ティムバック3(ティムバック・スリーと読む)は、主に80年代後半に活躍したオルタナ=ポップ・バンドである。バンドといっても、その実態は基本的にはデュオで、パット・マクドナルドとバーバラ・クーイマン(バーバラ・K)という2人組(夫婦)で、これら2名にドラム・マシンのプログラミングを加えて、バンド名の“3”となったらしい。本作『グリーティング(Greetings from Timbuk 3)』は、1986年にリリースされた彼らのファースト・アルバムで、80年代の初期3作の中でとりわけ彼らの基本的スタンスがはっきり表れている。おまけに個々の楽曲の質も高いということから、彼らを知るには最適な1枚であろう。
R.E.M.の初期作同様、ティムバック3の本作も、当時衆目を集めていた全米カレッジ・チャートで上位を記録し、その勢いでもってメジャーにのし上がってきた。この点ではR.E.M.と似たシーンへの登場の仕方だった。しかしながら、このバンドはセールス面が思うように伸びたわけではなく、本盤は英米ともにチャート最高位は50位程度にとどまった。シングル曲についても、本盤からのシングル1.「フューチャー(The Future Is So Bright, I Gotta Wear Shades)」が辛うじてチャートインしたに過ぎず、やがてメンバー2人もヨーロッパのマイナー・レーベルからアルバムをリリースするなど、ワールドワイドな活動からは遠ざかっていって現在に至る。
1. The Future’s So Bright, I Gotta Wear Shades 2. Life Is Hard 3. Hairstyles and Attitudes 4. Facts About Cats 5. I Need You 6. Just Another Movie 7. Friction 8. Cheap Black and White 9. Shame on You 10. I Love You in the Strangest Way