音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2024年10月17日
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テーマ: 洋楽(3407)
2000年代の新クラシックスの1枚


 ニール・ヤング(Neil Young)の活動歴は、優に50年を超える。ソロのファーストのリリースは1969年、バッファロー・スプリングフィールドのデビューまでさかのぼると1966年から音楽業界での活動をしていることになる。コンスタントにアルバム制作を重ねているため、リリースされた作品は何十枚もあるが、長い年月を経ながら、いわば連作のようになっている作品もある。

 彼の名盤かつ個人的にお気に入りの一枚に、1972年の 『ハーヴェスト』 がある。アコースティック・サウンドに独特のヴォーカルがピタリとはまった名盤である。そして、その続編とも言える作品は、20年後の1992年に、『ハーヴェスト・ムーン』というタイトルでリリースされている。それからさらに十数年、2005年に発表されたのが、この『プレーリー・ウィンド(Prairie Wind)』で、同じ志向性を継承した作品となった。

 オープニング曲の1.「ザ・ペインター」は、シンプルで柔らかい曲調とヴォーカルが印象的。2.「ノー・ワンダー」は、ヤング独特の頼りなさげな調子のヴォーカル(もちろんいい意味で)がピタリとはまった名曲で、筆者的には本盤の中で一推しである。5.「イッツ・ア・ドリーム」も淡々とした弾き語り調の中に同様のヴォーカルの特色が生かされている。

 後半では、アルバム表題曲の6.「プレーリー・ウィンド」の切なさがいい。アレンジ・演奏は工夫されている一方、独特の迫ってくるようなヤングのヴォーカルがうまく組み合わされていて、7分超えの長尺だが、これもお勧めのナンバー。9.「ヒー・ワズ・ザ・キング」はややアップテンポの曲で、演奏面でのホーンやハーモニカが効果的にきまっている。アルバム最後の曲である10.「ホエン・ゴッド・メイド・ミー」は、淡々としたピアノ弾き語り調のナンバーで、穏やかにアルバムを締めくくる。

 この手の演奏とヴォーカルが現代の感性にマッチしているかというと、必ずしもそうではないかもしれない。けれども、この何十年も前の1970年代の『ハーヴェスト』と同様、落ち着いて噛みしめるリスナーは一定数(むろん、筆者もその一人だが)存在するのだと思う。21世紀に入ってから出されたこの一枚も、過去の名作と同様、名作として何十年も聴き継がれていくことを願いたい。


[収録曲]

1. The Painter
2. No Wonder
3. Falling off the Face of the Earth
4. Far from Home
5. It's a Dream
6. Prairie Wind
7. Here for You
8. This Old Guitar
9. He Was the King
10. When God Made Me

2005年リリース。



 ​
プレーリー・ウィンド[CD] [輸入盤] / ニール・ヤング




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Last updated  2024年10月17日 07時25分07秒
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