音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2012年05月01日
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 ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin)は1943年、米国テキサス州生まれの白人女性ブルース・シンガー。17歳で家出し、サンフランシスコへ辿り着いた彼女は、この町を拠点とするビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーにヴォーカリストとして加入。その活動で全米に知られるシンガーへと成長していく。

 しかし、その栄光も長く続くわけではなかった。上記のホールディング・カンパニーの活動でジャニスが知られるようになったのは1967年のことだった。その後、一緒に活動するバンドメンバーを変え、試行錯誤をしながら活動を展開するも、1970年にジャニスは急死している。死因は服用していた薬の中毒だったという。ちょうどこの死が訪れる数か月前、ジャニスは新たなアルバムの制作に入っていた。結局、突然の死によってこのアルバムは完成にはいたらなかったわけだけれど、遺作として翌1971年初頭に発表された。このアルバムこそが本盤『パール(Pearl)』である。

 有名な1.「ジャニスの祈り(ムーヴ・オーヴァー)」からして、もはや完成の域に達したジャニスのヴォーカルが激しく響く。上のようにアルバム制作中に亡くなったため、5.「生きながらブルースに葬られて(ベリード・アライヴ・イン・ザ・ブルーズ)」は、ヴォーカル・トラックがない。つまり、本来はここにヴォーカルが入るべきであったインストの演奏のみが収録されている。ジャニスが亡くなった後からしてみれば、題名からして何とも暗示的な曲である。ここにどんなヴォーカルが乗っかったのであろうかを想像しながら聴くと、何度聴いてもジャニスの死が悼まれる。だけれども、それと同時にバックバンド、フル・ティルト・ブギーの演奏力にも目を見張るものがある。

 バンドは、コズミック・ブルース・バンドからのメンバーであるジョン・ティル(ギター)とブラッド・キャンベル(ベース)に加え、新たなメンバー2人(ピアノのリチャード・ベル、ドラムのクラーク・ビアソン)が入っている。演奏を聴く限り、このメンバー編成に至って、ついにジャニスは存分に歌い切れる環境を得たんではないかと想像する。まだまだ成長し名作を残し得た、そんなタイミングで死を迎えたからこそ、ジャニスは伝説になったということだろうか。否、そうではないような気がする。本盤を聴くと、その後の生死に関係なく、つまりは、この後ジャニスがもし仮に生き延びていたとしても、もうこの作品の内容だけで“伝説”となり得たように思う。そうは言っても、聴き手としては、ジャニスの死を連想せずに聴くことが難しいのも事実だけれど。




[収録曲]

1. Move Over
2. Cry Baby
3. A Woman Left Lonely
4. Half Moon
5. Buried Alive In The Blues
6. My Baby
7. Me And Bobby McGee
8. Mercedes Benz
9. Trust Me
10. Get It While You Can

1971年リリース。






パール/ジャニス・ジョプリン[CD]【返品種別A】







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Last updated  2012年05月01日 06時25分41秒
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