ところで、アルバム邦題の『オーロラの救世主』は収録曲6.の邦題(「オーロラの救世主、原題:Livin’ Thing」)から採られたもの。対して本来のアルバムタイトル『A New World Record』は、邦題と原語では食い違って、収録曲4.の副題(「ミッション、原題:Mission(A New World Record)」)である。そして、この“ア・ニュー・ワールド・レコード”というのは、録音当時オリンピックが開催されていた(1976年はモントリオール五輪)ためとも言われる。後年、ジェフ・リン本人の言葉によれば、“各曲が浮かび始め、しかもそのほとんどはあっという間に自分の中ででき上がっていった”と述べていることからして、次々に曲作りが進んだという点でも“世界新記録”の気分だったのかもしれない。