot 100 (曲の総合チャート)にランクインしている人気歌手のほとんどはシングルは配信しかやってないわけで、
現実として、CDって、Billboardでは、そこまで影響力ないわけで
CDは生産すれば生産するほど売れてくれないと赤字なわけで、売れない歌手は配信のみでやってるケースが多いわけで
BabymetalがアメリカでCDリリースしても、売れる可能性は低いわけで
黒字になる見込みがないとCDリリースできないわけで
ワールド・アルバムチャートが快挙?それじゃダンスチャートは?
ここまでで、ビルボード・ワールド・アルバムチャートにランクインする歌手は、ケルト音楽に代表される世界各国各地域の伝統音楽をやってる歌手と、Babymetalや少女時代などの総合チャートで勝負できない日本や韓国の歌手のためのチャートということがわかったはずです。
それでは、倖田來未や赤西仁や宇多田ヒカルがランクインしたビルボードのHot Dance Club Songsというチャートはどんなチャートなのか。
日本語ではダンスチャートと表現することが多いこのチャート、
ダンスチャートの1位獲得数の多い歴代の歌手を抜粋すると、
マドンナ、リアーナ、ビヨンセ、ジャネット・ジャクソン、マライア・キャリー、ドナ・サマー、ジェニファー・ロペス、ケイティ・ペリー、ホイットニー・ヒューストン、レディー・ガガなど。
ワールド・アルバムチャートは無名アーティストの巣窟チャートですが、
ダンスチャートは、ドナ・サマーなどの超大御所から、マドンナ、マライア、ホイットニーなどの超大物、そして、リアーナやレディー・ガガなどの20代の若手まで、とにかく世界的な人気歌手が1位を獲得してきたチャートです。
ランクインしている歌手のメンツから判断して、
大成功で快挙として報じられているBabymetalのワールド・アルバムチャートランクインよりも、
倖田來未や赤西仁や宇多田ヒカルがランクインしたことがあるダンスチャートの方が格があるチャートといっても何ら問題ない。
Babymetal 今後の展望
Babymetalが今後どういう方向に向かうのか知らないけど、
今後、本格的にアメリカのBillboardに挑戦するとしたら・・・。
まず、Billboard からワールド・ミュージックとみなされている時点で、今後 Hot 100 (シングル総合チャート)にランクインすることは一生不可能。
理由は簡単、ワールド・ミュージックに分類されている歌手が Hot 100 (シングル総合チャート)にランクインすることがないから。
Hot 100 (シングル総合チャート)にランクインするためには、ラジオで大量に曲を流してもらう必要があるが、ワールドミュージックを流すラジオ局はない。
オリコンはCDのパッケージ売上を重視しているが、ビルボードのHot 100 (シングル総合チャート)において重要なものの一つがラジオ。
それじゃあ、メタル歌手として売り出そう、と思うかもしれないが、それも絶望への道。
メタル歌手が Hot 100 (シングル総合チャート)にランクインすることも極めて少ない。
メタルはラジオで流れることが少ないし、コアな層が聴く音楽だから。
グラミー賞をみてもわかるはず。
主要部門の4つの部門にそれぞれ5ずつノミネートが発表されたけど、20ノミネートのうちメタル歌手はゼロ。
メタルは売れない、音楽としての評価も低い、人気もコア層からに限られる場合が多い。
メタルの時点で、Hot 100 (シングル総合チャート)は無理。
そして、Billboard 200 (アルバム総合チャート)ではどうかというと、、すでにBabymetalは187位にランクインした実績があるため、この順位を超える可能性はふつうにある。
しかし、メタルというのは売れないジャンルのため、全米でヒット、といわれるような順位にランクインすることはないでしょう。
Babymetalが海外で人気と報道されていますが、だったら早くアメリカでどんどんアルバムや曲をリリースしろよといいたくなります。
ですが、結局のところ、総合チャートで勝負できる感じは全くないため、リリースしたくても出来ないというのが現状だと思います。
勝手な予想だけど、アメリカで曲をリリースしても全米圏外という肩書が付くだけなので、リリースしない方がいい。
現状把握
結局ところ、普段からBillboardに興味がなく、何も知識がないような人が報道を鵜呑みにし、ワールドアルバムは凄い、快挙だ、と大騒ぎしているのでしょう。
現状を把握し、Billboardチャートの全体層を掴み、本当に売れている歌手、本当に人気な歌手、本当に人気で売れたアルバムや曲を認識した時、ワールド・アルバムチャートが自分が思っていた以上にマイナーなチャートで、嫌な言い方すればたいして価値がないチャートであるとわかります。
世界的アーティストといわれる強烈なメンツがひしめくBillboardの総合チャートを無視し、ワールド・アルバムというBillboard屈指のマイナーチャートを大々的に報じることが愚かな行為であることは明らか。
近年、日本の音楽界が低迷といわれますが、まさしくこういう報道やってる事実が日本の音楽界低迷の象徴に思えてしまう。
ワールド・アルバムがマイナーなのはわかったけど、総合チャート187位は快挙でしょ!!
と、主張したい人もいるとは思いますが、あるサイトに書いてありました、
全米100位みたいな順位は売れない歌手の証明書だと。
★お知らせ
全米圏外だった由紀さおりさんを、全米1位、世界で大ヒットとおかしな報道をしたこともあるNHKが、Babymetalの特集をやります。
12月21日(日)深夜24:15(月曜午前0:15)よりNHK総合です。
ファンの方は必見!
タグ: BABYMETAL
あんたがこの記事書いてる当時のその大げさとやらのマスコミの報道は、実に先見の明があったということじゃないの? どうなの?
半世紀以上TOP40入りがなかったのは、日本の
アーティストがごみ以下ってこと?
ご高説を賜りたい。よろぴく。
その昔洋楽にはまるもビルボードも(もちろんオリコンも)だんだんつまらなく感じてきたところにメタルにはまってしまった四十台のオッサンですが、メタルにも面白さを感じられず淡々と日々を過ごしてきたところにBABYMETALですよ。
今回発売されたニューアルバムは停滞しきったメタルシーンはもちろん、日本の音楽業界やマスコミ、ビルボード総合チャートにも殴りこみをかけたような、まさしくレジスタンスなんです。ソニスでの強烈なステージ・パフォーマンスをご存知ないからたぶんこんな記事が書けるのでしょう。
BABYMETALのビルボードTOP40内チャートインなんて全然たいしたことないですよ?だって圏内に素晴らしいアーティスト一人もいないじゃないですか。
管理人さんの言いたいことは判りますが実際ライブに行ってみると「世界で人気がある」から好きというのは少数だと思いますよ。
実際ファンの方が冷静じゃないでしょうかねw。
あとは管理人さんが実際に楽曲を聞いての記述を加味すると内容が更に充実すると思います。
そして日本の楽曲がどうすれば世界に通用するのか聡明な管理人さんなら答えが出せるでしょう。
自分に出来ないことを棚に上げて他人をこき下ろすことはなんて野暮ですからね。
というか、いいかげんBillboardに入る=売れているっていう思考をやめたほうがいいのでは?と思いますね。Babymetalに関する報道が詐欺だという意見には賛成ですが。
どこまであなたがBABYMETALを知ろうとしてるかわかりませんが、liveに行って実際に感じたコトを合わせて記事をお書きになられたほうが、より良い記事だと思います。
実際に観に行くなんて馬鹿げてると思われるなら、あなたの記事は書き損。
BABYMETALをデータでしか知らない方がどんなに“騙されないで”と記事書いても、それは知りもしないのに知ったかぶりをしていると受け取られ、
“そういうレベル人”
って、なると思います。どんなにデータで
“アーティストをしっかり知って下さい”
といわれても、それをしないライターの記事は、私は残念でなりません。
知るおつもりがなければ、今後他のアーティストや文化人を“騙されないで”的な記事、上げないで下さい。
彼女達の努力を知らなクセに、この記事が拡散して彼女達がブルーになるのはスルー出来ないのであなたに物申すコメント残します。
私はBABYMETALのファンですし、元々洋楽ばかり聴いてきた人間です。
BABYMETALに興味のない人、嫌いな人からみれば報道の仕方やファンのはしゃぎっぷりにイラつきもするし、腹も立つんでしょうね。
ただ、ファンから言わせてもらえば、BABYMETALは他の日本人アーティストと同様に未だに海外でCDを発売されていないのにランキング入りだという事。
そもそもファンなんてアーティストの新しい情報に一喜一憂してはしゃぐもんです。それは洋楽ファンも同じだし、
興味のない人はそれを冷たい目で見てスルーすればいいだけなのに、洋楽ファンだけが大人気なく異様に噛み付いてるように感じます。
自分も洋楽ばかり聴いてきた人間なのでわかるんですが、興味のない人間からすれば、私や管理人さんのような洋楽ファンもアイドルヲタ、アニメヲタ同様に気持ち悪いヲタクにしか見られてませんよ。
それがファンって生き物なんですよ。
洋楽ファンはそれに気づいてない人が多いからある意味一番痛いかも(笑)
もし、管理人さんもBABYMETALが嫌いだったり興味がないなら分析などしないで、
他のファン同様に報道などを冷たい目でスルーする事をお勧めしますよ。事実、私も今までそうして生きてきました。
ただ、エンタメ、広告業界全体へのヘイトにBABYMETALを利用したという印象が拭えない。
体制へ喧嘩売る度胸は買うが、そうゆう時は自分のふんどしを使うことをお勧めする。
そもそもBABYMETALは対外的なプロモーションは何もしていない。
勝手に気付いて、勝手に盛り上がり始めて、盛り上がってるなら行こうというので現状がある。
これは日本も含めて世界中の消費者の行動が変化しつつあることを示している。何を選ぶかを本人が選ぶ時代(本来そうあるべき)が、到来しつつある。
先行きが不透明だからこそ、盛り上がっているところから優先的に攻めていくという判断は正しい。
ただ個人に向けて発信していくやり方は作品のクオリティが維持されていないと難しい。
だからビビって旧来のプロモーションから踏み出せないアーティストが多い。
広告すれば売れます→広告しなければ売れません。
そうゆう得体のしれない恐怖を刺激して膨らんで来たのが広告代理店だろう。今度はそっち側の視点から記事を書いてみてくれ。
だからメジャーどころのアーティストがいないのも当然だし、別に民族音楽のチャートでもないはず(たしかだけど…)
要するに輸入盤のチャートだと思うんだよね
輸入盤だから位置づけが下なのも、アワードで部門がないのも当然かと…
ただやっぱり全米1位は…だめ、絶対…
ただのアンチだろ
メイト敵に回すつもりかお前
好きで聞いてるだけだから
自分も187位がどれくらいのものか調べてみたんですが、日本人だと近年では数えるほどしかランクインできてないみたいですね。(宇多田やDIR EN GREYなど)
別にワン・ダイレクションやケイティ・ペリーに比べてどうとか言うわけじゃなくて、日本人アーティスト(?)の中では、今年頑張った方なんじゃないんでしょうか。
何しろ海外ではCD未発売でロクなプロモーションもせず、ほぼYouTubeの口コミだけでこの順位なんですから。
そんな自分も最近のメディアの過剰な報道には呆れていました。
実際、ワールド・アルバム・チャートなんてベビーメタルでニュースになるまで存在していることすら知りませんでしたし・・・。
ハマースタインをソールドアウト(ブリクストンはソールドアウトでした)と言ってみたりで、とにかく報道が盛りすぎ。
実態以上に大きく見せようとするテレビや、調べもせずにコピペ引用だけで済ますネット記事にはウンザリです。
報道するのなら正確にしてくれないと長い目でみるとベビーメタルにとってマイナスにしかならない気がします。
このブログを拝見して個人的には「よくぞ言ってくれた」という思いが強いです。
ありがとうございました。
一つ一つコメント返そうと思ってましたが、コメント欄が荒れそうなのでやめておきます。
私もかなり偏った見方でいろいろと書いてしまったのも事実です。
色々調べて管理人様が指摘されているようなことに気付きました。
今ではこういった類の情報は冷めた目で軽く流しています。
カルト的な人気はあると思いますが、メインストリームには無理じゃないかと思います。
NHKの特番ですが、メタル好きでベビメタ好きの人たちによって作られたのがバレバレでした。
ファンにとっては非常に楽しめる内容でしたよ。(僕はメタルには興味ありませんが...)
日本のマスコミが大げさに報道するのはいつものことだし
海外でコアな連中に人気なのは事実なので、ワンマンライブ開いて満員になるくらい人気っていうよりビルボードチャートの順位を大げさに報道したほうがインパクトがあるくらいにしかマスコミは思ってないでしょ
ダンスチャートでランクインした倖田來未がワンマンライブでそこまで集客できるとも思えないしビルボードチャートだけで語られてもね
管理人さんのビルボードチャートを安易に利用するな!って思いは伝わりましたよ
WORLD ALBUMS CHARTSで1位より、Billboard 200で187位の方が凄いことですよね?
なのにWORLD ALBUMS CHARTSのニュースばかりっておかしくね?
報道してる側も勉強不足(`・ω・´)キリッ
コメントありがとうございます。
そうですね。
BABYMETALの3人には特にいうことなしですが、周りの盛り上がり方には・・・って感じがあります。
コメントありがとうございます。
>記事を読んでどう思われますか?ということですが、
1年前まで見かける事がなかったワールド・アルバムに関する記事が、今年は多すぎ(笑)と思いました。
たかがワールド・アルバムです。
1年前まで日本で全く報道されてなかった事実が、ワールドアルバムの価値を示しているのではないでしょうか。
コメントありがとうございます。
ワールドアルバムを持ち出すくらいしか宣伝方法がないことが、過剰な宣伝に繋がっているのかもしれませんね。
実際どの程度のことかわかっている人間からすると持ち上げ過ぎには萎えます
記者も「宣伝してやってる」くらいの感覚で胸張って記事書いてるんじゃないでしょうかね…
それでも必死に快挙と言い続けてる↓のような記事がありますがこういう記事についてどう思われますか?
http://www.jwide.com/news/news.htm?id=4547
由紀さおりさんも、当時は全米で大ヒットっていうしかテレビに出演する方法がなかったような気がします(*^_^*)
ベビメタが持ち上げられ過ぎってことには同意(*^_^*)