音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2014年04月22日
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 音楽というか“音”の表現の仕方には、二通りのアプローチがあるように思う。頭の中の“音”から出発するタイプと、楽器から出発するタイプとでも言えばいいだろうか。結果、行きつく先は似ているのかもしれないけれど、前者の代表がジミ・ヘンドリックス、後者の代表がジェフ・ベック(Jeff Beck)ではないかと思って見たりもする。

 つまりは何が言いたいかというと、ジェフ・ベックの場合、自身が演奏するエレクトリック・ギターという楽器にどんな音が出せるかというチャレンジからスタートしているのではないだろうか、ということである。“表現したい音”ありきでその音の出し方を考えるのではなく、ここにあるギターにどんな音が出せるのだろうか、と考えていそう。結果としては、どちらも革新的な音が生まれてくることになるのだけれど、ギタリストとしてのテクニックに秀でたジェフ・ベックらしい思考方法が、この作品の背後にあったように思える。

 ヤードバーズ、ジェフ・ベック・グループ(第1期、第2期)、 ベック・ボガート・アピス と活動の場を変えてきて、この1975年発表ののアルバム『ブロウ・バイ・ブロウ(Blow By Blow)』にプロデューサーとして迎えられたのはジョージ・マーティン。これまでとは違い思い切ったイントゥルメンタル・アルバムという企画だったが、インスト盤としては異例のヒット(ビルボード4位)を記録した。これまでのロック畑のバックグラウンドのみならず、ジャズやフュージョンの要素も取り込まれ、エレキギターの可能性を存分に広げられることを示す作品となった。

 収録曲の中で注目なのは、ヴォーカルラインのメロディをギターで見事に聴かせるビートルズの2.「シーズ・ア・ウーマン」、さらにじっくり聴かせるタイプのスティーヴィー・ワンダーの曲の6.「哀しみの恋人達」、軽快さが心地よい1.「分かってくれるかい」、ジョージ・マーティンのオーケストラ・アレンジとベックのギターがうまく調和した長編ナンバーの9.「ダイヤモンド・ダスト」、といった辺りが筆者のお気に入り。既に発表から40年近く経つとはいえ、あらためて聴けば“ギターにこんなことができるのか”、“ああ、こういう風にギターを操ってみたい”と思わされるフレーズが詰まっていて、その意味では、決して過去の時代の産物ではなくて、これからも聴き継がれたい名盤なのだと思う。

 余談ながら、かつての邦盤タイトルは『ギター殺人者の凱旋』。多少引いてしまいそうなタイトルの付け方だけれど、これから始めて聴く人は、“殺されそうな怖いサウンド”では全然ないので、ご安心を(笑)。




[収録曲]

1. You Know What I Mean
2. She's a Woman
3. Constipated Duck
4. Air Blower
5. Scatterbrain
6. Cause We've Ended as Lovers
7. Thelonius
8. Freeway Jam
9. Diamond Dust

1975年リリース。






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Last updated  2014年04月22日 07時31分07秒
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