音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2022年06月02日
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貫禄が増したグラミー受賞作


 ソエー(Zoé)は、メキシコのクエルナバカ(モレーロス州の州都)で結成されたオルタナティヴ・ロック・バンド。レオン・ラレーギ(León Larregui)を中心メンバーとする5人組で、メキシカン・ロック独特のリズム感に加え、スペース・ロックやサイケデリック・ロックといった幻想的なサウンドの影響の強い音楽が彼らの特徴の一つとなっている。2001年のデビュー盤から6枚目のスタジオ作となったのが、2018年リリースの本盤『アストラン(Aztlán)』である。

 表題の“アストラン”というのは、メキシコ人の祖先である古代アステカの人たちの遥かなる故郷の地の名前。表題曲は7曲目に収録されているが、この曲に限らず、アルバム全体を通じて、幻想的な独自世界が表現されている。なおかつ、これ以前のアルバムと比較すると、落ち着きが増したというか、貫禄がついたというか、とにかく安定感が感じられる。

 お気に入りのナンバーをいくつか挙げておきたい。冒頭の1.「ベヌス」、2.「アスル」は、本作中で最良の出来のナンバーの一つ。特に後者の憂鬱さを帯びつつ厚みのあるトーンが個人的にはお気に入り。

 他の曲をもう少し挙げると、3.「ノ・アイ・マル・ケ・ドゥレ」は、ソエーらしさが全開と言えそうな演奏内容。表題曲7.「アストラン」は上述の通りの着想の曲で、特に幻想的なナンバーの一つ。10.「エジャ・エス・マヒア」は力強いリズムが特徴で、幻想性とリズムの組み合わせの妙が気に入っている。この曲から11.「オロペル」と12.「クラリビダー」にいたるアルバム終盤の展開(10.、11.と畳みかけるように進行し、12.で少しテンポを落として彼らの世界観をくまなく発揮)も筆者的には本盤の気に入っている部分だったりする。

 繰り返しになるが、全体としてソエーらしさが安定的に発揮されている好盤で、お気に入りかつお薦めのアルバムである。2019年のグラミーで、ベスト・ラテン・ロック(アーバン/オルタナ・アルバム)を受賞したのも頷ける充実した内容の一枚だと言える。


[収録曲]

1. Venus
2. Azul
3. No hay mal que no dure
4. Al final
5. Hielo
6. Luci
7. Aztlán
8. Temor y temblor
9. Renacer
10. Ella es magia
11. Oropel
12. Clarividad

2018年リリース。




 ↓LP盤です↓
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【輸入盤LPレコード】Zoe / Aztlan【LP2019/2/1発売】




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Last updated  2022年06月02日 08時41分27秒
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