音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2016年11月06日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ




 スタン・ゲッツ(Stan Getz)は白人テナーの最高峰とされるサックス奏者。1927年フィラデルフィア生まれで、1940年代から1991年に亡くなるまで約半世紀にわたってジャズ・ミュージシャンとして活躍した。1960年代前半にはボサノヴァを取り込んで大ヒットさせるが、それよりも前、1950年代前半が彼の絶頂期と言われたりすることも多い。本盤『スタン・ゲッツ・プレイズ(Stan Getz Plays)』は、まさしくその1950年代前半の吹き込みで、ヴァーヴ・レーベルでの最初のセッション(1952年12月12・29日)を収めたもの。ヴァーヴでの吹込みは1971年まで20年近くにわたって続くことになるが、スタン・ゲッツのキャリア全体を見ても代表作としてよく名前の挙げられるのが本盤である。

 スタン・ゲッツの調子がいい時の盤はどれも素晴らしいと思うけれど、本盤のいちばんの“売り”は、流れるようでいてしばしばノリを失わない勢いのよさにあると感じる。しっとりというよりは、勢いがあり、とめどなく湧き出してくるかのようなインプロビゼーション。しかもそれをやっているほとんどすべての曲(11曲中10曲)が、いわゆるスタンダード・ナンバーである。

 そうした勢いを如実に表すのは、やはりアップテンポの曲調のもの。そうした例として筆者のお気に入りは、有名なナンバーの4.「今宵の君は(ザ・ウエイ・ユー・ルック・トゥナイト)」および5.「恋人よ我に帰れ(ラヴァー・カム・バック・トゥ・ミー)」、そしてジジ・グライス作の10.「ヒム・オブ・ジ・オリエント」。

 テンポを落としたバラード調の曲でも、その溢れ出るフレーズは止まらない。どの曲も捨てがたいけれど、いくつか例を挙げるなら、7.「アラバマに星落ちて(スターズ・フォール・オン・アラバマ)」や11.「ディーズ・フーリッシュ・シングズ」など、ゆったりなはずの曲でも、音にはしっかりとした力強さがあり、次から次へと音が繰り出されてくる。活躍時期が長い人物なので、どの時期が代表盤かと言うといろんな意見があるだろうけれど、この盤はまぎれもない代表盤の一つになるべきだし、時代が変わっても聴き継がれる名盤の典型的な例でもあると思う。



[収録曲]

1. Stella By Starlight
2. Time On My Hands
3. ’Til Autumn
4. The Way You Look Tonight
5. Lover Come Back To Me
6. Body And Soul
7. Stars Fell On Alabama
8. You Turned The Tables On Me
9. Thanks For The Memory
10. Hymn Of The Orient
11. These Foolish Things (Remind Me Of You)
12. How Deep Is The Ocean *CD追加曲

[パーソネル・録音]

Stan Getz (ts)
Jimmy Raney (g)
Duke Jordan (p)
Bill Crow (b)
Frank Isola (ds)

1952年12月12日・29日録音。




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スタン・ゲッツ・プレイズ+1/スタン・ゲッツ[SHM-CD]【返品種別A】





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Last updated  2016年11月06日 17時47分49秒
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