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実力発揮のソロ第1作 アマイア・モンテロ(またはモンテーロ,Amaia Montero)は、スペインの女性シンガーで、1990年代に音楽界で名を知られるようになった。スペイン北部のサン・セバスチャンで結成されたバンドにヴォーカリストとして1996年に加入し、このグループ(ラ・オレハ・デ・バン・ゴッホ,La Oreja de Van Gogh)は国内だけでなく、国際的にも大きな成功を収めた。 10年ほどのバンドでの活動後、アマイアはこのバンドを去ることになり、ソロ・アーティストとしての道を歩み始める。2007年末から制作を始め、翌2008年11月にリリースされたのが、セルフタイトルの本盤『アマイア・モンテロ(Amaia Montero)』だった。ソロ・デビュー盤とはいえ、既に大物シンガーとして知られている人物による作品であり、スペインでアルバムチャート1位になったほか、スペイン語圏諸国(アルゼンチン、チリ、ウルグアイなど)でトップ10入りするヒットとなった。 冒頭の1.「キエロ・セール」は、先行シングルとしてヒットし、スペインのチャートで1位となる成功を収めた。本盤収録曲の中でもインパクトが強く、彼女のヴォーカルのよさが存分に発揮されている。筆者的には、このコケティッシュな声と歌のうまさに一発でノックアウトされるといったナンバーである。 これ以外に特に聴き逃がせない曲としては、2.「ミランド・アル・マール」、4.「407」、6.「ニ・プエド・ニ・キエロ」、9.「ラ・バイーア・デル・シレンシオ」、11.「ポル・トダ・ウナ・ビーダ」なんかが筆者の好みとしては挙げられる。アルバムのコンセプト性やストーリー性という意味では特に秀でたアルバムというわけではないかもしれない。けれども、個々の楽曲のヴォーカルの素晴らしさは、この声質が好みに合うならば“どハマり”する人が続出しそうな作品だと言えるように思う。日本では南欧系ポップ・アーティストの作品に触れる機会はあまりないけれど、私的にはかなりお気に入りのヴォーカリストだったりする。[収録曲]1. Quiero ser2. Mirando al mar3. 4"4. 4075. Tulipán6. Ni puedo ni quiero7. Te falta rock8. Círculos9. La bahía del silencio10. Te voy a decir una cosa11. Por toda una vida2008年リリース。 【中古】 【輸入盤】Amaia Montero/AmaiaMontero(アーティスト) 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2024年11月05日
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人気絶頂期の好盤 フォビア(Fobia)は、1987年にメキシコシティで結成されたロック・バンドで、10年ほど活動した(後に2003年以降、再結成して活動を継続中)。1990年にデビュー作を発表してから、順調にキャリアを重ねていく中で第4作として1995年に発表されたのが、この『アモール・チキート(Amor chiquito)』だった。本盤の大ヒットによって、フォビアはメキシコの人気バンドとしての位置を不動とものにした。 好曲が多く並び、曲と演奏の完成度もそれまでの作品よりさらに高まっている。筆者の好みで特にいいと思うのは、冒頭の1.「レボルシオン・シン・マノス」。ラテン系ロックらしいリズム感に対し、オーソドックスな曲展開という、非常にバランスの取れた好曲だと思う。 上記1.のほかに、この当時にヒットし、後々もメキシカン・ロックの定番曲になったナンバーとしては、4.「イプノティサメ」と6.「ベネノ・ビル」が収められている。前者はバラード風で、この曲とこれに続く1分足らずのインストの5.「アイ・カン・ブギ」は、アルバム全体の中では、ロック一辺倒ではなく、緩急をつけて聴き手を飽きさせない工夫が感じられる。もう一つの6.「ベネノ・ビル」は、裏拍を巧みに使いながら一気に突っ走るロック調のナンバーで、現在では、メキシカン・ロックの定番曲の一つになっている。 以上の目立ったナンバー以外に、筆者のお気に入りをさらにもう少し挙げておきたい。3.「ベスティーダ・パラ・マタール」は万人向けではないかもしれないが、音の面でも工夫が多く、筆者としては本盤を初めて聴いた時から気になった曲だったりする。10.「ビボ」と11.「カサ・バシーア」は、上記の4.や5.と同じく、アルバムの中では少し流れを変える役割も担っている楽曲。個人的には、10.のサビが妙に頭から離れなくなるナンバーで気に入っている。最後に、アルバムを締めくくる12.「エストレージャス・エン・ラ・パンサ」は、1分ほどのエピローグ的なテーマだが、アルバムそのものには曲名は記載されておらず、隠しトラックになっている。[収録曲]1. Revolución sin manos 2. Descontrol3. Vestida para matar4. Hipnotízame5. Ai kan bugui6. Veneno vil 7. Mira tete8. Sin querer9. Casi amor10. Vivo11. Casa vacía12. Estrellas en la panza 1995年リリース。 ↓こちらはベスト盤です。↓ ROCK LATINO (REMASTER)[輸入盤]/FOBIA[CD]【返品種別A】 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2024年09月05日
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メキシコ伝統音楽へのチャレンジ ユリディア(Yuridia)は、TVショウをきっかけに歌のシンデレラ・ガールとして注目され、『天使の声(ラ・ボス・デ・ウン・アンヘル)』および同盤に収められたシングル・ヒットの「アンヘル」でデビューし、一気に人気を得た。その後、着実にアルバム制作を続ける一方、私生活では結婚し、2人の子に恵まれている。そんなユリディアがキャリア17年にして、新たな音楽性を志向したのが、2022年の『パ・ルエゴ・エス・タルデ(Pa’luego es tarde)』である。2015年の『6』以来、7年ぶりのアルバム発表だった。 ポップ界で成功したシンガーが伝統音楽にチャレンジするというのは、メキシコの音楽業界では必ずしも珍しいことではない。とはいえ、上述のようなデビュー当時を思えば、貫禄もついてきた(失礼!)彼女がマリアッチ楽団と一緒にジャケット写真に収まり、これまでとは大きく異なる方向性の楽曲を歌いこなすというのは、なかなかインパクトがあったと個人的には思う。 内容的には、マリアッチ、ランチェラ、コリードといったメキシコ伝統音楽をユリディアが歌い上げるといったものである。ところどころポップ歌手っぽさが残っていなくもないが、全体としては堂に入ったヴォーカルで、デビュー以来磨いてきたヴォーカル力が活かされている。 収められた14曲のうち、4.「イ・ケ・タル・シ・フンシオナ」は、シナロアのバンドであるバンダMSとの共演。7.「メ・アセ・タント・ビエン」は、本盤のアレンジやプロデュースも担当したエデン・ムニョスとのデュエット、10.「ケ・アゴニーア」は、ペペ・アギラールの娘でロサンゼルス出身のシンガーであるアンヘラ・アギラールとのデュエットとなっている。 個人的に気に入っている曲をいくつか挙げると、まず、冒頭の1.「アルマ・エナモラーダ」はインパクトがあって外せない。バンダMSとの共演の4.「イ・ケ・タル・シ・フンシオナ」は、ユリディア自身がすっかり伝統音楽ジャンルに溶け込んでいる感じがいい。6.「エンピエサ・ア・プレオクパールテ」は彼女の声に馴染むサビのメロディが印象的。9.「ブルヘリーア」もすっかり雰囲気にヴォーカルが乗り切っている。12.「ノ・ソン・オラス」はもう少しコブシの入った歌い方があってもよかったように思うけれども、好演奏にできあがっている。現時点(2024年時点)でこれがまだユリディアの最新作であるが、この路線を続けていくとすれば、将来のアルバムにも期待が持てると思わせてくれるアルバムと言えるように思う。[収録曲]1. Alma enamorada2. Y tú, ¿qué ganas?3. ¿Con qué se pega un corazón?4. ¿Y qué tal si funciona?5. Te dejo6. Empieza a preocuparte7. Me hace tanto bien8. Si no piensas cambiar9. Brujería10. Qué agonía11. Aquí ya nadie te extraña12. No son horas13. Por salud mental14. Te estabas tardando2022年リリース。 ↓別盤(ライヴ盤)です。↓ 【輸入盤CD】【新品】Yuridia / Primera Fila 【K2018/11/2発売】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2024年08月18日
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サビーナの魅力に満ちた好盤 フランコ体制下で英国へ亡命して詩を学んだホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)は、1977年にスペインに帰国し、詩人かつシンガーソングライターとして活動した。1992年にリリースされた本盤『フィシカ・イ・キミカ(Física y química)』は、1978年のデビュー盤から数えて8枚目のスタジオ作となった。 表題の『フィシカ・イ・キミカ』というのは、スペイン語で“物理と化学”の意味。この難解にも見える表題とは裏腹に、シンガーソングライターとしてノリにノッているサビーナが堪能できる盤で、クオリティも高い。余談ながら、この盤は、2012年にソニー・メキシコが発表した“世界の終わりまでに聞いておくべき100枚”にも選出されている。 オープニングを飾る1.「イ・ノス・ディエロン・ラス・ディエス」は、シングルとしても成功を収めたナンバー。いきなりラテン・トラディショナル風の曲調のナンバーでアルバムが始まるが、これがアルバム全体のトーンというわけではない。全体としては、ロック/バラード調の曲が中心となっている。 そんな中で、名曲度という観点で言えば、詩人としての語り口が冴える3.「ジョ・キエロ・セール・ウナ・チカ・アルモドバル」が抜きんでている。曲とヴォーカルのカッコよさという点では、5.「トドス・メノス・トゥ」がおすすめ。正統派のロック・チューンとしては、6.「ラ・デル・ピラータ・コホ」がいい。 最後に、彼が得意とする詩人的バラード系のナンバーをもう少し挙げておきたい。9.「ペオール・パラ・エル・ソル」は柔らかい語り口が魅力となっている。一方、10.「アモール・セ・ジャマ・フエゴ」は、美メロを含むこれまた魅力的なナンバーに仕上がっている。全体として詩人/歌手サビーナの魅力がうまく詰め込まれており、この人の作品をまず1枚聴いてみるという向きにもおすすめの好盤だと言えるように思う。[収録曲]1. Y nos dieron las diez2. Conductores suicidas3. Yo quiero ser una chica Almodóvar4. A la orilla de la chimenea5. Todos menos tú6. La del pirata cojo 7. La canción de las noches perdidas8. Los cuentos que yo cuento9. Peor para el sol 10. Amor se llama el juego 11. Pastillas para no soñar1992年リリース。 ↓ベスト盤です(今回紹介の盤ではありません)。↓ 【輸入盤CD】【新品】JOAQUIN SABINA / GRANDES EXITOS: TODOS HABLAN DE TI ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2024年08月15日
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スペイン語ロック曲選・PART 5(その5) 締めくくりの今回は、スペインのアーティストです。ミゲル・リオス(Miguel Ríos)は、1944年、スペイン南部のグラナダ出身のシンガーソングライター。1960年代から活動をしている彼ですが、今回の「サバド・エン・ラ・ノチェ(Sábado en la noche)」は、1980年代のライヴ盤に収録されたナンバーです。元はアルゼンチン出身のモリスというアーティストが1978年にスペインでリリースした楽曲です。まずは、1982年のステージの模様をご覧ください。 続いては、後世のステージでこの曲を披露している場面をご覧いただこうと思います。メキシコのバンド、El Triの活動40周年記念のライヴ(おそらく2008年頃と思われます)で、ミゲル・リオスが彼らと共演している「サバド・エン・ラ・ノチェ」です。 今回はさらにもう一つ。音声だけなのですが、最初の映像のライヴ(1982年)から“40年後”というライヴ企画があり、2023年にアルバムとして発表されました。80歳を目前にしてこの元気な様子は、映像なしでも十分に伝わってきて、驚異の一言です。 [収録アルバム]Miguel Ríos / Rock & Ríos(1982年)Miguel Ríos and Cia / Rock & Ríos, 40 años después(2023年) 【輸入盤CD】Miguel Rios / Rock & Rios: 40th Anniversary (w/DVD)【K2022/11/25発売】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2024年03月06日
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スペイン語ロック曲選・PART 5(その4) メキシコのアーティストが続きますが、今回は女性シンガーで女優としても活躍してきたセシリア・トゥーサン(Cecilia Toussaint)です。1980年代にソロ・デビューした当時のアルバム(『アルピア』)の収録曲である「コラソン・デ・カクト(Corazón de cacto)」というナンバーです。 まずは、上記アルバムに所収のオリジナル・ヴァージョンです。残念ながら映像は動きませんが、若きセシリアの声をお聴きください。 続いては、画質はいまいちなものの、後年の動く映像もご覧ください。何年の映像かはっきりしないのですが、十年以上の前のものと思われます。テレビ出演のステージでの「コラソン・デ・カクト」です。 いい年の重ね方をしている、というのが筆者の印象なのですが、そのセシリアも今年の誕生日を迎えると66歳とのこと。それでも、現在でも彼女は元気にライヴを続けています。昨年(2023年)には、活動45周年記念のライヴを行っているとのことで、まだまだ元気で頑張ってほしいものです。[収録アルバム]Cecilia Toussaint / Arpía(1987年) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2024年03月04日
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スペイン語ロック曲選・PART 5(その3) リラン・ロール(Lira N’ Roll)は、アントニオ・リラ(Antonio Lira,愛称はトーニョ・リラToño Lira)をフロントマンとするメキシコのロック・バンド。1990年代から活動をしていますが、今回の曲は、その長いキャリアの中では比較的新しめの、2017年リリースの盤の表題曲です。「リベーラメ(Libérame)」というのが、そのタイトルです。 アントニオ・リラは、若い頃はほっそりとしていました(というかなよっとした印象すらありました)が、この頃には50歳代に入り、音楽面でも見た目の面でも貫禄が出てきました。 そんな貫録をさらに感じられるライヴ映像をご覧ください。実は全部で2時間半近いコンサート映像なのですが、ちょうどこの「リベーラメ」がオープニング・ナンバーになっていて、最初の4分半ほどがこの曲の演奏シーンです。 [収録アルバム]Lira N’Roll / Libérame(2017年) 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2024年03月02日
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スペイン語ロック曲選・PART 5(その2) ソエー(Zoé)はメキシコのオルタナ・ロックのバンドで、本ブログではこれまでにも何度か取り上げています。今回は、「アルージョ・デ・エストレージャス」と並び、2013年のアルバム『プログラマトン』からのシングル・ヒット曲である「10 A.M.」です。 この「10 A.M.」は、上記アルバムのオープニング・ナンバーで、同盤からの最初のシングル曲としてヒットしました。メキシコ国内のシングル・チャートの最高位は6位という結果を残しています。 さて、この曲には複数の別ヴァージョンが存在します。2015年、『プログラマトン・レビシタード』(レビシタードは英語の“Revisited”の意)というアルバムが出たのですが、そこには二種類のリミックス・ヴァージョンが収められていました。 そのようなわけで、同盤に収録の“ボスコ・デルレイ・ミックス”と“デロレアン・ミックス”の両方をお聴きください。 [収録アルバム]Zoé / Programatón(2013年)Zoé / Programatón revisitado(2015年) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2024年03月01日
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スペイン語ロック曲選・PART 5(その1) 通算5度目となるスペイン語ロック曲選です。これまでと同じように、5回にわけてスペイン語圏のアーティストによるロック・ナンバーを取り上げていきたいと思います。よろしくお付き合いください。 1回目の今回は、ベト・クエバス(Beto Cuevas)というチリ出身のアーティストの曲です。この人は、ラ・レイ(La Ley)というバンドでヴォーカリストとしての活動を経て、その後、ソロ・アーティストとして活躍しています。 そんな彼のソロ第1作に収められたヒット曲、「ブエルボ(Vuelvo)」が今回のナンバーです。2005年にラ・レイが活動を停止し、2008年にソロ・アーティストとしてのキャリアをスタートさせた時期のナンバーです。 続いては、ライヴでこのナンバーを披露している映像をご覧ください。2015年、ラ・ムーサ(La Musa)賞での演奏シーンとのことです。 [収録アルバム]Beto Cuevas / Miedo escénico(2008年) 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2024年02月29日
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900万アクセス記念~いま聴きたいあのナンバー(その28) メキシコのポップ界の大物シンガー、ミハーレス(ミハレス,Mijares)は、2020年に『フェリス・ナビダー』というクリスマス・アルバムを発表しました。個人的にはコロナ禍のクリスマスに繰り返し聴いた思い出のあるアルバムです。 今回は、そんなミハーレスによるクリスマス・メドレーをお聴きいただこうと思います。上記のクリスマス盤には、2種類のクリスマス・メドレーが収められているのですが、まずは「アメリカン・クリスマス・メドレー(Popurrí Navideño de Canciones Americanas)」と題されたものの方をご覧ください。 お聴きのように、「サンタが街にやってくる」を軸としたメドレーになっています。そして、次のもう一つのメドレーは「カンパーナス・デ・ベレン(ベツレヘムの鐘)」から始まるというものです。こちらの方は「スペインのクリスマス・メドレー(Popurrí de Villancicos Españoles)」というタイトルになっています。 還暦を過ぎたミハーレスですが、いずれの映像も彼のパフォーマーとしての貫禄が発揮されたものという風に感じます。[収録アルバム]Mijares / ¡Feliz Navidad!(2020年)↓別盤(クリスマス盤ではないアルバム)です↓ 【中古】Querido Amigo [CD] Mijares & Pedro Infante「1000円ポッキリ」「送料無料」「買い回り」 【中古】 【輸入盤】Estar Sin Ti/Mijares 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2023年12月22日
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900万アクセス記念~いま聴きたいあのナンバー(その22) 前回に続き、今回も「ホワイト・クリスマス」です。スペイン語で歌われていますので、表題は「ブランカ・ナビダー(Blanca Navidad)」(文字通り“白いクリスマス”の意味)です。 歌っているのは、ダニエラ・ロモ(Daniela Romo)という女優、女性シンガー。彼女は、1970年代末から様々なドラマに出演し、1980年代以降は歌手としてアルバムも多くリリースしています。 この曲は言わずと知れたクリスマスの定番曲で、アーヴィング・バーリンが作曲し、1940年代にビング・クロスビーが歌ったものです。このダニエラ・ロモによるカバーは、1980年代に発表されてから、メキシコではクリスマス・シーズンによく聴かれる定番のカバー・バージョンとなっています。 さて、ライヴの映像はないかと探してみたのですが、どうも見当たりません。そんなわけで、苦し紛れではあるのですが、最近(といっても数年前なのですが)のダニエラ・ロモの姿と肉声を映像で見ておく、ということにしたいと思います。2021年、まだコロナ禍が続いていた時のダニエラ・ロモからのクリスマス・メッセージです。 [収録アルバム]V. A. / Eterna Navidad(1986年) ↓ベスト盤(この曲は含まず)です。↓ 【中古】 Serie De Oro: Grandes Exitos Daniela Romo / Daniela Romo / EMI Argentina [CD]【メール便送料無料】【あす楽対応】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年12月14日
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900万アクセス記念~いま聴きたいあのナンバー(その15) さて、今回はがらりと趣向が変わり、1970年代のヒットチャートを賑わせた異色曲です。スペイン北部(バスク地方)出身のグループで、1967年に結成されたモセダデス(Mocedades)が歌った「エレス・トゥ(Eres tú)」という曲です。 1973年、ヨーロッパで賞を取って人気曲となった勢いで、翌年、米ビルボードのチャートで9位となる快挙を成し遂げました。今でこそ多国籍なヒットは当たり前のような世の中になりましたが、半世紀前の世界では大偉業でした。 まずは、原曲(と言ってもリマスターされたものですが)をお聴きください。 上記のようなヒットのおかげで、この曲は世代を超えて愛されるナンバーとなりました。モセダデスというグループも長寿となり、一時は活動が止まった期間もありますが、現在まで続いています。45年以上を経て、“年季も入った”モセダデスの歌唱をご覧ください。 [収録アルバム]Mocedades / Mocedades 4(1973年)その他、各種ベスト盤にも収録。 Mocedades - Esencial Mocedades CD アルバム 【輸入盤】 【中古】 Mocedades / Eres Tu: Todos Los Grandes Exitos 【CD】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年12月05日
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900万アクセス記念~いま聴きたいあのナンバー(その7) 今回はラテン系のポップ・ナンバーです。もう5年以上前のことになりますが、メキシコの大物女性シンガー2人が一緒にアルバム(『べルスス(Versus)』)を吹き込み、その後、ツアーを行うという企画がありました。 アレハンドラ・グスマン(Alejandra Guzmán)は1990年代に人気を伸ばし、2000年代に入ってからはラテン・グラミーも受賞したシンガー。グロリア・トレビ(Gloria Trevi)の方も1990年代に大人気を博し、その後は警察沙汰にもなるトラブルで世間を騒がせました。ご両名はともに1968年生まれなのですが、50歳になろうかというタイミングで、“アラフィフ”女性シンガー2人が弾けて共演するという驚きな企画だったわけです。 この共演企画盤からシングルカットされた「マス・ブエナ(Más buena)」のPVをご覧ください。最初に登場するの(黒髪の方)がアレハンドラ・グスマン、次に登場するの(金髪の方)がグロリア・トレビです。なお、熟女の露出が苦手な方には若干注意の映像です(笑)。 この共演、単なるゲテモノ企画に過ぎなかったのかというとそんなことはありませんでした。アルバムはメキシコのチャートで1位、米ラテン・ポップのチャートでの1位というヒットになったわけです。さらに、アルバムをリリースした2017年から2018年にかけては、アメリカ、カナダ、南米などを巡る“ワールド・ツアー”を敢行しました。こちらも人気を博し、ライヴ盤もリリースされて商業的にも成功しました。その人気ぶりがうかがえる同ライヴのステージ(メキシコ市アリーナでのライヴ映像)もご覧ください。 [収録アルバム]Gloria Trevi y Alejandra Guzmán / Versus(2017年)Gloria Trevi y Alejandra Guzmán / Versus World Tour (En vivo desde Arena Ciudad de México)(2017年) 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”お願いします! ↓ ↓
2023年11月25日
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こなれてきたとはいえ、今から見ればまだまだ若さいっぱいの好盤 ラウラ・パウジーニ(Laura Pausini)は、1974年、北イタリア出身の女性シンガー。1993年にイタリア語で歌った作品でメジャー・デビューしたが、翌年にスペイン語でアルバム(参考過去記事)を発表すると、一気に国際的アーティストとして受け入れられるようになった。 その後、イタリア語版とスペイン語版双方がリリースされた『ローラの休日(Le cose che vivi/Las cosas que vives)』を挟み、1998年に同じくイタリア語版とスぺイン語版の両方でリリースされたのが、本盤『私のこたえ(La mia risposta/Mi respuesta)』だった。ここではスペイン語版の方を取り上げたい。 リリース当時にこのアルバムを聴いたとき、個人的な感想としては、“ラウラも貫禄がついてこなれてきたのかな”と思った。でも、四半世紀ばかりたった今になってこのアルバムを聴くと、やはり若々しい。年齢にすれば、当時24歳。とはいえ、外国語であるスペイン語でのアルバムは既に3作目。そんなわけで、いくぶん余裕の出始めた、しかしまだ若々しさも残る歌唱というのが、この盤の印象と言える。 筆者の好みの曲をいくつかおすすめとして挙げておきたい。表題曲の1.「ミ・レスプエスタ(私のこたえ)」は、“私のこたえは、あなた一筋”といった内容の女性の心を歌ったナンバー。3.「アナ・ディメ・シー(愛しいアナへ)」は、本番収録曲中で個人的にはいちばんのおすすめで、スロウテンポでじっくり聞かせるタイプの曲。ついでバラード的な歌唱として気に入っているのは、8.「エン・アウセンシア・デ・ティ(寂しい日々)」と11.「素直な気持ち」の2曲。ついでながら、ボーナストラックの13.「ルッキング・フォー・アン・エンジェル」は、表題のとおり英語での歌唱となっている。[収録曲]1. Mi respuesta2. Quédate esta noche3. Emergencia de amor4. Ana dime sí5. Una historia seria6. Como una danza7. Me siento tan bien8. En ausencia de ti9. Sucede a veces10. ¿Tú con qué sueñas?11. Una gran verdad12. Felicidad13. Looking for an Angel1998年リリース。 ↓イタリア語版↓ 輸入盤 LAURA PAUSINI / LA MIA RISPOSTA [CD] 【中古】 La Mia Risposta ラウラ・パウジーニ / LAURA PAUSINI / EASTW [CD]【メール便送料無料】【あす楽対応】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年07月09日
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サビーナ曲選(その5) スペインのシンガーソングライター、ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)の楽曲を5回に分けて取り上げてきました。今回はひとまず区切りの5回目です。 今回の曲は、「アオラ・ケ…(Ahora que…)」です。1999年の『19ディアス・500ノチェス』に収録されたナンバーです。この曲の表題は、スペイン語で“~なんだから”といったような意味合いで、同じ出だしの語句をもとにして様々なフレーズを紡いでいくというのは、ある意味、詩人サビーナとしての真骨頂と言えるのかもしれません。 さて、最後は2015年のライヴ映像です。アルゼンチンのブエノスアイレスのルナ・パークでのライヴ演奏で、アルバムとしてもリリースされた音源をお聴きください。 ホアキン・サビーナの名曲選、ひとまずはこれで一区切りとします。[収録アルバム]Joaquín Sabina / 19 días y 500 noches(1999年)Joaquín Sabina / 500 noches para una crisis(2015年) ホアキンサビーナ Joaquin Sabina - 19 Dias y 500 Noches CD アルバム 【輸入盤】 【輸入盤CD】Joaquin Sabina / 500 Noches Para Una Crisis (Bonus DVD) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年06月24日
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サビーナ曲選(その4) ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)は、スペインの首都マドリードについての感情を語ったナンバーを書いています。以前に取り上げた「ジョ・メ・バホ・エン・アトーチャ」はその一つです。今回は、それとは別の、「ポンガモス・ケ・アブロ・デ・マドリー(Pongamos que hablo de Madrid)」という曲を取り上げたいと思います。“マドリードの話をしてみようか”といった意味合いの表題です。 なんだか観光協会の映像みたいな雰囲気に仕上がっている映像ではあるのですが、まずは、実際のマドリード市内各地の場所や人の様子とともに、この曲をお聴きください。上下にスペイン語の詞とその英訳も表示されています。 サビーナはスペイン南部、アンダルシア州の出身です。首都であるマドリードに寄せる想いは、日本に置き換えると、東北などの地方から出てきた人が東京についての想いを歌ったり、詞に表現したりする(東京に限らず、九州から来た人が大阪について歌う、なんてパターンもあるかと思います)というのに似た感じなのかなと思ったりします。 続いての映像は、1986年のライヴ盤に収められた「ポンガモス・ケ・アブロ・デ・マドリー」の映像です。サビーナが30歳代後半だったころの姿です。 [収録アルバム]Joaquín Sabina / Malas compañías(1980年)Joaquín Sabina / Joaquín Sabina y Viceversa en directo(1986年) ホアキンサビーナ Joaquin Sabina - En Directo (Colored Vinyl) LP レコード 【輸入盤】 ホアキンサビーナ Joaquin Sabina - Malas Companias - Picture Disc LP レコード 【輸入盤】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年06月21日
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サビーナ曲選(その3) 今回のホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)のナンバーは、1996年リリースのアルバム『ジョ・ミ・メ・コンティーゴ』に収録された1曲です。 サビーナは詩人としても活動してきました。そういう意味で、この曲は彼の詩人らしさがよく表されている1曲ともいえるのかもしれません。 さて、続いての映像は、2007年のライヴのものです。この年、サビーナは同じくスペイン出身のシンガーソングライター、ジョアン・マヌエル・セラ―とのプロジェクトとして、二人の名義でのコンサート・ツアーを行いました。スペインだけでなく国外(メキシコ、ベネズエラ、チリ、アルゼンチンなど)もまわる大掛かりなもので、半年間で72公演をこなしたそうです。ライヴ作品化されたこのコンサートからの映像が次のものです。 [収録アルバム]Joaquín Sabina / Yo, mi, me, contigo(1996年)Joan Manuel Serrat y Joaquín Sabina / Dos pájaros de un tiro(2007年) 【輸入盤LPレコード】Joaquin Sabina / Yo Mi Me Contigo【LP2019/5/10発売】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年06月17日
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サビーナ曲選(その2) ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)の曲選の続きです。今回は、1999年に発表された「ア・ミス・クアレンタ・イ・ディエス(A mis cuarenta y diez)」という楽曲です。彼は、1949年の生まれですから、ちょうど50歳を迎える時に発表されたナンバーということになります。曲のタイトル(“40+10歳”)というのは、“永遠の40歳”であるサビーナが50歳を迎えたときの心情をつづったものということのようです。 まずは、1999年リリースの『19日と500夜』という盤に収録された演奏と歌唱をご覧ください。 続いては、同じくライヴでの演奏ですが、ずっと後の2015年のライヴ作に収録のものをご覧いただこうと思います。年齢で言うと、40+10どころか、40+20(60歳)をとっくに過ぎたタイミングでの映像ということになります。個人的には、この人は、21世紀に入って(つまりは40歳を超えて)、シンガーとしての円熟度をどんどんまして魅力が高まっていったというふうに感じています。 歳月が流れ、74歳になった今もサビーナは現役続行中です。まだまだ魅力ある歌をステージで聴かせてもらいたいものです。[収録アルバム]Joaquín Sabina / 19 días y 500 noches(1999年)Joaquín Sabina / 500 noches para una crisis(2015年) Joaquin, Sabina - 19 Dias y 500 Noches CD アルバム 【輸入盤】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年06月14日
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サビーナ曲選(その1) ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)は、1949年、スペイン南部のハエン県出身のアーティスト。シンガーソングライターとしてのみならず、詩人や画家としても活躍してきた人物です。彼の楽曲はこれまで何度か散発的に取り上げてきているのですが、今回は“サビーナ曲選”として数回にわたってまとめて取り上げたいと思います。 最初のナンバーは「アシー・エストイ・ジョ・シン・ティ(Así estoy yo sin ti)」です。1987年発表のアルバム『オテル・ドゥルセ・オテル』に収められたナンバーで、筆者のお気に入り曲の一つです。まずは、元のヴァージョン(ビデオクリップ)をご覧ください。 続いて映像をもう一つ。リリース当時の1987年のステージでの様子で、TV出演時の歌唱をご覧いただこうと思います。 本邦ではあまり馴染みのないアーティストですが、何回かにわたって、しばしお付き合いいただければと思っています。[収録アルバム]Joaquín Sabina / Hotel, dulce hotel(1987年) ホアキンサビーナ Sabina, Joaquin - Esencial Joaquin Sabina CD アルバム 【輸入盤】 Sabina, Joaquin - Puro Sabina CD アルバム 【輸入盤】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年06月12日
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冴える円熟のヴォーカル ビクトル・マヌエル(Víctor Manuel)こと本名ビクトル・マヌエル・サン・ホセ・サンチェス(Víctor Manuel San José Sánchez)は、1947年、スペイン北部のアストゥリアス出身のシンガーソングライター。本ブログでは何回も記事にしていて、筆者のお気に入りのヴォーカリストである。 そんな中でも特に筆者は、1990年代~2000年代にかけての頃、言い換えれば、40歳代~50歳代頃の円熟期の彼の作品がとりわけ筆者は気に入っている。この時期にドンピシャの作品の一つが、本盤『カダ・ウノ・エス・コモ・エス(Cada uno es como es)』である。本作の前の『シン・メモリア』(1996年)も、後に出た『エル・イホ・デル・フェロビアリオ』(2001年)もよかったが、1999年リリースの本作もまた、この時期の彼の円熟のヴォーカルが冴えわたっている。 個人的に気に入っている曲をいくつか挙げてみたい。1.「ムヘール・デ・ウモ(煙の女)」は、叙情的な曲調と彼のヴォーカルの特性がぴったりとマッチしている。2.「ビエネン・デル・スール」はサビのメロディが筆者的にはツボにはまっている。表題曲の3.「カダ・ウノ・エス・コモ・エス」は、やや肩の力の抜けた歌唱がいい。8.「シ・エジャ・ノ・メ・キシエラ」はラテン調な演奏がいいアクセントになっている。10.「メ・グスタ・サベール・デ・ティ」もラテン調な演奏を含むが、ヴォーカルと声のよさが際立った1曲となっている。 他の過去記事にも書いているように、筆者はビクトル・マヌエルの“声”に魅了されてしまっている。そして、この盤もまた、その声のよさに惚れ惚れしてしまう作品であったりする。[収録曲]1. Mujer de humo2. Vienen del sur3. Cada uno es como es4. Boca que busca boca5. Al cabo del tiempo6. Algunos pasan de todo7. Pájaros negros8. Si ella no me quisiera9. Donde caben dos10. Me gusta saber de ti11. Tierra mía12. Nuestros nombres1999年リリース。 ↓別の盤(ベスト盤、ライヴ作など)です。↓ Belen, Ana / Manuel, Victor - Esencial Ana Y Victor CD アルバム 【輸入盤】 【輸入盤CD】Victor Manuel / La Vida En Canciones【K2023/1/13発売】 Manuel, Victor - La Vida En Canciones CD アルバム 【輸入盤】 【中古】 Ana Belen / Mucho Mas Que Dos 輸入盤 / Belen, Ana / Manuel, Victor / Imports [CD]【メール便送料無料】【あす楽対応】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年04月30日
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アルゼンチン人ロッカーによる円熟の好ライヴ盤 ミゲル・マテオス(Miguel Mateos)は、1954年ブエノスアイレス出身のアーティストで、“スペイン語ロック界のボス”とも呼ばれる。1970年代末から1980年代にかけて、アルゼンチンはもとより、スペイン語圏でのロックの普及と発展に寄与した主要アーティストの一人である。 その頃の彼は、見た目も細く、とがった印象もあった。けれども、20~30歳代の頃とは違い、年齢を重ねて50歳代となった彼のこのライヴ盤は、かつてとは異なる円熟味を非常にいい意味で示すことに成功した作品になったと思う。 収録曲は、キャリアの集大成といわんばかりの選曲である。2.「ジャマメ・シ・メ・ネセシタス」、12.「アタード・ア・ウン・センティミエント」、14.「クアンド・セアス・グランデ」など、ヒット曲や有名曲が目白押しである。さらに注目なのは、大物アーティストをゲストに迎えて代表曲を披露している点。9.「ソロス・エン・アメリカ(孤独のアメリカ)」では、スペインの実力派女性シンガー、マルーとデュエットし、15.「オブセシオン」では、メキシコの人気バンドのREIKと共演している。 本ライヴ盤は、2010年にメキシコ市内で行われたものを音源としており、ミゲル・マテオスの人気がアルゼンチンにとどまるわけではないことがわかる。各曲の彼の歌唱を聴くにつけ、ある種、勢いに任せる部分も多かった若い頃に比べ、本ライヴ盤では、円熟と貫禄が全体の雰囲気を支配している。大袈裟に言うわけでもなんでもなく、個人的感想を正直に言えば、“こういうロックおやじになりたい”と思わせてくれる盤でだった。もちろん、筆者的には二重丸を付けたくなる好ライヴ盤というわけなのである。[収録曲]1. Solo una noche más2. Llámame si me necesitas 3. Perdiendo el control4. Cuando despierte mañana5. Un poco de satisfacción6. Extra, extra7. Un gato en la ciudad8. En la cocina, huevos9. Solos en América (Con Malú) 10. Borracho y sentimental11. Lola12. Atado a un sentimiento 13. Rock libre14. Cuando seas grande 15. Obsesión (Con Reik)16. Tira para arriba2011年リリース。 【輸入盤CD】Miguel Mateos / Primera Fila (ミゲル・マテオス) 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年04月09日
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バンド絶頂期における、オーケストラとの共演ライヴ盤 EL TRI(エル・トリ)は、現代メキシカン・ロックの草分け的存在で、1980年代以降、現在に至るまでメキシコのロック・シーンに君臨してきた現役バンドである。そんな彼らが時代を切り開き先導していったのが1980年代だとすれば、トップバンドとして引き続き時代を引っ張っていったのが1990年代だったと言えるだろう。そうした1990年代の末に録音され、なおかつ一風変わったライヴ盤となったのが、この『シンフォニコ(Sinfónico)』というアルバムだった。 本盤のスペイン語の原題である“シンフォニコ”というのは、英語の“symphonic”と同じ単語に当たる。つまるところ、交響楽団との共演ライヴというわけである。メトロポリタン交響楽団(メキシコ市交響楽団)の演奏をバックに、メキシコシティの国立オーディトリアム(アウディトリオ・ナシオナル)で1998年10月12・13日に収められたライヴ音源をアルバム化したもので、このバンドのライヴ盤としては4作目のものとなった。 収められている楽曲は、1970年代のスリー・ソウルズ・イン・マイ・マインド(前身となるバンド)時代の代表曲から、1980年代の代表曲、さらには本盤と同じ年にリリースされた『フィン・デ・シグロ』の収録曲まで、いわばヒット・メドレー的なもの。ただし、演奏は上述のようにオーケストラをバックにロックするという異色のスタイルで全編が統一されている。 聴きどころ満載で、捨て曲なしのライヴ盤ではあるのだけれど、あえて注目曲をいくつか挙げてみたい。間を持たせつつアレックス・ローラのMCから始まる1.「ビルヘン・モレーナ(褐色の聖母)」は、本ライヴの数年前のヒットアルバム(参考過去記事)所収のナンバーで、メキシコ人から国民的信仰を集める聖母マリアをテーマにしたもの。5.「ラス・ピエドラス・ロダンテス(転がる石)」と11.「ポブレ・ソニャドール(悲しき夢見人)」は個人的にお気に入りのナンバーで、別アレンジで聴けて(というか何度も聴いているのだけれど)感激する。上述のように古いナンバーから新しいナンバーまで散りばめられているが、6.「エル・ニーニョ・シン・アモール(愛なき子)」や10.「トリステ・カンシオン(哀しき愛の歌)」https://plaza.rakuten.co.jp/blogmusica/diary/201004240000/はEL TRI初期の代表曲で、他方、8.「クアンド・トゥ・ノ・エスタス(君がいないとき)」や9.「ノスタルヒア(世紀末の郷愁)」は1990年代の代表曲。アルバムを締めくくる12.「A.D.O.(アー・デー・オー)」は、彼らの古典的ナンバーにしてMCの聴かせどころでもある。特殊な演奏形態ということで、最初に聴くアルバムではないだろうと思うけれど、このバンドの作品を何枚か聴いた経験のある人には絶対に外せない盤と言えるかもしれない。なお、これで味をしめたのか、本盤の続編(『シンフォニコ2』、『シンフォニコ3』)も後年にリリースされている。[収録曲]1. Virgen morena2. Mente roquera3. María Sabina4. Los minusválidos5. Las piedras rodantes 6. El niño sin amor7. Difícil8. Cuando tú no estás 9. Nostalgia10. Triste canción 11. Pobre soñador12. A.D.O. 1999年リリース。 ↓いずれも別盤です。↓ 【中古】 El Tri / Sinfonico 2 輸入盤 / El Tri / Warner Music Latina [CD]【宅配便出荷】 【中古】 Un Cuarto De Siglo / El Tri / El Tri / Warner Music Latina [CD]【宅配便出荷】 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2023年03月14日
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晩年の2枚組ライヴ盤 ルイス・エドゥアルド・アウテ(Luis Eduardo Aute)は、スペイン人のシンガーソングライター、作曲家で、画家や映画監督としても活躍した。スペイン出身の両親のもと、1943年にフィリピンのマニラで生まれ、シンガーとしては1960年代後半にデビューした。2020年に亡くなるまで、30枚ほどのアルバム(コンピ盤・ベスト盤を除く)を残した。 本盤『デ・ラ・ルス・イ・ラ・ソンブラ(De la luz y la sombra)』は、そんな彼の足跡を辿ることのできる晩年のライヴ盤である。マドリードとメキシコシティでの公演からの収録で、2枚組CDに計34曲というヴォリュームである(余談ながらLPレコードでも発売されていて、そちらは4枚組とのこと)。 多くの楽曲が収められているとはいえ、長いキャリアの集大成的な名曲集のような感じである。個人的な好みから、いくつかの曲を挙げておきたい。1枚目の3.「ロサス・エン・エル・マール(海の薔薇)」は、アウテの初期の代表曲の一つ。4.「アレルヤNo. 5」は、同じく初期の1967年のシングル曲に端を発する「アレルヤ」の異バージョンの一つ。7.「アファ・カフェ」は、彼らしいメロディと曲展開、そして抒情性が筆者的にはお気に入り。1枚目の後半には、とりわけ弾き語り詩人としての彼のよさの出たナンバーが多く含まれているが、個人的に13.「デントロ」が特に気に入っている。 2枚目にもついても少しだけ触れておく。8.「シン・トゥ・ラティード(君の鼓動なくしては)」は1984年のアルバムで発表されたナンバーで、アウテの代表曲の一つ。16.「デ・ラ・ルス・イ・デ・ラ・ソンブラ(光と影)」は本ライヴ盤の表題になっているナンバー。元は2007年のアルバムに収められた曲で、昼と夜が順にめぐる地球をテーマにしたもの。2枚目ラストの17.「アル・アルバ(夜明けに)」は、複数のアーティストが取り上げた有名曲で、作者であるアウテ自身の代表曲。文字通り本盤のハイライトとなっていて、伴奏なしの熱唱が印象的かつ感動的である。 2020年、アウテが亡くなった原因は新型コロナ感染症だった。この年、日本でも世界でも亡くなった方の中にはいろんな有名人がいたが、76歳でのこの人物の逝去もまた多くの人たちに惜しまれた。彼の声はもう新たには聴けないけれど、この盤のような歌声は聴かれ続けてほしいアーティストだと心から思う。[収録曲]-CD I-1. Me va la vida en ello2. De paso3. Rosas en el mar4. Aleluya nº 55. Pasaba por aquí6. Siento que te estoy perdiendo7. Hafa café 8. Dos o tres segundos de ternura9. Imán de mujer10. Volver a verte11. Slowly12. Alevosía13. Dentro14. Las cuatro y diez15. De alguna manera16. Anda17. No te desnudes todavía-CD II-1. Quiéreme2. Mojándolo todo3. Cine, cine4. Prefiero amar5. Una de dos6. Queda la música7. El niño que miraba el mar8. Sin tu latido 9. Todo es mentira10. Señales de vida11. Atenas en llamas12. Cada vez que me amas13. A día de hoy14. La belleza15. Albanta16. De la luz y la sombra17. Al alba2018年リリース。 ↓ ベスト盤です。 ↓ 【輸入盤CD】Luis Eduardo Aute / Esencial Luis Eduardo Aute【K2021/6/25発売】 Aute Luis, Eduardo - Grandes Exitos CD アルバム 【輸入盤】 ブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年03月10日
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クリスマス・ソング選2023(その6) 前回の曲名もそうだったのですが、“ナビダー(Navidad)”というのは、スペイン語で“クリスマス”という意味です。でもって、メキシコの有名男性シンガールイス・ミゲル(Luis Miguel)の「ナビダー・ナビダー(Navidad, Navidad)」が今回のナンバーです。 表題だけからでは想像しにくいですが、この「ナビダー・ナビダー」は、皆によく知られたナンバー。早い話が「ジングル・ベル」です。とりあえずは、ルイス・ミゲルによるノリのいいスペイン語での「ジングル・ベル」をお聴きください。 この曲は、ルイス・ミゲルが2006年に発表したクリスマス・アルバム『ナビダーデス』に収録されています。よろしければ、この盤の過去記事、さらには同盤所収の別の曲の過去記事(こちらとこちら)もご覧ください。[収録アルバム]Luis Miguel / Navidades(2006年) ↓同じアーティストによる別の盤です↓ 【輸入盤CD】Luis Miguel / Mis Romances (ルイス・ミゲル) 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2022年12月21日
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クリスマス・ソング選2023(その5) 今回は、スペイン人シンガーソングライターの2人によるクリスマス曲です。一方のジョアン・マヌエル・セラー(Joan Manuel Serrat)はバルセロナ出身。もう一方のホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)はスペイン南部アンダルシア地方の出身です。この2人による「クリスマス・ソング(Canción de Navidad)」をお聴きください。 背景写真が気になったという人もいるかもしれませんが、セラーとサビーナの顔が半分半分という写真です(向かって左がホアキン・サビーナ、右がジョアン・マヌエル・セラーです)。 この2人はライヴやアルバムで幾度もコラボレーションを実現しています。今回のこのナンバーは、2012年の“セラー&サビーナ”名義の『ラ・オルケスタ・デル・ティタニック』というアルバムに収録されています。[収録アルバム]Serrat & Sabina / La orquesta del Titanic(2012年) ↓こちらはアナログ(LP)盤です↓ Serrat & Sabina - La Orquesta Del Titanic LP レコード 【輸入盤】 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2022年12月19日
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クリスマス・ソング選2023(その1) 街に出れば、クリスマス向けの曲があちらこちらから聞こえてくる時期になりました。本ブログでも、クリスマス曲をいくつか取り上げてみたいと思います。 最初は、陽気なラテンのクリスマスということで、キューバの歌手セリア・クルス(セーリア・クルース,Celia Cruz)によるナンバーです。セリア・クルスは、1925年キューバのハバナ生まれで、米国で幅広く活動した歌手で、2003年に77歳で没しています。20世紀最大のトロピカル・ミュージックのシンガーとも言われ、“サルサの女王”などの愛称があります。 1961年に “セリア・クルス&ラ・ソノラ・マンテカ”名義で発表された「クリスマスのチャチャチャ(El cha cha cha de la Navidad)」です。 クリスマスが迫ってくるまで、数日おきのペースで更新できれば(あくまで希望的観測)と考えています。何曲ピックアップできるかわかりませんが、ぜひお付き合いください。[収録アルバム]Celia Cruz / Fiesta de Navidad(クリスマスのフィエスタ)(1992年、日本盤) ↓ベスト盤です(今回の曲が含まれるわけではありません)↓ 【輸入盤CD】Celia Cruz / Exitos Eternos (セリア・クルース) 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年12月10日
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オーケストラをバックにし、アレンジが光るライヴ作品 ジョアン・マヌエル・セラー(Joan Manuel Serrat)は、1943年バルセロナ生まれのシンガーソングライター。地元のことばであるカタルーニャ語が禁じられていた時期(フランコ独裁下)から活動を重ね、スペインだけでなく、スペイン語圏各地で人気を獲得した有名シンガーである。 そんなセラーが還暦を迎えた年(2003年)にリリースされたライヴ・アルバムが、この『セラー・シンフォニコ(Serrat Sinfónico)』であった。ライヴ盤と言っても、通常のライヴ盤ではなく、表題(“シンフォニコ”は、英語で“symphonic”)が示す通り、交響楽団とのコラボによるライヴ演奏盤である。 演奏をしているのは、地元カタルーニャのバルセロナ交響楽団。アレンジを担当したのは、同じくバルセロナ出身のジョアン・アルベルト・アマルゴス。普段とは異なる演奏形式、アレンジにもかかわらず、セラーは貫禄一杯に淡々と1曲1曲を歌いこなしていく。 個人的な見解も含め、本盤の聴きどころを見ていきたい。1.「エル・カルセル・デル・フロ」は、冒頭の幻想的かついかにもオーケストラルなアレンジが、本盤のコンセプトへ聴き手を引き込むのに十分な効果を持っていると思う。中盤では、セラーの語りがうまく楽団の演奏と溶け合っているという感じがする(聴く人によっては、若干間延びしているように感じられるかもしれないが、個人的には聴き入ってしまう)。例えば、5.「ラ・ベジャ・イ・エル・メトロ」、8.「プエブロ・ブランコ」、9.「エリード・デル・アモール」なんかが筆者には特に印象に残る。 そして、圧巻は終盤の静かな盛り上がり。11.「パレ」の辺りからそれは始まっているような気もするのだけれど、具体的には、有名曲の13.「メディテラネオ」以降の楽曲である。15.「ファ・ビンタン・アニス・ク・ディク・ク・ティンク・ビンタン」(カタルーニャ語がよくわからないので、表記がおかしくてもご容赦を)では、オーケストラも盛り上がり、しかもカタルーニャ語での歌唱となっている。この長ったらしい表題は、1984年発表のアルバムの表題曲をもとにしていて、“20歳だと言ってから20年が経つと言ってから20年が経つ”というもの。つまりは、40歳を過ぎて発表した楽曲(20歳+20年)が60歳(20歳+20年+さらに20年)の曲として提示されている。アルバムを締めくくるのは、やはり代表曲の16.「カンターレス」。この歌唱は、淡々としながらも、ファン的には噛みしめて盛り上がるタイプのものに仕上がっていると思う。[収録曲]1. El carrusel del furo2. Bendita música3. Cançó de matinada4. Barquito de papel5. La bella y el metro6. Princesa7. Aquellas pequeñas cosas8. Pueblo blanco9. Herido de amor10. De cartón piedra11. Pare12. Es caprichoso el azar13. Mediterráneo14. Mi niñez15. Fa vint anys que dic que fa vint anys que tinc vint anys16. Cantares2003年リリース。 下記のランキングサイトに参加しています。お時間の許す方は、 バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2022年11月29日
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ポップながら深みのある愛聴盤 ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)は、スペイン南部のハエン近郊の出身で、フランコ独裁政治を逃れてロンドンで過ごした後、1970年代後半からはスペインに戻って長く活動を続けているシンガーである。本盤『オテル・ドゥルセ・ホテル(Hotel, Dulce Hotel)』は、1987年に発表された作品で、1980年代を通じて積み重ねてきた人気が高まっていた時期のアルバムである。 1980年代という時代背景もあり、どちらかというと、きらびやかで華やかなサウンドがある程度耳につく。しかし、全体としては、彼のもう一つの顔でもある“詩人”としてのソングライターの実力がそれを単なる流行りものにしていない。言い換えれば、一聴した感じは軽快であっても、聴けば聴くほど深みが感じられる盤に仕上がっていると言える。 個人的な好みで、注目の曲をいくつか挙げておきたい。オープニング・ナンバーの1.「アシー・エストイ・ジョ・シン・ティ」は、ゆったりとした曲調と落ち着いて聴かせるヴォーカルがよく、本盤のベスト曲と言えそう。一方で、アップテンポのナンバーとしては、2.「パクト・エントレ・カバジェロス」や5.「オイガ・ドクトール」といったあたりが受けがよさそう。とはいえ、筆者的にはテンポを落として聴かせるサビーナの歌唱の方が好みで、そういう意味では、3.「ケ・セ・ジャマ・ソレダー」なんかがいい。そして、忘れてはいけないのは、アルバムを締めくくる表題曲の9.「オテル・ドゥルセ・オテル」。なぜだかわからないが、直感的に好きなサビを持つナンバーで、筆者的には1.とこの9.が特にお気に入りだったりする。 [収録曲]1. Así estoy yo sin ti2. Pacto entre caballeros3. Que se llama Soledad4. Besos de Judas5. Oiga, doctor6. Amores eternos7. Mónica8. Cuernos9. Hotel, dulce hotel1987年リリース。 ↓ベスト盤です↓ ホアキンサビーナ Joaquin Sabina - Esencial Joaquin Sabina CD アルバム 【輸入盤】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年11月25日
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800万アクセス記念~いま聴きたいこの1曲(其の26) ラテン・ロック関係の楽曲が続きます。ベト・クエバス(Beto Cuevas)は、チリのロック・バンド、ラ・レイ(La Ley)のメンバーで、ソロで活動して作品も発表しています。 今回のナンバーは、2018年の彼のソロ・シングル曲で、コロンビアの4人組グループ、ムッシュ・ペリネ(Monsieur Periné)をフィーチャーしたナンバーです。「ロサス・エン・エル・ロド(Rosas en el lodo)」(”泥にまみれた薔薇”の意味)という曲です。 軽快で滑らかなポップな曲調が印象的なナンバーです。ロック・アーティストらしからぬと言えば、そうなのかもしれませんが、前回記事のロス・アマンテス・デ・ローラの曲もそうでしたが、ロックらしさが前面に出ているわけではない中にもいい曲はあり得るという例に当てはまるのがこの曲なのかなと思ってみたりします。 もう一つの映像は、2018年、メキシコ第3の都市モンテレイでのライヴの様子です。 [収録アルバム]Beto Cuevas / Lateral(2019年、ミニアルバム) 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2022年10月21日
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800万アクセス記念~いま聴きたいこの1曲(其の16) ここでスペインのシンガーソングライターの曲を取り上げたいと思います。ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)は、イギリス亡命を経て1977年からスペインに戻って多くのアルバムをリリースしてきました。だいぶ前から知ってはいたのですが、ここ4~5年ほど前から筆者がすっかりはまってしまっているアーティストです。 今回、取り上げるのは、1999年発表の『19ディアス・イ・500ノチェス(19 días y 500 noches)』(“19日と500夜”の意)のタイトル・トラックです。 この「19ディアス・イ・500ノチェス」を表題曲とするアルバムは、サビーナのキャリアの中でも『フィシカ・イ・キミカ』(1992年作)に次ぐ売り上げを残しています。 続いては、この「19ディアス・イ・500ノチェス」のライヴでの演奏をご覧ください。アルゼンチンでのライヴの様子で、2015年にライヴ盤としても公表されています。詩人であり、音楽アーティストであり、という二重の才能がステージ上でいかんなく発揮されている、そんな映像と言えるように思ったりします。 [収録アルバム]Joaquín Sabina / 19 días y 500 noches(1999年) 【輸入盤CD】Joaquin Sabina / 500 Noches Para Una Crisis (Bonus DVD) ホアキンサビーナ Joaquin Sabina - 19 Dias Y 500 Noches LP レコード 【輸入盤】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年10月07日
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800万アクセス記念~いま聴きたいこの1曲(其の2) 続いては、キューバ出身でメキシコに帰化して活躍しているシンガーソングライター、フランシスコ・セスペデス(Francisco Céspedes)の楽曲です。本ブログでも過去に紹介している2002年リリースのアルバム『…アイ・コラソン』に収録されているナンバーで、筆者のお気に入り曲の一つです。映像が動かず、アルバムのジャケット・イメージだけなのですが、まずは元のヴァージョンをお聴きください。 ずんぐりむっくりの髭のおじさんという風貌(失礼!)からは想像がつきにくい美曲で、味のあるヴォーカルのナンバーです。彼は、名のフランシスコの部分の愛称である、 “パンチョ”とも呼ばれて親しまれています。上でメキシコに帰化したと書きましたが、メキシコを拠点としつつ、スペインやチリなどスペイン語圏の主な各国でも人気を博している人物です。 そのようなわけで、もう一つの映像は、スペイン絡みのもので、スペインの著名グループ、プレスントス・インプリカドス(Presuntos Implicados)によるヴァージョンです。単にフランシスコ・セスペデスの曲を彼らが演奏しているというのではなく、ご本人が登場して歌っているヴァージョンです。 [収録アルバム]Francisco Céspedes / …Ay corazón(2002年)Presuntos Implicados / Versión Original(1999年) ↓いずれも、これらのアーティストによる別盤です(今回の曲が含まれている盤とは異なるのでご注意ください)。↓ 【中古】 Francisco Cespedes / Donde Esta La Vida 輸入盤 / Francisco Cespedes / Warner Music Latina [CD]【ネコポス発送】 【中古】 Francisco Cespedes / Vida Loca 輸入盤 / Francisco Cespedes / Warner Music Latina [CD]【宅配便出荷】 Presuntos Implicados / Gente 輸入盤 【CD】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年09月20日
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詩人サビーナの魅力が詰まった一枚 ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina,本名ホアキン・ラモン・マルティネス・サビーナJoaquín Ramón Martínez Sabina)は、1949年、スペイン南部出身のシンガーソングライター。若い頃には、文学を学び、フランコ独裁体制に抗してロンドンへ亡命するなどした経歴を持つ。フランコの死後に帰国し、1970年代末から現在まで音楽活動を続けている。その一方、詩人としても活動していて、詩集を出版したりもしている。 スペインのアーティストで、アルバムもたくさんあるので、限られた数の盤しか聴いていない。とはいえ、筆者は、ある時からホアキン・サビーナの世界に引き込まれていった。その最大の理由は、詩的世界の強さにあるように感じる。 冒頭の1.「ノ・ペルミタ・ラ・ビルヘン」からして、詩的な歌/語りの世界が展開される。2.「バモノス・パル・スール」のようにアップテンポの曲もあれば、13.「カマス・バシーアス」のようにラテン・スタンダード風の曲調のナンバーもある。これらを含めてどの曲も素晴らしいのだけれど、やはりアルバムの神髄は、作曲して自分で歌ってしまう詩人としてのサビーナの本領発揮の部分にあると思う。そうした観点からすると、上記の1.と併せて、3.「ラ・カンシオン・マス・エルモサ・デル・ムンド(世界でいちばん美しい歌)」、6.「ぺセス・デ・シウダー」、12.「クアンド・メ・アブラン・デル・デスティーノ」なんかが核になっていると言っていいだろう。 余談ながら、こうしたサビーナの魅力に主眼を置くならば、本盤のジャケットは少々ミスマッチな気がしなくもない。試合を終えたばかりのボクサーのような姿をしたサビーナ自身の写真がジャケット表面で、裏ジャケットもガウンを着たボクサー姿である。もっと詩的世界を表現するような、いわば“アーティスティック”なジャケットでもよかったのではないかと思う。実際、筆者もリリース当時にこの盤を見かけたのだけれど、ジャケットの印象から直感的に購入を後回しにしてしまった(今となっては後悔)。そんなわけで、ジャケット・イメージと盤の魅力は決して一致していないかもしれない、ということをぜひ記しておきたいとも思った次第である。[収録曲]1. No permita la Virgen2. Vámonos pa'l sur3. La canción más hermosa del mundo4. Como un dolor de muelas5. 69 punto G6. Peces de ciudad7. El café de Nicanor8. Lágrimas de plástico azul9. Yo también sé jugarme la boca10. Arenas movedizas11. Ya eyaculé12. Cuando me hablan del destino13. Camas vacías14. Semos diferentes2002年リリース。 Joaquin Sabina / Dimelo En La Calle 輸入盤 【CD】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年09月02日
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スペインを代表する女性シンガーのデビュー盤 マルー(Malú)の名で知られるこの女性シンガーの本名は、マリア・ルイサ・サンチェス・ベニーテス(María Luisa Sánchez Benítez)。2つの名前(姓名の名)の頭の部分を組み合わせて、マルーと言われればなるほどというアーティスト名である。父はペペ・デ・ルシーア、叔父はパコ・デ・ルシーア、母も女性グループのアレーナ・カリエンテで活躍した経歴を持つという音楽一家に育ち、1998年、16歳の時に本盤『アプレンディス(Aprendiz)』でデビューした。 このデビュー盤、“七光り”というよりは、“血筋”の一枚と言った方がいいように思う。本人曰く、学校に行かなくてよさそうという理由で、初レコーディングのオファーを受けたとのことである。デビューに際して、家族で親しい付き合いのあった大物シンガー、アレハンドロ・サンスが曲を提供した(本盤収録曲のうち、1.、4.、5.が彼のペンによる)。こうしたお膳立ては、“七光り”と言われると確かにそうかもしれない。けれども、その歌唱力は、既に完成されているというわけではないし、随所に粗さもあるように思うのだけれど、とにかく16歳とは到底思えないハイレベルなものである。この実力という部分を考えると、“血筋”であり、生まれ持って与えられた才能だったと言えるように思う。 本盤はスペインで60週以上にわたってチャートインし、30万枚を売り上げた。アレハンドロ・サンス提供のデビュー・シングル、1.「アプレンディス」は、マルーを代表する曲の一つとして、定着していくことになった。その後も3曲(2.、4.、8.)がシングル・カットされたが、4.「ドンデキエラ・ケ・エステス」が特にいい。あと、アルバム最後のナンバーである9.は、3.「シ・トゥ・メ・デハス」のヴァージョン違いで、“フリー・ヴァージョン”と名付けられているが、個人的にはこの9.のヴァージョンの方が気に入っている。 ともあれ、本デビュー盤は、将来の伸びしろも含めて、実力を存分に披露するアルバムとなった。そして、実際、マルーは10年、20年後にスペインを代表するトップ・シンガーとしてのキャリアを積み重ねていくことになった。[収録曲]1. Aprendiz2. Lucharé3. Si tú me dejas4. Donde quiera que estés5. Antes que amantes amigos6. Hoy desperté7. Días que fueron8. Como una flor9. Si tú me dejas -free version-1998年リリース。 Malu - Aprendiz CD アルバム 【輸入盤】 下記のランキングサイトに参加しています。お時間の許す方は、 バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2022年08月30日
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元メカノのヴォーカリストによる洗練されたポップ音楽 1980年代から1990年代初頭に一世を風靡したメカノ(メカーノ,Mecano)というバンドがあった。スペイン人3人組のこのバンドは世界的成功を収めたが、1993年に活動を休止した。その後、1997年にそのヴォーカリストだったアナ・トローハ(アナ・トロハ,Ana Torroja)はソロ・デビューし、2010年までに5枚ほどのソロ作を制作した。 メカノというとシンセ・ポップやテクノ・ポップのようなイメージがあるかもしれないが、ソロ転向後のアナ・トローハは、エレクトロニックなポップの色彩は持ち続けながらも、ストレートなポップ路線もこなし、良質なポップ音楽を制作していった。2003年リリースの本盤『フラヒル(Frágil)』は、ソロ3作目となったアルバム。特大ヒットというほどの売り上げではなかったよう(スペイン国内チャートで最高位15位)だが、高い評価を受けた作品で、ラテン・グラミー賞にもノミネートされた。 シングルカットされたのは4曲。本盤収録曲の中で最初のシングルとなった4.「キエン・ディセ」は無難な選曲のような気もするが、続くシングル曲の3.「ベインテ・マリポーサス」は、“(心にいる)20匹の蝶”という表題も目を引き、サウンド面でも工夫があっていい。バラード調の5.「メ・バスタ・コン・クレエール」も、筆者的にはお気に入り。10.「クアトロ・ディアス」は、シングルとしては、ややインパクトに欠ける。 これら以外の注目曲としては、表題曲の6.「フラヒル」が圧倒的にいい。曲の展開がよく、エレクトロニックなポップ調とヴォーカルを聴かせる部分が絶妙に組み合わされた1曲だと言える。また、11.「メノス・マス」はも曲の展開と豊かなヴォーカルが際立った1曲だと思う。あと、少し変わったところでは、13.「アイ・ウィッシュ・ユー・ワー・ヒア(あなたがここにいてほしい)」。表題から分かるように、ピンク・フロイドのカバー(元アルバムの記事はこちら)で、英語での歌唱を披露している。[収録曲]1. Con solo un beso2. Libélula3. Veinte mariposas4. Quién dice5. Me basta con creer6. Frágil7. Solo por eso8. El arte de llorar9. Hoy igual que ayer10. Cuatro días11. Menos, más12. Letras de sal13. I Wish You Were Here14. Con solo un beso2003年リリース。 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年08月26日
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貫禄が増したグラミー受賞作 ソエー(Zoé)は、メキシコのクエルナバカ(モレーロス州の州都)で結成されたオルタナティヴ・ロック・バンド。レオン・ラレーギ(León Larregui)を中心メンバーとする5人組で、メキシカン・ロック独特のリズム感に加え、スペース・ロックやサイケデリック・ロックといった幻想的なサウンドの影響の強い音楽が彼らの特徴の一つとなっている。2001年のデビュー盤から6枚目のスタジオ作となったのが、2018年リリースの本盤『アストラン(Aztlán)』である。 表題の“アストラン”というのは、メキシコ人の祖先である古代アステカの人たちの遥かなる故郷の地の名前。表題曲は7曲目に収録されているが、この曲に限らず、アルバム全体を通じて、幻想的な独自世界が表現されている。なおかつ、これ以前のアルバムと比較すると、落ち着きが増したというか、貫禄がついたというか、とにかく安定感が感じられる。 お気に入りのナンバーをいくつか挙げておきたい。冒頭の1.「ベヌス」、2.「アスル」は、本作中で最良の出来のナンバーの一つ。特に後者の憂鬱さを帯びつつ厚みのあるトーンが個人的にはお気に入り。 他の曲をもう少し挙げると、3.「ノ・アイ・マル・ケ・ドゥレ」は、ソエーらしさが全開と言えそうな演奏内容。表題曲7.「アストラン」は上述の通りの着想の曲で、特に幻想的なナンバーの一つ。10.「エジャ・エス・マヒア」は力強いリズムが特徴で、幻想性とリズムの組み合わせの妙が気に入っている。この曲から11.「オロペル」と12.「クラリビダー」にいたるアルバム終盤の展開(10.、11.と畳みかけるように進行し、12.で少しテンポを落として彼らの世界観をくまなく発揮)も筆者的には本盤の気に入っている部分だったりする。 繰り返しになるが、全体としてソエーらしさが安定的に発揮されている好盤で、お気に入りかつお薦めのアルバムである。2019年のグラミーで、ベスト・ラテン・ロック(アーバン/オルタナ・アルバム)を受賞したのも頷ける充実した内容の一枚だと言える。[収録曲]1. Venus2. Azul3. No hay mal que no dure4. Al final5. Hielo6. Luci7. Aztlán8. Temor y temblor9. Renacer10. Ella es magia11. Oropel12. Clarividad2018年リリース。 ↓LP盤です↓ 【輸入盤LPレコード】Zoe / Aztlan【LP2019/2/1発売】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年06月02日
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スペイン語ロック曲選・PART 4(その5) スペイン語ロック曲選、第4弾の最後は、本ブログで既に複数回登場しているメキシコのロック・バンド、EL TRI(エル・トリ)の代表曲です。「A.D.O.(読み方は“アー・デー・オー”)」というのがその曲名なのですが、この名称は有名な最大手長距離バス会社の名前です(アメリカでいうと“グレイハウンド”みたいな感じでしょうか)。曲の内容はというと、彼女にふられた男が、ADOのバスに乗ってどこか遠くへ行ってしまいたい、というものです。 この曲はEL TRI誕生以前の、スリー・ソウルズ・イン・マイ・マインド(Three Souls In My Mind)というバンド時代の楽曲です。まずは、1970年代のスリー・ソウルズ時代の音源をお聴きください。 バンド・メンバー間の確執の末、アレックス・ローラは1980年代以降、EL TRIとして活動を展開していきましたが、その活動の中でもこの「A.D.O.」は彼らの代表的ナンバーとして演奏し続けられていきました。そんなわけで、EL TRI時代になってからの演奏シーンの映像を2つほどご覧いただこうと思います。まずは、1999年、大手テレビ局(TVアステカ)の企画でのライヴ演奏の模様です。 続いては、“MTVアンプラグド”でのライヴ演奏です。リリースされたのは2004年ですが、録音時代はもう少し古く、1996年のものです。 [収録アルバム]Three Souls In My Mind / Es lo mejor(1977年)El Tri / En vivo!! En la cárcel de Santa Martha(1989年) El Tri / MTV Unplugged(2004年)その他、各種ベスト盤、ライヴ盤にも収録。 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年03月28日
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スペイン語ロック曲選・PART 4(その4) 今回は、1990年代にデビューしたバンド、フォビア(Fobia)のナンバーです。フランシスコ・ウイドブロとレオナルド・デ・ロサンヌを中心とするこのバンドは現在も活動を続けています。 今回のナンバーは、「エル・ミクロビート(El microbito)」という曲で、1990年のセルフタイトルのデビュー盤(同盤の過去記事はこちら)に収められています。まずは、往時のビデオクリップをご覧ください。 続いては、後世のライヴの模様です。2019年、ライヴ盤としてもリリースされたメキシコシティのスポーツパレスでの演奏シーンをご覧いただこうと思います。 冒頭で述べたように、フォビアは元気に現役を続行中です。コロナ禍の2020年に収録され、現時点での最新のアルバムとなっている『フォビア・MTVアンプラグド』に収録されている「エル・ミクロビート」もご覧ください。このライヴ盤は、実験的な楽器(というか“音”)がいろいろと導入されていて、なかなか面白いライヴ盤に仕上がっています。 [収録アルバム]Fobia / Fobia(1990年) Fobia / Fobia MTV Unplugged(2020年) ROCK LATINO (REMASTER)[輸入盤]/FOBIA[CD]【返品種別A】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2022年03月25日
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スペイン語ロック曲選・PART 4(その3) さて、今回はアルゼンチン人とスペイン人の混成バンド、ロス・ロドリゲス(Los Rodríguez)の有名曲です。「ミロンガ・デル・マリネロ・イ・エル・カピタン(Milonga del marinero y el capitan)」という、カタカナでは長ったらしい曲名ですが、“船員と船長のミロンガ”という意味のタイトルです。1995年の曲ですが、筆者的にはリアルタイムでよく耳にした懐かしのナンバーでもあります。 ロス・ロドリゲスは、1990年にデビューしましたが、活動していたのは1996年までと決して長くありませんでした。後にはメンバーの一部が再合流してライヴなどを行っていますが、バンドとしての本格的な再結成はなかったようです。 とはいえ、後世のライヴ演奏の音源などないのかと探してみたところ、次のようなものに行き当たりましたので、2つばかりお聴きいただこうと思います。 まずは、中心メンバーだった2人(アンドレス・カラマロとアリエル・ロット)が再集合したライヴの演奏(音声のみ)です。当時のバンド名(ロス・ロドリゲス)をもじって、そのうちの2人の再集合ということで“ドス・ロドリゲス”(“ドス”はスペイン語で“2”の意味)と銘打ったライヴでの演奏です。 さらにもう一つ、上記のアリエル・ロットのライヴの模様です。スペインはマドリード郊外のガラパガールでの2001年のパフォーマンスとのことです。 [収録アルバム]Los Rodríguez / Palabras más, palabras menos(1995年) 【輸入盤CD】Los Rodriguez / Palabras Mas Palabras Menos/Sin Documentos (Limited Edition)【K2020/3/13発売】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年03月23日
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スペイン語ロック曲選・PART 4(その2) スペイン語のロックの中には、メキシコの都市部の、あまり裕福な層ではない若者たちに主に支持される“アーバン・ロック(ロック・ウルバーノ)”なるジャンルがあります。ベタなロック調が多いのですが、そんな中でリラン・ロール(Liran’ Roll)は筆者のお気に入りで、今回はこのバンドのナンバーです。 リラン・ロールは、リーダーのアントニオ・リラ(ヴォーカル、ギター)を中心とし、1991年にデビューしたバンドです。今回のナンバーは、決してこのバンドの代表曲とか特徴的というわけではないのですが、「アディオス・アミーゴ(Adiós amigo)」という曲です。文字通り、“友よ、さようなら”という意味で、若くして亡くなった友人のことを歌ったナンバーです。 上の音声はオリジナル・アルバムに所収のものでしたが、続いては、ライヴでの演奏もご覧いただきたいと思います。メキシコシティのメトロポリタン劇場での2006年のライヴ演奏の様子をどうぞ。 [収録アルバム]Liran’ Roll / Cambios(1997年)Liran' Roll / Teatro Metropolitan Live Vol. 1(2006年、ライヴ盤) 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2022年03月21日
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スペイン語ロック曲選・PART 4(その1) スペイン語ロックの楽曲を取り上げるシリーズの第4弾をお届けしたいと思います。最初は、過去にも登場しているアルゼンチン出身のアーティスト、ミゲル・マテオス(Miguel Mateos)のナンバーで、「ジャマメ・シ・メ・ネセシタス(Llámame si me necesitas)」です。 現地では超有名アーティストなわけですが、1980年代、黎明期にあったアルゼンチンのロック音楽を牽引し、スペイン語を公用語にする他の国でも人気を博したシンガーでした。この曲のタイトルは、“僕を必要とする時にはいつでも呼んでおくれ”といった意味で、詞の内容も“すぐに君の所へ飛んでいくから”と続くといったものです。 さて、1986年のアルバムに収録されていたこのナンバーですが、時は流れ、21世紀。今世紀と言っても、もう既に10年ほど前のライヴの模様ですが、円熟の域に達した彼の姿もご覧いただこうと思います。メキシコでのライヴ(その内容はライヴ盤化もされました)での「ジャマメ・シ・メ・ネセシタス」です。 [収録アルバム]Miguel Mateos/ZAS / Solos en América(1986年) Miguel Mateos / Primera fila(2011年) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年03月20日
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人気絶頂期へ向けた飛躍の一枚 プレスントス・インプリカドス(Presuntos Implicados)は、スペイン南部のムルシア出身の3人組バンド。本ブログでは、1991年作の『セール・デ・アグア』を先に取り上げているが、本盤『アルマ・デ・ブルース(Alma de Blues)』は1989年に発表されたもので、その前作に当たる。 この作品の前にも、プレスントス・インプリカドスは、インディー盤を発表してはいた。だが、初めて全国区で人気を獲得したのはこの盤の成功によってだった。そして、1990年代を通しての人気絶頂期を築き上げていったわけだけれども、それを先取りしていたのが本盤ということになる。 全体としては、自作以降のこのバンドのスタイルが既に出来上がっていることを示す曲が目立つ。演奏・アレンジについては、後々のお洒落感や洗練度に比べると、ややストレートなかんじといったところだろうか。注目曲をいくつか挙げておくと、1.「メ・ダス・エル・マール」は地中海ポップスらしい詞がソーレ・ヒメネスのヴォーカルにマッチしているのがいい。一方、表題曲の2.「アルマ・デ・ブルース」は、少し暗めの曲調でソーレのヴォーカルのよさがうまく出ている。これらはいずれも後々のプレスントス・インプリカドスの楽曲の特徴となっていくものだという風に思う。アルバムを聴き進むと、アップテンポの曲も登場し、飽きさせない作りになっているのだけれど、私的お気に入りを一つ挙げておくと、7.「ラ・ノチェ」。ジャズ・ヴォーカル的な雰囲気をポップスの中にお洒落に取り込もうとして、なかなか成功したナンバーではないかと思ってみたりする。[収録曲]1. Me das el mar2. Alma de blues3. Río Po4. La futura promesa5. No hay palabras6. Encadenada7. La noche8. No hay humor9. Cada historia10. Guitarra y voz11. Asoma el llanto1989年リリース。 【中古】 Alma De Blues / Presuntos Implicados / Presuntos Implicados / Imports [CD]【宅配便出荷】 【中古】 Presuntos Implicados / Alma De Blues 【CD】 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2022年03月17日
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音楽活動21周年を迎えたアレックス・ローラ EL TRI(エル・トリ)にとって、5枚目のスタジオ作(ライヴ盤も含めると6枚目)となったのが、1989年の『21年後~ベインティウン・アニョス・デスプエス(21 años después Alex Lora y El Tri)』であった。“21年”というのは、リーダーのアレックス・ローラ(Alex Lola,アレハンドロ・ローラ)が、EL TRIの原型となったバンド(スリー・ソウルズ・イン・マイ・マインド,Three Souls in My Mind)を結成した1968年から数えて21年になることに因んでいた。 リリースの同年にロサンゼルスで録音された本盤は、1990年代以降、このバンドのライヴの定番となっていく代表曲を複数含んでいる。革新的とか変革的というよりは、前作までの流れを引き継いで、このバンドらしさを発展させていった、そんなアルバムと言えるように思う。 注目すべき曲をいくつか挙げておきたい。1.「マリーア・サビーナ」は、本盤リリースの数年前(1985年)に亡くなった1894年生まれの女性シャーマンの名前をタイトルとしていて、ファンには人気のナンバーとなった。3.「エル・アス・ノ・コノシード」は、ギタリストのセルヒオ・マンセーラとの共作で、80年代のこのバンドらしさが存分に発揮されている。4.「ディフィシル」は、本盤でと言うよりも、このバンドの代表的なナンバーの一つとして筆者が気に入っている曲。一方、6.「ウン・ディア・エン・ラ・ビダ」や7.「エンクエントロス・セルカノス・デル・テルセール・セクソ」なんかは、1990年代に入っていく次のステージをイメージさせる演奏内容。そういう意味では、過渡期の作品と言えるのかもしれないが、1980年代から1990年代へと移ろいゆく当時、現地メキシコではまだまだメジャーではなかったロック音楽を着実に前へ進めていった、そんな盤の一つと言えるのではないだろうか。[収録曲]1. María Sabina2. Puros changos3. El as no conocido4. Difícil5. Tren del infierno6. Un día en la vida7. Encuentros cercanos del tercer sexo8. Maldito sistema9. Que reventón10. La fuerza del amor1989年リリース。 ↓別盤です↓ 【中古】 Nada Que Perder / El Tri / Machete Music [CD]【メール便送料無料】【あす楽対応】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年03月06日
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モッズ・バンドによるミニ・アルバム+日本盤はさらに6曲 かなり前に『アルタ・フィデリダー』を取り上げたスペインのモッズ・バンド、ロス・フレチャソス(Los Flechazos)。1997年にこのバンドは解散を発表し、翌年には正式に解消。リーダーだったアレハンドロ(またはアレックス)・ディエス・ガリンは、ソロ・プロジェクトを進めていくこととなった。 そのようなわけで、後から見れば、バンドが解散に向かうまでの経緯で制作され、リリースされた6曲入りのミニ・アルバムが、この『ディアス・グリセス(Días grises,灰色の日々)』ということになる。 筆者は偶然にも本作の日本盤を入手したのだけれど、これがまたなかなかよかった。原盤の6曲に加えて、さらに6曲ボーナス・トラック入りという、結局はフル・アルバムに近い曲数(と言っても、各局の時間は短いので、トータル・タイムは30分ちょっとだけれど)になっている。 まず、本編の6曲から見ていきたい。いずれも正統派のネオ・モッズ・バンドらしい演奏が並んでいる。どのナンバーも好曲だが、個人的に特に気に入っているものを挙げると、一つは、1.「ディアス・グリセス(灰色の日々)」。本盤のベスト・ナンバーと言ってもいいかもしれない。あともう一つ挙げるならば、3.「カンサード(疲れきって)」。シンプルな曲構成ながら、聴き手の心をつかむコツのようなものが本当によくわかっているバンドなのだなと思わされたりする。 次に日本盤のボーナス・トラック6曲にも目を向けてみたい。これら6曲のうちの最初の3曲はシングル・リリース用に録音されたもので、残る3曲はラジオ向けのスタジオ・ライヴ演奏が音源だとのこと。これらボーナス曲を見ると、カバーが目立つ。とりわけポピュラーな曲としては、ビートルズの10.「デイ・トリッパー」が収められている。個人的に勢いのよさと完成度が特に高い8.「グッド・シング」(ポール・リヴィア&ザ・レイダーズの曲のカバー)が、なかなか聴いていて心地よい。あと、スタジオ・ライヴの3曲も演奏力の高さが際立っていて、『アルタ・フィデリダー』に収録されていた11.「ヌンカ・マス」の堂々とした演奏が気持ちいい。[収録曲]1. Días grises2. Solo en casa3. Cansado4. Ayer5. Fiebre6. Mi jardín~以下、日本盤ボーナス・トラック~7. Dream in My Mind8. Good Thing9. Pretty Sight Full of Sorrow10. Day Tripper11. Nunca más12. River Deep/Mountain High1996年リリース。 【バーゲンセール】【訳あり】ディアス・グリセス ※ケースにひび割れあり【CD、音楽 新古 CD】メール便可 セル専用 ↓こちらはレコード盤です↓ Los Flechazos / Dias Grises 【LP】 下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、 バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2022年03月03日
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高い完成度のマイナージャンルの名作 メヒカント(Mexicanto)は、1985年に結成されたメキシコ人のデュオ。アコースティック・ギターと2人のヴォーカル・ハーモニーを軸に独自路線の音楽を発表し、メキシコにおけるトローバあるいはヌエバ・カンシオンを発展させたグループとされる。 彼らは、1980年代後半以降、コンスタントにアルバムを制作していったが、その完成度が極みに達したのが、デビュー11年目の本盤『フェリックス・フィリオ(Felix-Filio)』だった。この表題は、メンバー2人の名(ダビー・フィリオ、セルヒオ・フェリックス)をつなげたもので、いわば、セルフ・タイトル作のようなものだとも言える。そして、実際、その完成度は、このデュオの諸作の中でもずば抜けて高い。 シンプルなアコギと声のハーモニーといった彼らの典型的スタイルの曲としては、1.「ダノス・ピエ」が最もお勧め。これに次ぐのが、3.「アシー・タン・ペケーニャ」や9.「カニカ」といったところだろうか。その一方で、本盤の収録曲には、シンセやピアノ、エレキギターといった本来の彼らのスタイルとは異なる楽器を思い切って導入した、印象的なインストルメンタル曲がいくつも見られる。壮大な雰囲気を醸し出す2.「コラソン・ポル・コラソン」、ギター・インスト・ナンバーの5.「ラ・ノチェ」、柔らかく優しく音が紡がれていく8.「アンテ・トド・ラ・テルヌーラ」がその例である。こうした曲がアルバム構成上では重要な役割を果たしていて、実際、アルバムの最後には、2.のリプライズに当たる12.「コラソン・ポル・コラソン(バージョン2)」が配されている。 メヒカントのお勧め盤はというと、いろいろ個人的思い入れや好みはあるのだけれど、客観的にみて、本盤は最初の推奨盤の有力候補だと思う。完成度が高いとうのは先に述べたとおりだけれど、彼らがこの後、2000年代に入って活動を休止してしまったのは、本盤の出来のよささえもその原因の一つだったのではと勘繰りたくなるほどである。アコースティック、ヴォーカル・ハーモニー、ムード音楽的なインスト曲、とそもそもの好みは分かれるかもしれない。けれども、そちら方向の音楽に関心がある人には、ぜひとも推奨したい名盤の一つと言えるように思う。[収録曲]1. Danos pie2. Corazón por corazón3. Así tan pequeña4. Una canción o un cuento5. La noche6. Sobremuriendo7. El mar de noche8. Ante todo la ternura9. Canica10. Esperando11. Un año más12. Corazón por corazón (Versión II)1998年リリース。 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓
2022年02月22日
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絶頂期を記録した初のライヴ盤 ミハーレスことマヌエル・ミハーレス(Manuel Mijares)は、1958年メキシコシティ生まれの男性シンガー。1980年代半ばにメキシコのポップ・シーンに颯爽と登場し、とりわけ1980年代後半から1990年代を通じて絶大な人気を誇った。さらには、2000年代以降、現在に至るまでコンスタントに作品のリリースを続けている。 そんなミハーレスの絶頂期とも言える1995年に、彼にとっての初のライヴ盤として発表されたのが、この『エル・エンクエントロ(El encuentro…)』というアルバムであった。そのライヴというのは、大手テレビ局のテレビサ(Televisa)が企画したアコースティック・ライヴ(当時、好評を博していたMTVアンプラグドに追従した企画)であった。なお、アコースティックな企画とはいえ、実際の演奏では、アコギを弾いているという程度で、プラグを抜いているという感じはそれほど強くない。ともあれ、アルバムは大ヒットし、メキシコのチャートのみならず、中米の4つの国や南米チリでも1位を獲得した。 全17曲というヴォリュームで、人気絶頂の中でのヒット・メドレー的な選曲が中心となっている。とはいえ、未発表曲もうまく組み合わされていて、未発表のナンバーは、4.「ミ・ウニカ・ドローガ・エレス・トゥ」と8.「エル・コラソン・シゲ・アフェラード」の2曲。一方、女性シンガーのルセーロ(Lucero)とのデュエット曲の13.「クアトロ・べセス・アモール」のほか、3.「タン・ソロ」、バリオ・ボーイズ(Barrio Boyzz)との共演による6.「タルデ・オ・テンプラーノ」の計3曲がシングルとして発売された。つまるところ、単なるライヴ盤で終わらせずにファンへの新曲のサーヴィスやシングルカットでのヒット狙いも織り込まれていたということになるだろうか。 筆者の個人的な好みを含め、お勧めのナンバーをいくつか挙げてみたい。ミハーレスのヴォーカルの真骨頂が披露されているのは、9.「エル・ブレべ・エスパシオ(君のいないわずかな空間)」。キューバのシンガーソングライター、パブロ・ミラネスの名曲をカバーしているが、アコースティック調の演奏にのせて彼らしいヴォーカルで歌いきっている。同じくこの人の声の魅力が活かされた歌唱としては、16.「ウノ・エントレ・ミル」がいい。、次いで12.「ソルダード・デル・アモール(愛の戦士)」。ファン的には、上記のルセーロとの13.や未発表曲に加え、2つのメドレー(5.と12.)も聴きどころと言える。それぞれ彼の人気曲を文字通りメドレーにしたものだが、5.は「パラ・アマールノス・マス」から始まってちゃんと同じ曲で終わり、12.も「ボニータ」に始まり「ボニータ」で終わるという点もなかなかいい感じだと思う。[収録曲]1. Volverás2. No se murió el amor3. Tan solo4. Mi única droga eres tú5. Medley: Para amarnos más/Me acordaré de ti/Que nada nos separe/Para amarnos más6. Tarde o temprano [con Barrio Boyzz]7. Palabras de mujer/Perfidia8. El corazón sigue aferrado9. El breve espacio10. Te dejaré (Ti lascero) [con Patricia Sosa]11. Corazón salvaje12. Soldado del amor13. Cuatro veces amor [con Lucero]14. Bella15. No hace falta16. Uno entre mil17. Medley 2: Bonita/A pedir su mano/Pará nené pará/Bonita1995年リリース。 ↓別盤(いずれもベスト編集版)です↓ 【輸入盤CD】MIJARES / COLECCION SUPREMA 【輸入盤CD】MIJARES / 30 EXITOS INSUPERABLES (RMST) 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2022年02月08日
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ハグアーレス絶頂期の推奨盤 1995年にメンバー間での確執からカイファネス(Caifanes)が解散した後、リーダーだったサウル・エルナンデス(Saúl Hernández)が結成したバンド、ハグアーレス(Jaguares,スペイン語で‟ジャガーたち“の意味)は、1996年にこの新バンドとしての最初のアルバム(過去記事)を発表した。このバンドの活動は、2010年まで続き、都合6枚のアルバムを残したが、そのハイライトの一つとも言えそうなのが、2001年発表の『クアンド・ラ・サングレ・ガローパ(Cuando la sangre galopa)』という盤である。 個人的には、当時、本盤のリリースを知ると真っ先に買い求めた。そして、本当によく聴いた。“血がギャロップするとき”というよくわからないタイトル(とはいえ、ジャケット・イメージは大勢の馬たちが駆けている姿のものである)、カイファネス時代を彷彿とさせつつ進化を遂げた作風がとりわけ印象に残った。この盤は本国メキシコのみならず、とくに米国受けもしたという。 本盤は、全体的にテーマも曲調もどちらかというと重ためでややハードな演奏の印象を聴き手に与えるところがある。注目したい曲としては、表題曲の1.「クアンド・ラ・サングレ・ガローパ」。サウルの世界観が満開なところにハードなギターがうまく組み合わされている。3.「コモ・トゥ」は本盤の中でよく知られる曲の一つで、ファースト・シングルとしてリリースされた。5.「エン・ラ・ティエラ」は、強いリズムとハードな演奏が個人的にお気に入りだったりする。 6.「ラ・ビダ・ノ・エス・イグアル」も、シングル・カットされたことからよく知られている人気のナンバーで、基本は真っ直ぐなロック・ナンバーでありながら、途中や終盤に直球ではない部分があって、そこにラテンの雰囲気が感じられる。8.「コンティーゴ」は、ノリのよいナンバーで、シングル化された2曲とともに広く聴衆に受けそうな曲と言える。10.「ビアへ・アストラル」は、個人的な推奨曲で、“星々の旅”というタイトルの通り、ハードな演奏の中に宇宙的浮遊感が感じられるのがいい。 なお、正式なクレジットの上では、13.「ビエホ・エル・ムンド?」でアルバムは終わることになっているが、本盤には追加のシークレット・トラックが含まれている。「ディメ・デ・ウン・アモール・ケ・ノ・ア・スフリード」というギターを中心になかなかハードな演奏を繰り広げているナンバーである。13.の演奏は6分強で終わるのだけれど、そのまま2分ほどの無音状態の後、同じトラック内でこの演奏が始まる。つまり、トラック13.には、無音状態を含む2曲が収められていて、本来の13.は6分強で終わるけれど、トラックの長さは12分近くあるという紛らわしい仕組み(だからシークレット曲と言えるのだけれど)となっている。[収録曲]1. Cuando la sangre galopa2. El secreto3. Como tú4. Estoy cansado5. En la tierra6. La vida no es igual7. Por un beso8. Contigo9. El aislamiento10. Viaje astral11. El momento12. El último planeta13. ¿Viejo el mundo?[14.] Dime de un amor que no ha sufrido *13.の続きに収録のシークレット・トラック2001年リリース。 【輸入盤CD】JAGUARES / CUANDO LA SANGRE GALOPA (ハワレス) 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 “ぽち”応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年02月05日
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安定感抜群で歌を聴かせる好盤 フランシスコ・セスペデス(Francisco Céspedes)は、キューバ出身でメキシコを拠点に活動するシンガー。1990年代後半以降、コンスタントに活動を続け、これまでに10枚ほどのアルバムをリリースしている。 『…アイ・コラソン(… Ay corazón)』は、2002年リリースの第3作となったアルバムである。表題曲をヒットさせたファースト作の『ビダ・ロカ』なんかと比べると、余裕が出てきて安定感がかなり増してきているように思う。そして、何よりも、ポップな中に味わいあるヴォーカルと、キューバ出身アーティストならではのテイストを織り込んでいるところがいい。 収録曲のうち、特に注目したい曲をいくつか見ていきたい。まずは、冒頭の1.「テ・ソニェー、ジュビア・デ・アブリル」。“君の夢を見た。4月の雨”という表題で、べったりとすることなく、ある種さらりとラヴ・ソング的な内容を歌い上げる彼のスタイルがいかんなく発揮されている。このスタイルがさらに極まって成功しているのは、8.「ナディエ・コモ・トゥ」である。“君のような人はいない”という、これまたわかりやすいモチーフの曲だけれど、しつこさはなく、けれどもうまく聴き手を引き込む彼のヴォーカリストとしての本領が発揮されたナンバーだと言える。 一方で、バラードやラヴ・ソングのシンガーと片付けるわけにはいかない部分も兼ね備えている。例えば、2.「アタメ・ラ・ミラーダ」のようなリズム感、4.「ケ・アセモス・コン・ラ・ビーダ」や9.「ノ・パサ・ナダ」に見られるようなポップスの枠を超えた演奏と音は、ある種、キューバ出身者らしい音楽的なヴァリエーションである。 最後に筆者個人の体験になってしまうが、この人のアルバムは1枚聴くごとに、どんどん惹き付けられていくという経験をした。派手な感じというよりは、“聴かせる”タイプの歌い手で、スルメというわけではないにせよ、少しづつじっくり聴くうちに魅了されていくタイプのシンガー/アーティストと言えるのかもしれないという気がしている。[収録曲]1. Te soñé. Lluvia de abril2. Átame la mirada3. Cuando al corazón le duele el alma4. ¿Qué hacemos con la vida?5. Luna6. Si tú ya no estás7. No será una pena8. Nadie como tú9. No pasa nada10. Esa mirada11. Cómo hacer para empezar2002年リリース。 ↓いずれも、同じシンガーによる別盤です。↓ 【中古】 Francisco Cespedes / Donde Esta La Vida 輸入盤 / Francisco Cespedes / Warner Music Latina [CD]【宅配便出荷】 【中古】 Francisco Cespedes / Vida Loca 輸入盤 / Francisco Cespedes / Warner Music Latina [CD]【メール便送料無料】【あす楽対応】 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2022年01月31日
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円熟と安定の推奨盤 パブロ・ミラネス(Pablo Milanés)は、“キューバの新しいトローバ(ヌエバ・トローバ・クバーナ)”を牽引したシンガーソングライターである。その人気は、キューバだけにとどまらず、世界各地のスペイン語圏において絶大な人気を誇っている。そんな彼の作品数はあまりに多く、筆者もすべてに達するには到底及ばない数のアルバムしか聴けていないのだけれど、その中でもお気に入りの推奨盤の一枚と言えるのが、1994年リリースの『オリヘネス(Orígenes)』というアルバムである。 表題の『オリヘネス』(もしくは『オリーヘネス』)というのは、起源・原点・由来などといった意味で、英語で言うと“オリジン(origin)”の複数形である。この名の通り、本盤は1970年代から続けてきた彼の音楽的特徴そのままに1990年代当時の新作として聴かせるものである。歌詞カードによれば、各収録曲は、1993年後半から1994年初頭に録音されたものとのことである。ちなみに、ほのぼのとした油彩の絵が本盤のジャケットにあしらわれているが、この絵を描いたのは、愛娘にして現在ではシンガーとして活躍中のアイデー・ミラネス(Haydée Milanés)。クレジットには、Haidee Milanésという綴りで表記されており、この絵を描いた時は中学生ぐらいの年頃だったということになる。 注目したい曲をいくつか挙げておこう。パブロの持ち味である美しいメロディと歌声が特に際立っているナンバーとしては、1.「マルヒナル(マージナル)」、2.「ソレダー(孤独)」が特にいい。さらに10.「カンシオン・デ・クナ・パラ・ウナ・ニニャ・グランデ(大きくなった女の子のための子守歌)」も親しみやすい美メロが印象的だが、表題からして、上述の娘アイデーのことを歌にしたものと思われる。 メロディや歌声の美しさと同時に、パブロの楽曲には、何とも言えぬ寂しさや孤独感、あるいは喪失感やはかなさのようなものを感じさせるものも多い。そういう傾向の強いナンバーとして注目したいのは、4.「カルタ・ア・ウン・アミーゴ・レハーノ(遠く離れた友への手紙)」。サビに向かうにつれて美メロ寄りの曲調に変わっていくものの、8.「エル・ぺカード・オリヒナル(原罪)」の冒頭なんかもこの観点からすると非常に気に入っていたりする。 作品の数が膨大なのでどの盤から聴けばよいという話をしにくいアーティストかもしれないが、個人的には、ずっと前に取り上げた『コミエンソ・イ・フィナル・デ・ウナ・ベルデ・マニャーナ』や本盤『オリヘネス』なんかは“最初の一枚”に好適だと思うのだけれど、いかがだろうか。[収録曲]1. Marginal2. La Soledad3. Intercambio4. Carta a un amigo lejano5. La ternura que me vino a salvar6. Sueños7. Sandra8. El pecado original9. Queridos muertos10. Canción de cuna para una niña grande1994年リリース。 【中古CD】PABLO MILANES / Origenes 【輸入盤CD】Pablo Milanes / Hoy Y Siempre Pablo Milanes Los Anos 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2022年01月23日
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700万アクセス記念~いま聴きたいあの曲(その6) クリスマス曲を続けます。今回は、プエルトリコ出身の盲目のギタリスト、ホセ・フェリシアーノ(José Feliciano)による有名なクリスマス・ナンバーです。 「フェリス・ナビダー(Feliz Navidad)」というタイトルの曲ですが、この表題は、スペイン語でずばり“メリー・クリスマス”の意味です。シンプルで分かりやすいタイトルに曲調とあって、アメリカ国内(プエルトリコ含む)だけでなく、スペイン語圏で広く人気のクリスマス曲となっています。 続いては、2006年のライヴ演奏をご覧ください。ボストンでのライヴの様子ということですが、フェリシアーノは1945年生まれですので、ちょうど還暦を迎えた頃のステージということになります。 [収録アルバム]José Feliciano / Feliz Navidad(1970年) 【輸入盤CD】JOSE FELICIANO / TODA UNA VIDA: 30 EXITOS (RMST) (ホセ・フェリシアーノ) 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓ 人気ブログランキング
2021年12月20日
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世界的なヒットとなった貫禄の一枚 マナー(Maná)は、ソンブレロ・ベルデ(Sombrero Verde)というバンド名での活動歴の後、1987年にこの名前でデビューしたメキシコのロック・バンド。これまでに、グラミー賞、ラテン・グラミー賞を何度も受賞している。中心人物であるフェル・オルベーラ(ヴォーカル)に加え、セルヒオ・バジン(ギター、1994年に加入)、フアン・ディエゴ(ベース)、アレックス・ゴンサレス(ドラム)というのが現在のラインアップである。 本盤『カマ・インセンディアーダ(Cama incendiada)』は、2015年に発表された彼らの9枚目のスタジオ作である。アルバムのタイトルは“火をつけられたベッド”の意味で、収録曲(2.)の表題であるが、アルバム・ジャケットには文字通り炎と煙を上げて燃え盛るベッドの写真となっている。出身国メキシコのチャートで2位のほか、アルゼンチンや米国ラテン系チャートで1位、さらには全米ビルボードのチャートでも15位という結果を残した。 この作品の全体的な印象としては、“落ち着き”と“安定感”である。1980年代や1990年代のような勢いが感じられないのは事実である。けれども、マナー節全開の曲が多く、独特のフェルのヴォーカルも健在である。そして何よりも、貫禄十分とでも言えるような、完成度の高い演奏が並ぶ。 いくつか聴きどころと思う曲を挙げておきたい。4.「イロニーア(アイロニー)」は、マナー得意のバラード調のナンバー。6.「ミ・ベルダー(我が真実)」は、コロンビア出身の有名女性シンガー、シャキーラと共演したもので、アルバムに先行してシングルとして発売された曲である。7.「スアベシート」は、筆者的にはこういう曲こそいかにもマナーらしくて好みといったナンバー。ついでに、面白い曲としては、10.「ソモス・マス・アメリカーノス」がある。“俺たちの方がずっとアメリカ人”という表題の曲だが、自分たちが移動(移民)したのではない、国境が動いてきたのさ(米墨戦争でメキシコ領がアメリカ領に変わったことを指す)、と歌うこの曲は、米国で人気を集めるこのバンドが、メキシコ人であることにアイデンティティを感じ続けていて、なおかつ、米国内のラテン系オーディエンスも意識している結果ということを示しているようで面白い。[収録曲]1. Adicto a tu amor2. La cama incendiada3. La prisión4 Ironía5. Peligrosa6. Mi verdad [con Shakira]7. Suavecito8. La telaraña9. Electrizado10. Somos más americanos11. La telaraña [Remix]2015年リリース。 【輸入盤CD】Mana / Cama Incendiada (マナ) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2021年11月07日
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