音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2016年10月31日
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テーマ: 洋楽(3407)




 トレイシー・ネルソンは、1944年生まれの米国人シンガー。1964年にデビュー盤となるカントリー・アルバムを出しているものの、彼女の活動が注目されるのは、1967年にサンフランシスコへ拠点を移し、マザー・アース(Mother Earth)のヴォーカルとしての活躍によるものだった。このバンドは決して派手な商業的成功はなかったものの、西海岸的というよりはルーツに根ざした泥臭い音楽を展開していく。最初はバンド名がマザー・アースで、トレイシー・ネルソンはそのフロントという役割だったが、やがてバンドが発表する作品の名義も“トレイシー・ネルソン/マザー・アース”となり、最終的にバンドは解散。彼女のソロ名義での活動がスタートすることとなる。こうした中で1974年にリリースされたのが本盤『トレイシー・ネルソン(Tracy Nelson)』であった。

 そのようなわけで、マザー・アース時代からの延長線上にあるといってよいのだろうが、トレイシー・ネルソンの魅力はその歌唱にある。ブルース、ゴスペル、カントリー、そして南部のルーツ音楽臭が組み合わさって、時に情感たっぷりに、時に豪快な歌いっぷりが魅力と言える。

 収録曲の中から特におすすめのナンバーをいくつか挙げておきたい。1.「スロウ・フォール」は、マザー・アースの頃から曲を書いていたジャック・リーのナンバーで、曲も歌唱も抜群にいい。5.「悲しみは果てしなく」はボブ・ディランのナンバーだが、本盤がテネシー州ナッシュビルでの録音で、ボブ・ディランのアルバム(例えば こちら )を手掛けたボブ・ジョンストンが本盤をプロデュースしたと言われればなるほどといったところだろう。

 続く6.「アフター・ザ・ファイアー・イズ・ゴーン」では、ウィリー・ネルソンがデュエット相手として、リンダ・ロンシュタットがバッキング・ヴォーカルで参加しているのが注目点。7.「リーン・オン・ミー」は、ビル・ウィザーズのヒット曲だが、個人的に大のお気に入り曲( 参考過去記事 )で、トレイシー・ネルソンが歌うこの曲はどっしりと構えた迫力があってなかなかの仕上がり。10. 「ダウン・ソー・ロウ」 は言わずと知れた彼女の代表曲で、この1曲だけでも本盤を聴く価値がある。

 “素晴らしいアルバムだったけれど、誰も買ってくれなかった”とは、トレイシー・ネルソン自身の弁だそうだけれど、今からでも遅くない。アルバムは、LPがCDに、あるいはデジタル・ミュージックに移っても、これから皆が買ってその“素晴らしいアルバム”をまだまだ楽しめばよいと思う。


[収録曲]

1. Slow Fall
2. Love Has No Pride
3. Hold An Old Friend's Hand
4. Rock Me In Your Cradle
5. It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry
6. After The Fire Is Gone
7. Lean On Me
8. I Wish Someone Would Care
9. Lay Me Down Easy
10. Down So Low

1974年リリース。




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Last updated  2016年10月31日 06時32分21秒
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