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肝機能障害

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◆肝機能障害◆

肝臓は多くの働きを担っていますが、
代表的なものとして以下の3つが挙げられます

1)代謝について
肝臓は炭水化物、脂肪、蛋白質などの栄養素を体の中に吸収できる形に分解します。
まず炭水化物で代表されるのはブドウ糖ですが、肝臓ではグリコーゲン
という物質に変えられ貯蔵され、必要に応じてブドウ糖に戻されて、
血液中に流され、エネルギーの元になります。
蛋白質はアミノ酸という形で小腸で吸収され、肝臓で再び人に利用できる形の
蛋白質に作り変えられます。  
脂肪は、脂肪酸とグリセリンに分解されて、小腸で吸収され
肝臓でコレステロール、中性脂肪、リン脂質に置き換えられます。

2)解毒について
薬物をはじめ、体内に摂取された食物にも、人体にとって有害な物質が
含まれており、それらを酸化、還元という方法によって解毒して、
胆汁を介して便中・尿中にも排泄するという一種の防御機構に
肝臓は関与 しています。例えば、アルコール分解中に生じるアルデヒド
という物質や、蛋白質が元で腸内でできるアンモニアなどがそうです。

3)胆汁について
胆汁は古くなった赤血球を元に肝臓で作られます。
一日約1リットル生成され、胆嚢に一時蓄積されます。
食事をとると胆嚢が収縮し、胆汁が小腸に分泌され、脂肪を乳化し
吸収しやすくします。黄疸はこの胆汁中の ビリルビンという色素が
何らかの理由で血中に増加すると起こります。胆汁の色は黄色で
便の色もこれによるものです。


◆肝臓の病気◆

(1)急性肝炎

ウイルス、薬剤、アルコールなどが原因で急性肝炎がおこります。
通常、急性肝炎は1~2ヶ月、長くとも半年で治癒します 。

(2)慢性肝炎

肝炎が6ヶ月以上治癒せず、持続する場合を慢性肝炎といいます。
C型肝炎が最も高率に慢性化します。
ウイルスの種類によっても急性で終わるもの、慢性化するものがあります。 

(3)肝硬変

慢性肝炎の約20%が肝硬変になるといわれています。
日本ではウイルス性が80~85%で、そのうちC型が70~75%、
B型が10~15%です。肝硬変とは読んで字のごとく、
炎症の繰り返し線維化が進む事により、肝臓が硬く表面が凸凹になります。
その肝臓を血液が流れにくくなるため、側副血行路(バイパス)として、
胃・食道静脈瘤ができ、その破裂が重大な死因の一つです。
また近年では、肝細胞癌を併発する割合が増えています。

(4肝細胞癌

肝細胞癌、胆管細胞癌があり、前者が約80%を占めます。
肝細胞癌の約85%は肝硬変を併発しており、その内、ウイルス性が
85~90%です。C型肝炎由来のものが75~80%、
B型肝炎由来のものが10~15%を占め、肝硬変と同じくC型が大部分です。

(5)脂肪肝

肝臓には元来3~5%の脂肪沈着がありますが、30%を超えた状態を
脂肪肝と呼びます。アルコール性、過栄養などによっておこります。
脂肪肝の場合、肝臓のみならず他の臓器にも脂肪が沈着しており、
生活習慣病の予備軍ですので注意が必要です。過食を避け歩きましょう。

(6)C型肝炎

C型慢性肝炎とは、肝炎を起こすウイルス(C型肝炎ウイルス)の
感染により、6ヵ月以上にわたって肝臓の炎症が続き、細胞が壊れて
肝臓の働きが悪くなる病気です。初期にはほとんど症状はありませんが、
放置しておくと、長い経過のうちに肝硬変や肝がんに進行しやすいです


◆アルコールとC型肝炎◆

今までアルコール性肝障害と考えられていた人の中に、
肝炎のウイルスを持っている人がたくさんいることが
分かっています。ウイルス性肝炎にはA型、B型、
C型がありますが、C型肝炎が最も頻度が高くみられます。
一般的にはC型肝炎にかかっている人は約2%程度
といわれています。ところが、アルコールが原因で
肝疾患を起こした人では約40%がC型肝炎にかかっています。
C型肝炎が絡んでくると、アルコール性肝炎だけのときよりも、
肝障害はかなり重症化します。そして、早い時期に
肝硬変や肝がんが発症してしまいます。
これは免疫系の機能が低下しているためと考えられます。




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