音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2014年05月30日
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テーマ: 洋楽(3407)




 スティーヴン(スティーヴ)・ウィンウッド(Stephen/Steve Winwood)は、1948年、イギリスはバーミンガム出身のミュージシャン。15才の時にスペンサー・デイヴィス・グループに参加し、早々にヒットもあって世間の注目を集めるが、1967年に同グループを脱退。自身が中心(ヴォーカル、ピアノ、オルガン、ギターなどを担当)となってデイヴ・メイソン(ギターのほかシタール、パーカッションなど)、ジム・キャパルディ(ドラム、パーカッション)、クリス・ウッド(テナーサックス、フルート、パーカッション)とともにトラフィック(Traffic)を結成し、このバンドとして同年にデビュー盤『ミスター・ファンタジー(Mr. Fantasy)』を発表した。

 この時まだ19歳の“神童”スティーヴは、どこまでも個性的だったのだろう。一例を挙げると、本盤発表当時の“自分以外でなりたい人は?”の質問に“自分以外になりたくない”と答えている。そんな“自己がしっかりしすぎた19歳の天才”でもあったせいか、早くからD・メイソンとのすれ違いは決定的で、彼の名はアルバム発表時には既にトラフィックのメンバーの中になかった。このアルバムからは立て続けにヒット曲が出たが、全体を通して聴いた時、やはり一部(主に英国)にあった新たなポップ・バンド的見方ではなく、“ロックの進化論”の中で考えを巡らせたくなる内容の一枚だと思う。

 といったわけで、その“神童”は実験を行うためにスタジオに入った。実験は、目的が決まっていたというよりは、一定の“実験器具”が集められ、それをベースにあれもこれも試されたのではないかと想像する。例えば、4.「ノー・フェイス、ノー・ネーム、ノー・ナンバー」なんかは、聴いていてまさしく“着地点を探している感じ”がするのが面白い。その他に3.「ハウス・フォー・エヴリワン」、6.「ディーラー」、10.「ギヴィング・トゥ・ユー」なんかも“いかにも実験中”という印象を受ける。逆に、一定の完成度で楽しめる楽曲としては、1.「ヘヴン・イズ・イン・ユア・マインド」、表題曲の5.「ディア・ミスター・ファンタジー」、8.「カラード・レイン」あたりが挙げられるだろうか。そのようなわけで、この『ミスター・ファンタジー』は、完成作とはいいがたい部分もあるかもしれない。けれども、スペンサー・デイヴス・グループで人気を博した天才児の次なる探求として、そして何よりもその時期のロック音楽が次に行きつく先を模索するドキュメントを伝えるという意味において、いろいろと思いも巡らせながら聴くことで楽しめる盤と言えるように思う。



[収録曲]

1. Heaven Is in Your Mind
2. Berkshire Poppies
3. House for Everyone
4. No Face, No Name, and No Number
5. Dear Mr. Fantasy
6. Dealer
7. Utterly Simple
8. Coloured Rain
9. Hope I Never Find Me There
10. Giving to You







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Last updated  2014年05月30日 08時51分00秒
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