音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2016年06月14日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ




 ボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)は、1935年フィラデルフィア出身のジャズ・ピアニスト。若くして(といっても38歳で死去したため、結果的には既に人生の半分ぐらいだったわけだけれど)ニューヨークに出て、ハードバップ華やかなシーンに活躍の場を得た。1956年にケニー・ドーハム率いるジャズ・プロフェッツに参加したほか、同年には チェット・ベイカーとの吹込み 、1957年には こちらの盤 などにも参加している。

 彼の名が広く知れ渡ったのは、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズに加わり、 「モーニン」 を残したことによる。この後、1959~60年にかけては、キャノンボール・アダレイのクインテットでも「ジス・ヒア」や「ダット・デア」という名曲を残した(参考過去記事 (1) (2) )。

 そんなボビー・ティモンズが自身のトリオで吹き込んだ、代表盤とされるのがリバーサイド盤『ジス・ヒア(This Here Is Bobby Timmons)』である。上で述べたように、既に有名曲の作者として名をあげていたことから、ジャケットには“The Pianist-Composer of “This Here” “Moanin’” “Dat Dere””と記されている。

 というわけで、まず聴き手にとって注目曲となるのは、1.「ジス・ヒア」、2.「モーニン」、6.「ダット・デア」ということになるだろう。“ファンキー”という文句で安易に括りたくはないのだけれど、敢えてこの言葉を使うなら、ファンキーなティモンズ節のピアノ演奏が展開される。彼のピアノを聴いていて思うのは、さらりと聴き逃せない粘っこさという風に感じる。左手は泥臭さやアーシーなブルースらしさを醸し出す。その一方で、右手はさらりと流れるフレーズの随所で“引っかかり”がある。おそらくこの組み合わせが、べったりブルージーでもなければ、流れるような聴きやすさでもないという、微妙なバランスを出すもとになっているのだろう。

 他の聴きどころもあげておきたい。スタンダードの定番である7.「マイ・ファニー・バレンタイン」や8.「降っても晴れても」では、いかにもな“ファンキーさ”は少し影を潜め、いくぶん静かに“ティモンズ節”を展開する演奏になっている。個人的には、もう少し個性を強く出してもよかったのかななどと思わないでもない。やはり自作曲の方がある意味本領発揮しやすいのだろうか、上記の最有名曲以外では、9.「ジョイライド」の演奏が聴き逃せない。



[収録曲]

1. This Here
2. Moanin'
3. Lush Life
4. The Party's Over
5. Prelude to a Kiss
6. Dat Dere
7. My Funny Valentine
8. Come Rain or Come Shine
9. Joy Ride


[パーソネル、録音]

Bobby Timmons (p), Sam Jones (b, 3.を除く), Jimmy Cobb (ds, 3.を除く)
1960年1月13・14日録音。






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Last updated  2016年06月14日 06時09分17秒
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