音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2012年06月09日
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 主に70年代に活躍し、数多くのヒットを残したカーペンターズ(Carpenters)。兄リチャードと妹カレンによるこのポップ・デュオは、1969年にデビューし、70年代に数多くのヒット曲を残した。80年代に入り、勢いは衰えるものの、摂食障害で1983年にカレンが死亡した後も、リチャードは編集盤や未発表音源の編集を続け、人気を博している。活動停止後のシングルのヒット・チャート上昇、90年代~00年代のコンピ盤の異常な多さはその人気が息の長いものであることを裏づけている。

 さて、彼ら兄妹の代表曲は何かと問われると、選択肢が多過ぎて、正直、即答に困る。実際、ヒット曲を編んだベスト盤類も、上述の通り多数に及ぶ。そんな中で筆者がわりによく聴いたベスト盤はというと、活動当時に出された『ザ・シングルス』(1969-1973の1枚目と、1974-1978の2枚目がある)、それからカレンの死後まもなく出された2枚組の『イエスタデイ・ワンス・モア』。いずれも、カセットテープの頃によく聴いたアルバムである。数年前、この後者の方をCDで入手し、久々に落ち着いてシングル曲のオンパレードをベスト盤で聴ける環境になった。そこで今回の記事を思い立ち、何回シリーズになるかは分からないけど、不定期でカーペンターズのシングル曲を取り上げたい。

 ひとまず第1回は、カーペンターズのデビュー・シングルとなった「涙の乗車券(Ticket To Ride)」。よく知られているように、原曲はレノン=マッカートニー(実質的にはジョン・レノン)作のビートルズの有名曲。ビートルズは1965年に9枚目のオリジナル・シングルとしてこの曲をヒットさせており、カーペンターズはこれをリメイクして1969年のデビュー曲とした。

 大きな特徴は次の二点と言える。一つは、テンポが大幅に落とされ、バラード調な雰囲気になっていること。ドラムを叩きつつ、カレンはビートルズのヴァージョンのようにアップテンポで攻めるのではなく、しっとりと歌うという選択をとった。もう一つの特徴は、歌詞の内容が、女性が歌う仕様に若干変更された点。具体的には、歌詞の中の“girl”が“boy”に、“she”が“he”に変えられると言った変更が加えられている。

 結局、この曲のチャート上の反応はいまいちで、全米チャートでは54位どまりに終わっている。けれども、詞を明瞭かつきれいに歌いこなす抜群の歌唱は既に完成されており、音楽シーンがロックな方向性を強める中、内容の良しあしとは裏腹に、簡単にはチャート・アクションに反映されなかったというところだろうか。

 ちなみに、グループ(デュオ)名は、“カーペンターズ”で、A&Mの契約時に、兄妹は定冠詞の“The”をつけない(つまり、The Carpentersではない)という選択をしたとのこと。その理由は後に兄リチャードが“ザ・~ズ”じゃない方がカッコいいと思ったからと述べている。

 ともあれ、カーペンターズの栄光の足跡はここから始まった。









[収録アルバム]

Carpenters / Offering(後にTicket To Rideと改題) (1969年)
その他、Carpenters / Yesterday Once More (ベスト盤、1984年)などベスト盤類に収録。

1969年、シングル・リリース。


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愛しの名曲たち(2)~「遥かなる影((They Long To Be) Close To You)」






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Last updated  2012年06月21日 06時13分33秒
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