音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2010年08月01日
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テーマ: 洋楽(3407)




 本作『テイルズ(Tails)』は、1995年にリリースされたリサ・ローブ(Lisa Loeb、正確には本作の名義はLisa Loeb & Nine Stories)のファースト・アルバム。つまりは、これがデビュー・アルバムなのだが、実はその前にナンバー・ワン・シングルを放っているという変わった経緯がある。1994年の映画『リアリティ・バイツ』のサウンドトラックに収録された「ステイ」(本盤13.)が大ヒットしたのだが、この時にはレコード会社とレコーディング契約すらなく、未契約アーティストしては史上初のナンバー・ワン・ヒット(ビルボード、シングル・チャートで1位)という珍記録を打ち立てていた。そんな彼女が翌年にゲフィン・レコードと契約し、デビュー作として発表したのがこのアルバムというわけだ。

 この人の歌には、歌の中に聴き手を引き込む力がある。同じく女性で有名なシンガー・ソング・ライターを引き合いに出すならば、スザンヌ・ヴェガやトーリ・エイモスといった人たちと共通するような部分がある。しかし、彼女らとの違いを言えば、スザンヌ・ヴェガのように内省的でもなく、トーリ・エイモスのように強烈に個性的な世界を展開しているわけでもない。リサ・ローブの歌はもっとシンプルでスタンダードな印象が強い。収録曲はいずれも自作曲だが、その内容は日常の風景、あるいは作者自身の等身大の姿と思しきものだ。にもかかわらず、聴き手を引き込んでいく魅力がこの人の歌声にはある。

 作詞作曲、あるいは楽曲の解釈方法、各曲の演奏の音作りといったアルバム制作の諸段階は、アーティストとして気合いの入る作業のはずである。けれども、想像するに、このリサ・ローブという人は結構気軽にこれらの作業をやっているのではないだろうか。無論、手を抜いてるというわけじゃない。適切な表現が見当たらないのだけれども、さしあたり“背伸びをしていない”とでも言えばいいのだろうか。無理に難しいことをしない。ありのままに表現をする。だからこそ、聴き手の心にすんなり届く作品ができあがり、結果、リスナーが知らず知らずのうちに彼女の歌声に引き込まれていく。

 その後、リサ・ローブは毎年というような頻度ではないものの、数年おきにアルバムを発表し、これまでに計7枚のアルバムをリリースしているらしい。筆者がちゃんと聴いたのは、現時点では、このデビュー作を含めてほんの数枚に過ぎない。そのうち7枚全部を徐々に聴いてみたいと思いつつ、現在のところなかなかそれを達成できていない。他にもいい作品があるので機会があれば(そしてもっと多くのアルバムを聴きこんだ後には)、本項の続きをお伝えしたいと思う。



[収録曲]

1. It's Over
2. Snow Day
3. Taffy
4. When All the Stars Were Falling
5. Do You Sleep?
6. Hurricane
7. Rose-Colored Times
8. Sandalwood ?acoustic version-
9. Alone
10. Waiting for Wednesday
11. Lisa Listen
12. Garden of Delights
13. Stay (I Missed You)
14. Sandalwood ?band version-(日本盤ボーナストラック)

1995年リリース。




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Last updated  2010年08月02日 00時12分08秒
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