学習する組織を創りたい!!

学習する組織を創りたい!!

2005/04/01
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カテゴリ: 学習する組織
 ピータ・M・センゲ著「最強組織の法則」第10章に、
メンタルモデルの克服について書かれている。

 「名案だというアイデアは、どういうわけか実行されないことが多い。
  たとえすばらしい戦略であっても、実行に移されることがない。」

 「心の奥底には世界の仕組みに関して深く秘められた各自のイメージが存在し、
  それば新しい見識と相容れないせいで実行の段階まで進めないのだ。」

 メンタルモデルが潜在的にある組織の場合、一時的に改善が行われたと喜んでいても、
数年で元に戻ってしまった事例が掲載されていた。

 私は、3年にわたり、異文化が共存する組織の文化融合という、風土改革に取り組んできた。
成功したプロジェクトのノウハウを集めた改善手法を取り入れようとしても、
すんなり受け入れられることはなかった。

 「その手法が良さそうなことは理解できるけれど、
  いま以上余計な仕事が増えてしまったら、開発の遅れが致命的になってしまうでしょ。」

 改善を推進していると、よく言われる決まり文句である。
少し前まで、風土改善を阻んでいる「何か」を理解できずに、苦しみ続けていた。

 ピータ・M・センゲさんは、この反発を「メンタルモデル」という言葉で説明している。
改善を阻んでいる見えない力となっている「メンタルモデル」とは、どんなものなのだろうか。

 自分が理解した範囲で、事例をもとに説明してみる。

 多くの人が参加している会議の中、説明が明らかに間違っていることに気が付いた。
その時すぐに、「その説明について、矛盾があります。」と言えるだろうか。
それとも、他の誰かが間違えを指摘するのを待っているだろうか。

 私の場合、自分が発言することによって、会議の説明者との間のメンタルな葛藤を予想して、
自分を抑えてしまうことが多い。
それは、長い時間をかけて、自分に刷り込まれている自己防衛の習慣に思えてきた。

 高度の自己防衛スキルを身に付けた、熟練した大人たちの会話の中では、
お互いに自由に意見を言い合えるような雰囲気は、なかなか出てこない。
ふと、「裸の王様」を思い出した。
熟練した大人たちは、本当に大切なことを言えなくなっているのだろうか。

 相手を変えることができないのなら、自分が変わるしかない。
「裸の王様」に出てくる、無邪気な子どものように「事実」だけを伝えてみたい。

 無邪気な子どものようになるためにも、自分のメンタルモデルと向き合ってみることが必要になる。
自分のメンタルモデルに気が付くアイデアとして、「心の中の言葉を書き出す方法」が本に載っていた。

 さきほどの、説明の矛盾を指摘できなかった時のことを例として、
自分と相手の会話を紙に書き出してみる。

説明者「なにか質問ありますか。」
私  「データAとデータBとの関係を教えてください。」

説明者「先ほども説明したように、データAとデータBは、同じ傾向を示しています。
私  「同じ傾向なのですね。」

説明者「はい、そのとうりです。」

 では次に、この台詞に、カッコで、私の心の中の言葉を書いてみます。 

説明者「なにか質問ありますか。」
私  「データAとデータBとの関係を教えてください。」
   (誤りに気が付いてほしいな)

説明者「先ほども説明したように、データAとデータBは、同じ傾向を示しています。
私  「同じ傾向なのですね。」
   (よく見てほしいな。 データAとデータBは、全然傾向がちがうでしょう。)

説明者「はい、そのとうりです。」
私  (まあ、いいっか。)

 これから、自分を実験台にして、自分のメンタルモデルを分析してみることにする。
いつの日か、メンタルモデルを克服することができることを夢見ながら。





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最終更新日  2005/04/01 04:53:34 PM


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