音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2013年05月03日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ




 ソニー・スティット(Sonny Stitt, 1924年生、1984年没)は、ビバップ~ハードバップで活躍したジャズ・サックス奏者。チャーリー・パーカーに似た演奏をすることから“バードのコピー”みたいな言われ方をされてしまうことが多いが、実際のところは、パーカーを模倣したわけではなく、偶然同じような演奏スタイルにたどり着いただけで、スティット自身が述べているところでは、パーカーとの間でも互いにそれを認め合っていたとのこと。とはいえ、パーカー存命中はアルト・サックスの演奏を意図的に避け、しばしばテナー・サックスに持ち替えた。

 本作『ナウ!(Now!)』は、1963年、インパルスへ録音のワンホーン(カルテット編成)盤。スティット自身、40歳手前という年齢の頃で、ここでもアルトとテナーを持ち替えながらの演奏が繰り広げられている。まさに脂の乗り切ったころのワンホーンがしっかり堪能できる盤といった作品である。

 冒頭の1.「サーフィン」からして、その軽妙さに思わず乗せられてしまう。3.「エストラリータ」の軽やかさも、6.「ネヴァー・シ!」や7.「マイ・マザーズ・アイズ」のベタベタな感じのサックスの加減も、全編を通じてスティットのサックスはストレートで正直だ。ついでにもう一つ個人的お気に入りも挙げておくと、8.「アイム・ゲティング・センチメンタル・オーヴァー・ユー」の軽妙さなんかは非常に気持ちいい。

 でもって、この作品の演奏を聴いていると思い浮かんでくる感想なのだけれど、“スティットを聴く”ということを馬鹿にするジャズ・ファンがいるのも分からないではないという気がしてくる。小難しくジャズを聴きたい人には、スティットの演奏はしばしばストレートで正直すぎる(悪く言えば、“わかりやすすぎる”)部分もあるのだろう、という意味でにおいて、そう思ったりする。けれども、ビバップ的な演奏の醍醐味は、わかりやすく楽しく聴かせる部分にあるとういのも一理あるんじゃないだろうか。

 新しいことや革新的なこと(それは時に小難しい聴き方を聴き手に要求することにもなる)を追い求めつつ、演奏を楽しむのもいいだろう。けれども、その一方で、こういう素直な演奏を素直に楽しむという発想もあってもいいように個人的には思う。シンプルに楽しく軽妙なスティットのワンホーンに乾杯!



[収録曲]

1 Surfin'
2 Lester Leaps In
3 Estralita
4 Please Don't Talk About Me When I'm Gone
5 Touchy
6 Never -Sh!
7 My Mother's Eyes
8 I'm Getting Sentimental Over You


[パーソネル、録音]

Sonny Stitt (ts, as)
Hank Jones (p)
Al Lucas (b)
Osie Johnson (ds)

1963年6月10日録音。






Sonny Stitt ソニースティット / Now & Salt & Pepper 輸入盤 【CD】







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Last updated  2013年05月03日 05時45分47秒
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