音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2014年11月07日
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テーマ: 洋楽(3407)
1980年代前半、ジョー・ジャクソンの代表盤


 1954年英国出身のミュージシャン、ジョー・ジャクソン(Joe Jackson)は、70年代末から現在まで活躍しているミュージシャンだけれど、その代表作はと訊かれるとなかなか一筋縄ではいかない。初期にはジャイヴやラテン音楽への系統を示したかと思えば、その後もジャズやクラシックの影響(極めつけはオーケストラ演奏盤の『ウィル・パワー』というアルバムもあった)、またその後にはうつ病で休止期間を経てからのシンプルなロック編成バンドへの復帰と、長いキャリアで音楽性を次々に変化させてきたという側面があるからだ。

 とはいえ、代表作の一つ(上述の経緯のため、確かに“これぞ代表作”は難しいかもしれないが)と言えそうなのが、1982年の5th作『ナイト・アンド・デイ(Night and Day)』である。アルバムのチャート・アクション、シングルのヒットと売り上げや大衆的人気の面から代表盤であるというのは、あながち間違ってはいない。

アルバムのチャート順位としては、全英3位、全米4位、さらにはオランダで2位を記録した。シングル曲としては、5. 「夜の街へ(ステッピン・アウト)」 がイギリスとアメリカで6位(カナダでは4位)、グラミーにもノミネートされた。さらには、6.「危険な関係(ブレーキング・アス・イン・トゥー)」も全米18位(イギリスでは59位)を記録した。

これら2曲は本作のハイライトの一部ではあるけれども、別項で書いたように、9. 「スローな曲をかけてくれ(ア・スロウ・ソング)」 は聴き逃せない最大のハイライトである。さらに本盤の秀逸な点をもう一つ付け加えると、その緩急(もしくは全体としての流れのよさ)にある。6.や9.のようなきれいなメロディばかり聴かされては、聴き手は飽きそうなものである。けれども、実際に本盤を聴けば分かるように、もう少しアップテンポな曲と、じっくり聴かせる曲がうまく織り交ぜられている。しかもそれらをつなぐ共通項は、“都会的”という表現になるように感じる。アルバム表題はコール・ポーターから採ったとのことだが、アメリカ、都会、ニューヨーク(実際、ニューヨーク録音だったりする)といったキーワードが緩急ある楽曲群を一括りにしているという感じがする。

 そのようなわけで、ほとんど文句のつけようのないアルバムなのだが、唯一、LP時代から気になっていることがある。手持ちのCD(だいぶ古い米盤)もそうなのだけれど、妙に音圧が低い。現行のCDでは改善されているのだろうか…。ちなみに、LP時代のA面(1.~5.)は“Night Side”、B面(6.~9.)は“Day Side”と名付けられていて、アルバム表題の“夜”と“昼間”に対応した曲の並びになっている。



[収録曲]

1. Another World
2. Chinatown
3. T.V. Age
4. Target
5. Steppin’ Out
6. Breaking Us In Two
7. Cancer
8. Real Men
9. A Slow Song

1982年リリース。





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【輸入盤CD】Joe Jackson / Night And Day (ジョー・ジャクソン)






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