《櫻井ジャーナル》

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2012.01.08
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カテゴリ: カテゴリ未分類
スーダンのオマル・アル・バシール大統領が7日、リビアを訪問したと伝えられている 。国民暫定評議会のムスタファ・アブデル・ジャリル議長らと会談し、ムアンマル・アル・カダフィ体制を倒したことことに感謝したという。カダフィはスーダンの反政府派を支援、バシールにとっては敵だった。勿論、カダフィ体制を倒したのは暫定評議会ではなく、英仏米軍とアル・カイダ系武装集団の連合軍である。

 スーダンでは長い間、内戦が続いてきた。そうした中で起こったダンフールでの殺戮を理由にして国際刑事裁判所(ICC)は2009年、バシールに逮捕状を出している。つまりバシールは「御尋ね者」である。

 もっとも、リビアの暫定評議会もICCの「捜査対象」だ。無抵抗だったカダフィをリンチの上に殺害したことなどが問題になっている。リビアの体制転覆で中心的な役割を果たしたNATO軍も市民を虐殺した疑いで「捜査」されているはずだ。

 ダンフールでの戦闘で犠牲になった市民はスーダン政府側の主張でも1万9500人、 NGOなどは40万人という数字を出している 。いずれにしろ、大変な数の犠牲者が出たことは間違いない。

 ただ、こうした事実に基づいて、一国の元首をICCが裁くことには疑問もある。アメリカのジョージ・W・ブッシュ政権はアフガニスタンとイラクを先制攻撃して多くの市民を虐殺しているのだが、ICCはブッシュに逮捕状を出していない。しかも、その攻撃は嘘に基づくもの。

 アメリカが一方的に始めた戦争による犠牲者数はイギリスのNGO「イラク・ボディ・カウント」が発表した「確実な死者数」でも16万2000人、ジョンズ・ホプキンズ大学とアル・ムスタンシリヤ大学の共同研究によると、2006年7月までに約65万人が死亡したと推計、また、イギリスのORB(オピニオン・リサーチ・ビジネス)が行った調査では2007年夏までに約100万人が戦争で殺されたという。現段階では100万人を突破している可能性が高い。

 こうした殺戮行為を犠牲者数で比較することが適切だとは思わないが、バシールが残虐非道の極悪人だとするならば、ブッシュ・ジュニアやリチャード・チェイニー元副大統領やドナルド・ラムズフェルド元国防長官などはバシール以上の極悪人ということになる。ガザ地区などへ軍事侵攻を繰り返し、破壊と殺戮の限りを尽くしてきたイスラエルの支配者たちも同じだ。





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最終更新日  2012.01.09 01:29:31


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