全11件 (11件中 1-11件目)
1
しかし、ブルーアイ氏の方は涼しい顔です。ブルーアイ「ふむ、やはりミルキーちゃんが作ってくれただけのことはある。実に独創的な味だ。パクパクパク……、」一方ウイリアム氏とリチャード氏はその場でのたうち回っていました。ウイリアム「ぐええええええええええええええええええ~~~~!」リチャード「うううううう~~~~!水!水ぅ~~~~!」するとブルーアイ氏が、ブルーアイ「おお!ひらめいたあ!」そう言って急に立ち上がりました。そしてブルーアイ氏はこの部屋の奥の方にある机に座って、そこにあったノートパソコンでなにやら文章を打ち込み始めます。それはすごい勢いでした。カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ……。アリス「監督さん、良いアイデアが浮かんだのですか?!」ブルーアイ「ああ!泉のようにアイデアがわいて来たあ!」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ……。ミルキー「監督タン、よかったね。」ブルーアイ「ああ、これもミルキーちゃんのおかげだあ!」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ……。ミルキー「ミルキータン、アップルパイ作って来たかいがあったよ。」若林「はぁはぁはぁ………。でっ、ではあの辛い”修行”というのはいったいなんだったのでしょう?」リチャード「ぐええええええええええええええええええええ~~~~!」ウイリアム「うわあああああああああああああああああ!」ウイリアム氏とリチャード氏はまだのたうちまわっていました。THE END
2014.06.12
コメント(0)
若林君はリチャードに背中を叩かれました。ブルーアイ「ほう。これはまたなんとも言えない形で。」ウイリアム「……………………。」リチャード「……………………。」ミルキー「さあ、みんな食べて食べて!えんりょしないで!」ブルーアイ「では、いただきましょか?」しかしウイリアム氏とリチャード氏を見ると、ブルブルと震えていました。ウイリアム「ブルブルブル~~~。」ブルーアイ氏がアップルパイを一口、口に運びました。パクッ!ミルキー「どう?おいしい?」ブルーアイ「……………………。」ブルーアイ氏は目を閉じたまましばらく動きませんでした。ウイリアム「やっぱりだ!!」ブルーアイ「……………………。」そして……、ブルーアイ「……ムシャムシャムシャ、うむ。うまい!」ミルキー「ああ、良かったあ!ミルキータン、初めてアップルパイ作ったから心配してたんだよ。どんな味になったのか。」ブルーアイ「さあ、みなさんも頂いて!一度食べてみなさい」若林「はあ。ではいただきます」若林君がアップルパイを口に運びました。ウイリアム「うわああああああああ!」若林「はあ?」若林君にはウイリアム氏とリチャード氏が驚いているワケがわかりませんでした。若林「パクッ!……ムシャムシャムシャ、」ブルーアイ「さあ、ウイリアム殿とリチャード殿もえんりょなく」しかし、ウイリアム氏とリチャード氏は食べずに若林君の様子を見ていました。若林「うっ!」ウイリアム「は?」若林君はだんだんと顔が真っ赤になって行きます。そしてついに……、若林「うわああああああああああああああああああああああああ!!」アリス「どっ、どうされました?」若林「うわああああああああああああああああああああああああ!!みっ、水ぅ~~~~!」ウイリアム「やはり!」ブルーアイ「いったいどうしたと言うのだ?こんなおいしい物を食べて。パクパクパクパク……、」ウイリアム氏とリチャード氏が若林君を介抱します。水を飲ませますと、若林君は少し落ち着きました。若林「はぁはぁはぁ………。」ブルーアイ「ではウイリアム殿とリチャード殿も食べてみられては?」ウイリアム「いえ、わたくしたちは……、けっこうです」ブルーアイ「なに?ミルキーちゃんが心を込めて作った物が食べられないだと?」ジロッ!リチャード「いっ、いえ、監督、私たちはお腹がいっぱいで」ブルーアイ「では少しだけ食べてみなさい」ウイリアム「ううう!」ウイリアム氏の目に涙が光ります。ウイリアム「……………………。」ジロッ!ブルーアイ「食べないとなると……、今後の役者・スタッフの入れ替えを考えねばなるまい」ウイリアム「そんなあ!」ブルーアイ「食べないなんて、ミルキーちゃんに対して失礼に当たるからな!」それで意を決してウイリアム氏とリチャード氏はアップルパイを口に運びました。ウイリアム「パクッ!!」リチャード「パクッ!!ウイリアム「……………………。」リチャード「……………………。!ウイリアム「ぐあああああああああああああああああああああああ!!」リチャード「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
2014.06.11
コメント(0)
女の子「ですが、おこしになったのはアリス様とミルキー様でございますが?」ブルーアイ「……………………。」女の子「やはりお断りしてまいりましょうか?」ブルーアイ「いや、すぐに会おう!」ズデッ! ブルーアイ「アリス殿とミルキー殿をお待たせしては申し訳ない」こうしてみんなで母屋の方に戻りました。母屋にはいろいろな部屋があります。そこにある広い客間に向かいます。そこは純和風の、まるで昔風の作りをした客間でした。畳敷き、何枚もの障子。そして広い縁側もあります。ブルーアイ氏はさっそくその部屋に入りました。ブルーアイ「おおっ、これはこれは!よくまいられたアリス殿!ミルキー殿!」その後を若林君とウイリアム氏とリチャード氏が部屋に入って来ました。若林「はぁはぁはぁ………。」すでに若林君は息が切れてボロボロの状態です。ウイリアム氏とリチャード氏もそんな感じです。ヘトヘトです。アリス「まあ、いったいどうされました?」若林「いえ、別に。ちょっと監督の”修行”を体験していただけです」アリス「まあ!ところで新作の方のアイデアはできましたでしょうか?」ミルキー「それが聞きたくてミルキータンたちは来たんだよ!」ブルーアイ「うむ、それが………、修行に励んだのだが、何も思い浮かばなかった。」アリス「では新作の方はまだ…?」ブルーアイ「うむ。」ミルキー「でも、こんなこともあろうかと思って、ミルキータン、監督タンのためにアップルパイを作ってきたの!」ブルーアイ「ええ?ミルキーちゃんがアップルパイを?」ミルキーはアップルパイを入れた紙の箱を前に出しました。それはケーキを入れるような化粧箱です。ブルーアイ「ミルキーちゃんが私のために?」ミルキー「うん。監督タンがアイデアが浮かばなくて大変だと思ったから。ミルキータン、がんばって作って来たんだよ。これ食べて元気出して!」ブルーアイ氏は涙ぐんでいました。ミルキー「ミルキータン、アップルパイを作るのは初めてなの!苦労したよ!」ブルーアイ「なんとなあ!嬉しいよ、ミルキーちゃん1ではさっそくいただこうか?」ミルキーは箱を開けました。そしてアップルパイを切り分けました。そのアップルパイは若林君やウイリアム氏とリチャード氏にも渡されました。全員に一個ずつ行きわたりました。でも、よく見ますと……………若林「こっ、これがアップルパイ?」なんだか形がいびつです。若林「なんだかこれは……、粘土細工?」バシッ!
2014.06.10
コメント(0)
ブルーアイ氏は山を降りました。そしてみんなをふもとにあるガレージに案内しました。そのガレージの中には数台の車が置いてあり、その内の一台は真っ赤なスポーツカーでした。若林「こんな所にガレージが?」ブルーアイ氏はスポーツカーを前にしてこう言いました。ブルーアイ「この車は”2人乗り”です。ウイリアム殿とリチャード殿はあちらの車に乗ってついて来てください」それはファミリーカーのようです。ブルーアイ氏はスポーツカーの方に乗り込み、その助手席に若林君を乗せました。若林「監督!これからどちらへ?」ブルーアイ「サーキットへ向かう」若林「サーキット?」ブルーアイ氏は車を発進させました。キュルルルルルルルル!若林「うわああああああああああ!!」今までブルーアイ氏たちが登っていた山のふもとのすぐ近くには開けた土地があり、そこにまるでサーキットのような場所がありました。少々ミニサイズですが。キュルルルルルルーーウ!そのサーキットに進入してブルーアイ氏は車を止めました。若林「監督!これはいったい?」ブルーアイ「ここは”私設サーキット”だ!」若林「私設サーキット?」ブルーアイ「そうだ。アイデアが浮かばない時はここを攻める!」若林「攻めるって?いったい何を?」キュルルルルルルルル!車は急発進しました。若林君は取っ手につかまります。若林「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」若林「監督!」ブイイイイイイイイイイイイイイ!サーキットの一画でその様子を見ているウイリアム氏とリチャード氏。ウイリアム「……………………。」リチャード「……………………。」キュキュキュキュキュ……、ブルルルルルルルルーーーーーーーーーー!若林「うわあああああああああああああああああああ!!」ウイリアム「……………………。」リチャード「……………………。」やがて、ウイリアム氏とリチャード氏が待つ所へブルーアイ氏の乗った車が戻って来ました。キキキキキ!助手席のドアを開けて若林君が降りましたが、すぐにその場に倒れました。それをウイリアム氏とリチャード氏が起こします。リチャード「監督!これは?」ブルーアイ「修行だ!サーキットを攻める時、人間の集中力は高まる。それは死と隣り合わせの瞬間だからだ。その時人間は良質のアイデアを得る。」リチャード「すると、良いアイデアが浮かばれたのですか?」ブルーアイ「……………………。いや、まったく」?「ブルーアイさまあ!」そこへあの着物を着た女の子がやって来ました。女の子「はぁはぁはぁ………。」ウイリアム「どうされたのです?息を切らせて!」女の子「はぁはぁはぁ………。あのう、母屋の方にお客様がお見えです」ブルーアイ「お客?うむ。今修行でいそがしい。またにしてもらってくれ」女の子「ですが……」ブルーアイ「くどい!今は修行中だ!外部からの連絡は受け付けない!アイデアが出来るまでは!」
2014.06.09
コメント(0)
若林「これでいったい何を?」ブルーアイ氏は若林君にも同じようにするように言いました。でっかいタイヤは若林君にもつながれました。若林「あのう監督!これでいったい何を?」ブルーアイ「いいから!ついて来たまえ!」ブルーアイ氏はそう言うとさらにその小高い山の急斜面を登り始めました。ブルーアイ「ホッ!ホッ!ホッ!ホッ!ホッ!」若林「あああ!待ってください!」ブルーアイ氏はドンドン斜面を登って行きます。ウイリアム氏とリチャード氏はタイヤをつけていませんでした。若林「先輩がたはしないのですか?」ウイリアム「ギクッ!修行はぼくらはこの間しましたから」若林「そうですか?」若林君1人ではタイヤをつけたまま登れないので、結局ウイリアム氏とリチャード氏がタイヤを押すことにしました。ウイリアム「ぐぐぐぐぐぐぐ!」リチャード「ぐあああああああああああああああ!」しかし、若林「もっと!もっと強く押してください!」ウイリアム「これが……、せいいっぱいです!!」リチャード「ボクはもうダメです!」そして20分後、若林君とウイリアム氏とリチャード氏は何とかブルーアイ氏が待つ頂上付近にたどり着きました。若林「はあはあはあ……、」ウイリアム「はぁはぁはぁ………。」リチャード「はぁはぁはぁ………。」山頂は開けていました。そして辺りの景色が見渡せます。若林「こっ、これが本当に都心から少しだけ離れた郊外?この光景、信じられない。」ブルーアイ氏は何か突き出したステージのような所に立っていました。そして氏は両腕を水平に広げました。その後、氏はなんとそのまま谷底に向かって飛び降りました。若林「あーーーーーーーーーーーーー?!」ウイリアム「うわあああああああああああ!」驚いたウイリアム氏たちはブルーアイ氏が飛び降りたステージのような所に駆け寄ります。すると2本のロープがそこから下に伸びており、はるか下の方にブルーアイ氏がロープで宙づりになっているのが見えました。そして氏がもう1本のロープをたぐっている姿も見えました。ウイリアム「こっ、これは?」若林「まさか”バンジージャンプ”?!」その後しばらくしてブルーアイ氏がウイリアム氏たちのいる場所に戻って来ました。ブルーアイ「では次は君だ。」若林「うわあああああああああああ!ムリです!」ウイリアム「ところで監督!アイデアの方は浮かばれたのですか?」ブルーアイ「バンジージャンプは極度に緊張する。それに逆さまになるので頭に血が上ってアイデアが浮かびやすい!」若林「ではアイデアが浮かばれたのですか?」ブルーアイ「いや。」リチャード「ではいったい?」ブルーアイ「うむ。ついて来たまえ」
2014.06.08
コメント(0)
若林「また修行ですか?」ブルーアイ「そうだ。修行が足りんからアイデアが浮かばないんだ。これからさらに本格的な修行に入る。」若林「と、言いますと?」 ブルーアイ「荒行となる。これから君も修行に参加したまえ」若林「え?私が?」ブルーアイ「身をもって体験するのだ。修行を!そうしないと私のやっていることが理解できないだろう?」若林「わっ、わかりました」ブルーアイ「ではついて来たまえ!」そう言うとブルーアイ氏は山道を駆け上がって行きました。氏は滝があった場所から少し上の方に移動しました。すると別の場所に小さな小屋が建っていました。ウイリアム「はぁはぁはぁ………。山小屋?いや休憩所か?」そこは少しだけ開けた場所でした。その片隅に小さな建物が建っており、そのすぐそばに鉄棒のような形に組まれた木が立っていました。そこに人間のような物がロープでつながれているのが見えました。若林「うわあああああああああ!監督これは?」よく見ますと、それは”でっかいワラ人形”でした。リチャード「これは?全部ワラで出来てます。大きいですね。でもこれでいったい何を?」ブルーアイ氏は小屋からなんと木刀を持ち出しました。その後、でっかいワラ人形に向かって木刀を持ち、構えを取りました。どうやらそれは剣道のような感じです。ブルーアイ「……………………。」そして木刀でワラ人形を斬りつけます。ブルーアイ「てやああああああああああああ!ていてい!」バシッ!バシッ!ブルーアイ「どりゃああああああああああああああ!!!」若林「いったいこれは?」氏は何度も何度も斬りつけました。ブルーアイ「どりゃあああああああああああああああああああああ!!」若林君、ウイリアム氏とリチャード氏はぼうぜんとしてその姿を見つめていました。やがて、ブルーアイ氏は攻撃を終えました。ブルーアイ「ふう~~~~」その後、丁寧に木刀を納めます。ブルーアイ「……………………。」我に返ったウイリアム氏がブルーアイ氏に訪ねます。ウイリアム「あのう、監督、アイデアの方は……?」ブルーアイ「……………………。ふむ。浮かばん。」次にブルーアイ氏は小さな小屋の中からコンクリートブロックを持って来ました。そしてそれを地面に置きます。さらにそこになんと500枚入りのコピー用紙の包みを置きました。若林「これはいったい何を?」そしてコピー用紙の包みを前にブルーアイ氏はまるで瓦を割るような感じのポーズを取ります。リチャード「これはまさか?”瓦割り”ならぬ、”コピー用紙割り”?」ブルーアイ氏の拳がコピー用紙の包みに向かって振り下ろされました。ブルーアイ「きえええええええええええええええええええええええええええええ!」バサリ!見事、コピー用紙がまっぷたつに割れました。若林「監督?」ウイリアム「アイデアの方は……?」ブルーアイ「……………………。何も思い浮かばなかった。」リチャード「そんな?」ブルーアイ「しからば…………」ブルーアイ氏は小屋から何か取り出しました。そして自分の身体にロープを巻きました。その後ろには”でっかいタイヤ”がつながれていました。それはモンスタートラックや四輪駆動車に使われるような、でっかいタイヤでした。
2014.06.07
コメント(0)
ウイリアム「あのう監督……、それで次回作のシナリオの方は?」ブルーアイ「ふむ。まだだ」ウイリアム「まだ?シナリオはまだなのですか?」ブルーアイ「まだだ。」ウイリアム「では、次回作の原案などは?」ブルーアイ「ふうむ。それもまだだ。」リチャード「なんと?!まだですと?」ウイリアム「ではどうするんですか?このままでは次回作は?」リチャード「そうです。次回作の制作がいつまで経っても始まりませんよ!」ブルーアイ氏は再び目を閉じました。そして腕組みをします。ブルーアイ「ううむ。」ウイリアム「アイデアもまだないのでしょうか?」ブルーアイ「ない。まったくない。」若林「そんな……?」するとブルーアイ氏は目をカッと見開きました。ブルーアイ「では今からアイデアを考えるとしよう!」そう言って氏はまたロープを握りしめました。ブルーアイ「あ、あ~~~~あ!!」ブルーアイ氏はロープを使って、また滝の岩場の方に移動しました。そして落ちて来る滝の水に向かって立ちます。そして鉄拳の構えを取りました。ブルーアイ「むむうううううううううううううううう~~~~!」氏はまるで体内に力をため込むような構えを取りました。そして……、ブルーアイ「きええええええええええええええええええええええええ!!」氏は流れ落ちて来る滝の水に向かって蹴りを入れました。ズバッ!若林「あれは?いったい?!」次に氏は鉄拳を水に加えます。ブルーアイ「きええええええええええええええええええええええええ!!」ズバッ!スパッ!リチャード「ああやって監督は次回作のアイデアをねられているんです。」若林「あれでアイデアを?」ブルーアイ「きええええええええええええええええええええええええ!!きええええええええええええええええええええええええ!!ズバッ!ズブッ!ズバッ!ズバッ!ズバッ!ズバッ!ズバッ!若林「でも、あんなことでアイデアが浮かぶのですか?」ウイリアム「あれは”修行”なのです。ああやって修行を行い、精神の集中力を高めるのです」リチャード「すると、アイデアが浮かんでくるそうです」ブルーアイ氏は何度も何度も滝に向かって突きや蹴りを繰り返しました。ズバッ!ズブッ!ズバッ!ズバッ!ズバッ!ズバッ!ズバッ!ブルーアイ「はぁはぁはぁ………。」一通り拳撃を行った氏は攻撃を止め、大きく肩で息をしました。ウイリアム氏は大声で監督を呼びます。ウイリアム「監督ーー!アイデアは浮かびましたでしょうか?」その声は周囲にこだましました。するとブルーアイ氏はまたロープに飛び乗り、ウイリアム氏たちの前に降り立ちました。若林「かっ、監督!」ウイリアム「良いアイデアが浮かびましたでしょうか?」ブルーアイ「……………………。まったく浮かばん!」ガクッ!ウイリアム「ではいったいどうするのですか?」ブルーアイ氏は空を仰ぎ見てこう言いました。ブルーアイ「修行あるのみだ!」
2014.06.06
コメント(0)
男性「きええええええええええええええええええええええええ!!」その男性は滝に向かって拳撃を放ちました。男性「きええええええええええええええええええええええええ!!きええええええええええええええええええええええええ!!」ウイリアム「あれは、ブルーアイ監督です」若林「ええ?!」ブルーアイ「きええええええええええええええええええええええええ!!」若林「まさか、そんな……?ウソだ!だってぜんぜん雰囲気が違います!」リチャード「監督は『不思議の国のアリスとニセアリス』シリーズの原作を考える時にはまるで修行僧のような風貌になるんです」若林「修行僧?」ウイリアム「監督ぅ~~~~! 」ウイリアム氏は大声を上げてブルーアイ氏を呼びました。ブルーアイ「むっ?」すると、やっとブルーアイ氏はウイリアム氏たちに気付きました。そしてまたロープをつかみ、ブルーアイ「あ、ああ~~~~!」と叫んで空中を移動しました。そしてウイリアム氏たちのすぐ近くに降り立ちました。ウイリアム「監督、ごぶさたしております!」ブルーアイ「うむ。よくまいられた、ウイリアム殿、リチャード殿!」若林「殿?本当に監督なのですか?ぜんぜん違う!だいいち言葉づかいが違います!」ブルーアイ「こちらは?」ウイリアム「監督、お忘れですか?休暇に入る前にマネージャーとして新しく入社した若林君です」ブルーアイ「ああ、しっけい。マネージャーの人か?で、今日は何の用かね?」若林「はい、監督に連絡が取れませんので、それでここまでやって来たんです」ブルーアイ「連絡が?ううむ。全然気付かなかったな。連絡があったなんて。修行に没頭しておったからな」若林君はそっとウイリアム氏に耳打ちしました。若林「本当にこの方はブルーアイ監督なんですか?とても信じられません」ウイリアム「監督はここでの”修行中”は制作スタジオにいる時とは”別人”になるんです」リチャード「あのう監督、それで次回作の原作の方はどうなりましたか?」ブルーアイ「ううむ。」ブルーアイ氏は空を仰ぎ見ました。ブルーアイ「今日は良い天気だ……、」ウイリアム「あのう監督、今日お伺いしたのは、次回作のシナリオをそろそろ拝見できないかと思って来たのです。」ブルーアイ氏は目を閉じました。ブルーアイ「シナリオ?」ウイリアム「そうです、”シナリオ”です」リチャード「そろそろ出来ておられるのでしょうか?でないと次回作の制作が始まりません」ブルーアイ氏は目を見開きました。ブルーアイ「かああああああああああああーつ!!」若林「は?!」そしてブルーアイ氏はまた空を仰ぎ見ます。ブルーアイ「そろそろ……、夏だな。」
2014.06.05
コメント(0)
すぐ近くにある豪邸の方を若林君が指さしていました。リチャード「いや、そっちじゃないよ。そっちは全然関係ないお宅だ。こっち、こっち」若林「え?こっち?」でもそこには家のような建物は見えず、代わりに林のような木々が生えた場所があるだけです。さらにそのずっと奥手の方は小高い山になっているようです。若林「本当にこっちなんですか?こっちは住宅じゃないと思いますが?」リチャード「いいから!こっちだよ!」若林君がよく見ますと、草木に隠れて柵と門がありました。ウイリアム氏とリチャード氏は門を開けて中に入って行きます。すると小道が奥へと続いていました。ウイリアム氏とリチャード氏はその小道を進みます。そこは木々の葉っぱが頭上におおいかぶさり、アーチのようになっていました。その小道をどんどん抜けて行きます。そして神社のような真っ赤な鳥居を抜けます。若林「はあ?この鳥居は?」さらに奥に進みますと、開けた場所に着き、そこにはお寺のような建物がいくつも建っていました。若林「はあ~~~~~。奥はずいぶんと広い土地なんですねえ?」しかし、そこには人影は見えません。ウイリアム「監督はどこにいらっしゃるんだろう?監督~~~~!」リチャード「監督ぅ~~~~!」ウイリアム「いないなあ」するとそこへ着物を着た小さな女の子が現れました。この女の子はなぜかここに住んでいます。若林「まるで”座敷わらし”……、」バシッ!若林君はリチャードにお尻を叩かれました。女の子「ブルーアイ監督でしたら裏手の山の方で修行中でございます。今のお時間は滝の所におられると思います。」ウイリアム「わかりました。一度行ったことがありますのでそこに行ってみます」ウイリアム氏たちは滝に行ってみることにしました。まず裏手には急な坂があります。若林「ええ~~~~?!こっ、これが本当に都心から少し離れただけの郊外ですか?本格的に”山”なんですが?」リチャード「いいから!行くよ!」若林「待ってください!急な坂だ!」本当に森の奥深くに来たような感じです。やがて、開けた場所に出ました。奥の方には滝がありました。ゴーー!という音と白い水蒸気がそこに立っていました。若林「はぁはぁはぁ………。監督はどこに?」ウイリアム氏とリチャード氏も周りを見回します。ウイリアム「はぁはぁはぁ………。誰もいないようだ」リチャード「本当ですね。」すると……、?「あ、ああ~~~~~~~~!!」男性の叫び声、いえ、雄たけびが聞こえました。?「あ、ああ~~~~!」長いロープにつかまった男性が現れました。男性はそのロープにつかまって空中を移動して来ます。?「あ、ああ~~~~!」若林「あれはいったい誰です?!」その男性は柔道着を着込み、顔は日に焼け、顔は下半分口ひげに覆われていました。そして男性は滝の下にある岩場に降り立ちました。サッ!そしてその男性は滝に向かって立ちます。そして鉄拳の構えを取ります。若林「あの男性はいったい何を?」
2014.06.04
コメント(0)
制作スタジオ内会議室ブルーアイ「えーーー、みなさん本当にごくろうさまでした。みなさんのおかげで本作は無事完成しました。ありがとうございました。では、次回からは新企画の方の制作に入る予定です。」ウイリアム「監督、次回作の原案やシナリオはまだでしょうか?」ブルーアイ「今はまだシナリオはありません。この休暇を利用して私がシナリオを書くつもりです」そしてミーティングは終了しました。これから制作スタジオはいったん長いお休みに入ります。一応お休みの期間は1週間と定められました。でもそれ以降もまだすぐには大量の仕事は発生しません。仕事が発生してもまだポツポツとであり、本格的な仕事とはなりません。でもシナリオが出来上がれば役者チームはその台本の検討や台本の読み合わせを行います。また撮影スタッフはそのシナリオを元に、ゲストの役者を決め、出演交渉をし、必要な美術セットのデザインや制作に入ります。それもこれもブルーアイ氏が書いてくるシナリオが到着するまで仕事は進みません。ブルーアイ「ではみなさん、良い休暇を!」そしてそれから……、2週間が過ぎました。若林「ブルーアイ監督から次回作についてのご連絡がまだないんですよね」リチャード「まだシナリオが完成していないからだと思う」若林「でももう2週間になりますし、ここの所、連絡が全然取れないんですよ。メールも返って来ません。」ウイリアム「よくあることです。」若林「え?そうですか?」ウイリアム「今までにもありました。現在はシナリオ作成に集中されているので連絡が取れないんだと思います。」若林「さすが先輩!長くこのシリーズにたずさわって来られただけのことはありますね」リチャード「しかし、すでに2週間も経つとは……、そろそろ連絡だけは取って置かなくてはなりません。」ウイリアム「そうですね。そろそろ次の企画の原案の説明だけでも欲しいところです」リチャード「では?」ウイリアム「連絡が取れないなら、直に監督のお宅を訪ねるしかないですね」若林「なるほど!」こうしてウイリアム氏とリチャード氏、そして若林君が監督のご自宅を訪ねることになりました。都内郊外某所リチャード「おっ!ここだここだ!」若林「え?こっちじゃないんですか?」
2014.06.03
コメント(0)
----------------------------------------------------------------------------------------------------リチャード「はい、みなさまこんにちは。またお会いしましたね?お元気ですか?もうすっかり梅雨入りしましたねえ。いかがお過ごしでしょうか?では今回はまた『不思議の国のアリスとニセアリス』シリーズがどのように制作されているのか、その裏舞台をメイキングムービーとしてお届けします。」----------------------------------------------------------------------------------------------------都内某所『不思議の国のアリスとニセアリス』シリーズ制作スタジオブルーアイ「じゃあ、これと、これと、ここお願い。」ブルーアイ「でっ、そっちはスタジオを使って追加で撮りますから。またセットを組んで下さい。これは数秒のシーンです。」ブルーアイ「それとその追加撮影が終わったら、それを加えて本作の制作は終了します」監督のブルーアイ氏は普段着で『不思議の国のアリスとニセアリス』撮影スタジオにいつも入ります。そしてテキパキとスケジュール通りに撮影や仕事をこなしていきます。ブルーアイ「では本作の撮影は今日で終了です。スタッフのみなさん、お疲れ様でした。次回からは新シリーズに移行しますので、それまでは”お休み”です。これまで働きづめでごくろうさまでした。みんな少し休んでください。」それで『不思議の国のアリスとニセアリス』シリーズのスタッフや出演者たちはみんな笑顔になりました。ウイリアム「いや~~~~!明日からお休みかあ!趣味をたっぷり楽しもうかな?」リチャード「やっほーーーー!お休みだあ!ひさしぶりだな!羽でも伸ばすかあ!」そう言ってリチャード氏は自分の羽を大きく広げて見せました。ここに1人の男性が立っていました。その男性は細身で、スーツを着ていました。若手マネージャーの”若林”君です。新人。人間。23歳。大学を出てこのテレビドラマ『不思議の国のアリスとニセアリス』シリーズ制作会社に就職しました。この会社ではいままではウイリアム氏がメインのマネージャーをしていましたが、今回からはこの若林君もマネージャーとして働きます。ウイリアム氏が役者とマネージャー、そして役者チームのリーダーなどを兼任していたのに対して、若林君は専属のマネージャーです。当面はウイリアム氏のサポートに入ります。これでウイリアム氏の負担が大きく軽減されると期待されていました。若林「今日から新しくマネージャーとして入りました”若林”です。みなさんよろしくお願いします。」ブルーアイ「では若林君、さっそく制作会議に出てもらう。メインスタッフは会議室に集まってください。本作最後のミーティングを行います。」
2014.06.02
コメント(0)
全11件 (11件中 1-11件目)
1