MANÁとしてのデビューは、"Rock en tu idioma(ロック・エン・トゥ・イディオマ、「君の言葉でロックを」)"と呼ばれるスペイン語ロック・ムーヴメントの中で起こった。セルフタイトルのデビューアルバム(『MANÁ』)は、それなりの成功を収めたものの、絶大な人気を獲得することはなかった。だが、2枚目のアルバム(『ファルタ・アモール(Falta Amor)』)は、1990年の発売から約1年間の国内ツアーを経て人気に火がつき、一躍、メキシコ国内はもちろん南米市場でも成功を収める契機となった。
この人気を押し上げる役割を果たしたのが、同アルバムからのシングル曲「ラジャンド・エル・ソル(Rayando el sol)」である。90年代に繰り返しラジオ等で流れた結果、00年代も末の現在では、メキシカン・ロックのクラシックとしての地位を確立した。20年近くを経て、自国産ロックで育った若者も中年へと差し掛かり、もはや若者だけでなく、一定世代以下のメキシコ人にとっては、誰でも知っているような親しみのある曲になった。