彼女の本名はマリーア・グアダルーペ・アラウホ・ヨングといい、母方に東洋系(中国移民)の血を引く。1979年にアナ・ガブリエルという芸名で活動を始め、1980年代にはOTI(Organización de Televisión Iberoamericana、イベロアメリカ・テレビ協会)というスペイン語・ポルトガル語圏のテレビネットワークが主催するフェスティバルで優勝している。
アナ・ガブリエルの音楽は、ラテン・ポップ/ロック系とランチェラ系の2種に大別される。好みが分かれると思うので、この人のアルバムを買う時は、どちらの系統かに注意が必要だ。1995年発表の本作『二百年の至宝(Joyas de Dos Siglos、ホーヤス・デ・ドス・シグロス)』はアナ・ガブリエルにとって11枚目のアルバムで、本格的にランチェラ音楽を扱った最初のものである。本盤は、一見してジャケットからランチェラ系とわかるもので、メキシコの伝統衣装に身を包んだアナ・ガブリエル本人のセピア色のポートレートが中央にあり、左右にギターが配された、メキシコのランチェラ・アルバムにしてはなかなか洒落たジャケット・デザインだ(ちなみにランチェラに多いのは、伝統衣装に身を包んだ歌手のカラー写真がこれ見よがしに前面に配置されたようなパターンである)。
[収録曲] 1. Clemencia 2. Viejo Amor 3. Aburrido Me Voy 4. Ya Se Va la Embarcación 5. La Despedida 6. Reconciliación 7. Hay Unos Ojos 8. Flor Triste 9. Boda Negra 10. Marchita el Alma 11. A la Orilla de Un Palmar 12. Pobre Bohemio 13. Adiós Mi Chaparrita 14. La Barca de Oro 15. Valentín de la Sierra