昨日がなければ明日もない・宮部みゆき

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2020.03.15

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カテゴリ：本

・文藝春秋
・2018年11月30日第１刷発行
・杉村三郎シリーズ第５巻。短編集

♣︎杉村三郎のプロフィール
大学卒業後は児童書の編集者をしていた。恋愛結婚をした相手が今多(イマダ)コンツェルンという巨大企業の会長の一人娘(愛人の子)だった。娘婿となり姑の会社に転職。桃子という一人娘あり。妻の心変わりにより離婚。娘は母親と暮らした方が良いと思い、親権を手放した。三郎には大きな咎はなかったため、相当な額の慰謝料を提示されたが、そっくり桃子の養育費として渡してきた。
杉村探偵事務所を開設するも、オフィス蛎殻からの下請け仕事を除けばスケジュールはガラ空き状態。

１．絶対零度
50代と思われる品のいい婦人が、自殺未遂をした娘のことを調べて欲しいと事務所にやってきた。杉村探偵事務所の記念すべき10人目の依頼人だった。
娘婿の話では１ヶ月前の深夜、自宅の風呂場で手首を切り救急病院へ搬送されたが、精神状態が不安定なため、現在はメンタルクリニックに移っているという。だが、婦人がクリニックを訪ねても一度も娘に会わせてもらえないばかりか、メールも電話も通じない。とにかく娘に会いたいというのだ。

２．華燭
杉村探偵事務所は竹中家の広い屋敷の一部を間借りしている。大家の竹中夫妻は資産家で地元の顔役である。三郎も町内会の役員を引き受けており、町内には顔見知りが増えた。
小崎モーターバイク夫人小崎佐貴子の姪の静香(妹の佐江子の娘)が結婚することになり、家族３人宛の招待状が届いた。だが、佐貴子は妹の佐江子だけでなく親とも絶縁しており、出席するつもりはないというのだ。娘の加奈が出たいというため、止む無く竹中夫人と三郎が小崎夫妻の代理で付き添うことになった。

加奈の母親である佐貴子は、妹の佐江子に婚約者を寝取られ、結婚式の当日に駆け落ちされた過去を持っていた。そのとき佐江子のお腹にいたのが、今回結婚する姪の静香なのだ。
会場に着いてみると、ウエディングラウンジは、礼服の人で溢れてかえっていた。
当日行われる２組の結婚式のうち、先に行われる筈の式の花嫁逃げ出したらしい。もう１組の静香の方は、花婿の元カノが控え室に押しかけて来て大混乱となっていた。かくして当日行われる予定だった２組の結婚式は、どちらもドタキャンになり、２人の不幸な花嫁が誕生したのであった。果たして２組のカップルに「本当は」何があったのだろうか、三郎の推理が冴える。

３．昨日がなければ明日もない
超の付く自己中心なシングルマザー。彼女１人のために人生を狂わされてしまった不幸な家族の話。

杉村三郎シリーズ(既読)
１巻．誰か (wikipedia→ 誰か )
２巻．名もなき毒 (Wikipedia → 名もなき毒 )
３巻．ペテロの葬列 (Wikipedia → ペテロの葬列 )
４巻．希望荘
５巻．昨日がなければ明日もない

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