音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2012年01月12日
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テーマ: 洋楽(3407)




 1990年代以降、2000年代にかけての洋楽シーンというのは、ジャンルの細分化が進み、聴き手にとって非常にわかりにくくなってしまったと思う。なおかつ、そういう細分化の一方で、その細分化されたジャンルに収まりきらないバンドやアーティストが続々と出現し、ジャンルの分類が意味を成さなくなるという矛盾も引き起こされた。脳ミソが単純な筆者にしてみれば、全部“ロック”でもいいのではないか、と思ったりさえすることもあるのだけれど…。

 ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン(Jon Spencer Blues Explosion、以下、JSBXと略す)もまた、いったいどんなジャンルに属するのかよくわからなくて困ってしまうタイプである。ありきたりな言い方ではあるが、細分化されたジャンル分けの中では到底収まりきれず、複数ジャンルにまたがる音楽をつくっている。JSBXは1990年にニューヨークで結成されたバンドで、フロントマンのジョン・スペンサーは80年代後半には、プッシー・ガロア(Pussy Galore)というバンドで活動していた。長らくJSBXとして活動したが、2004年からはバンド名を単にブルース・エクスプロージョンと変えて活動を続けている。

 本盤をかけ始めると、いきなりの奇声が響き渡る。が、ここでドン引きしたり、聴くのをやめてしまってはいけない。引き続きこのアルバムを一聴すると、ノイジーでミクスチャーなサウンドが耳につく。しかし、落ち着いて聴き進むとどうだろう。単にノイジーな音楽ではないということがすぐわかる。JSBXの音楽の基盤となっているのは、パンクとブルースなのである。しかし、実際にアルバムで鳴っている音はパンクでもなければブルースでもない。これがこのアルバムの不思議なところだ。

 音の主な特徴としては、エフェクトの少ないギターにこもったヴォーカルの音、ドラムスの構成が極めてシンプルな点、あとはベースレスのトリオといったところ。パンクやブルース、さらにはヒップホップ等様々にジャンル分けされる音楽の“断片”が確かに随所で聴こえてはくる。けれども、不思議なことに、全体としてはなぜだか全く別物の音楽なのだ。言い換えると、既存音楽をいったん解体し、それを組み立てなおしで別の新たなものに仕立てられている。ジョン・スペンサーは類まれなる才能の持ち主ということがよくわかる。



[収録曲]
1. Skunk
2. Identify
3. Wail
4. Fu●ck Shit Up
5. 2 Kindsa Love
6. Love All Of Me
7. Chicken Dog
8. Cool Vee *日本盤ボーナス・トラック
9. Get With It *日本盤ボーナス・トラック
10. Rocket Ship
11. Dynamite Lover
12. Hot Shot
13. Can't Stop
14. Firefly Child
15. Eyeballin
16. R.L. Got Soul
17. Get Over Here
18. Sticky

1996年リリース。







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